ネットワーク(OSI・TCP/IP・サブネット)
IPアドレスとサブネットマスクの論理積(AND)でネットワークアドレスを求め、ホスト部nビットなら割り当て可能ホスト数=2のn乗−2と即答できること、そして装置と層の対応(ルータ=第3層)が本章の得点の核である。
OSI基本参照モデルは、ISO(国際標準化機構)が策定した通信機能の7階層モデルであり、下位から物理層・データリンク層・ネットワーク層・トランスポート層・セッション層・プレゼンテーション層・アプリケーション層で構成される。IPAの試験要綱・シラバス(テクノロジ系・大分類「技術要素」中分類「ネットワーク」)では、各層の役割と中継装置との対応が明示的に問われる。物理層は電気信号やコネクタ形状などビット伝送を担い、リピータやリピータハブが対応する。データリンク層は隣接ノード間の伝送とMACアドレスによる制御を担い、ブリッジやスイッチングハブ(レイヤ2スイッチ)が対応する。ネットワーク層はIPアドレスに基づく経路選択(ルーティング)を担い、ルータやレイヤ3スイッチが対応する。装置と層の対応を問う出題は定番中の定番であり、「リピータ=第1層、ブリッジ=第2層、ルータ=第3層、ゲートウェイ=第4層以上」と即答できるようにしておくことが得点の近道である。
実際のインターネットはTCP/IPプロトコル群で動作しており、ネットワークインタフェース層・インターネット層・トランスポート層・アプリケーション層の4階層で整理される。インターネット層はOSIのネットワーク層に、TCP/IPのトランスポート層はOSIの同名の層に対応する。トランスポート層の二大プロトコルがTCP(RFC 9293)とUDP(RFC 768)である。TCPはコネクション型で、通信開始前に3ウェイハンドシェイク(SYN→SYN/ACK→ACK)により接続を確立し、確認応答と再送制御によって信頼性を保証する。一方UDPはコネクションレス型で、確認応答を行わない代わりにオーバヘッドが小さく、音声・動画のリアルタイム配信やDNS問合せに用いられる。通信相手のアプリケーションはポート番号で識別され、HTTP=80、HTTPS=443、SMTP=25、DNS=53、FTP=20/21などのウェルノウンポートは科目Aの頻出暗記事項である。TCPとUDPの特徴を入れ替えるひっかけが極めて多い。
アプリケーション層の主要プロトコルは、名称と役割の対応を問う形式で繰り返し出題される。DNSはドメイン名とIPアドレスを相互に変換する名前解決の仕組みであり、DHCPはLANに接続した端末へIPアドレスやデフォルトゲートウェイなどの設定情報を自動的に割り当てる。Webアクセスに用いるHTTPと、TLSで暗号化したHTTPS、ファイル転送のFTP、時刻同期のNTPも基本である。電子メールは送信・転送がSMTP、受信はPOP3(メールを端末にダウンロードして管理)とIMAP(メールをサーバ上に置いたまま複数端末から参照)という方式の違いまで問われる。さらにインターネット層の補助プロトコルとして、IPアドレスから宛先のMACアドレスを取得するARP、疎通確認(ping)やエラー通知に用いられるICMPを押さえる。ARPと逆方向の変換を行うRARPを入れ替えるひっかけが定番であるため、「どちらからどちらへ変換するか」の向きを正確に記憶することが重要である。
IPv4アドレスは32ビットで構成され、8ビットずつ4組の10進数(例: 192.168.1.1)で表記する。アドレスはネットワーク部とホスト部に分かれ、その境界を示すのがサブネットマスクである。組織内で自由に使えるプライベートIPアドレスの範囲はRFC 1918で定められており、10.0.0.0〜10.255.255.255(クラスA)、172.16.0.0〜172.31.255.255(クラスB)、192.168.0.0〜192.168.255.255(クラスC)の3ブロックである。プライベートアドレスのままではインターネットと直接通信できないため、ルータがグローバルIPアドレスへ変換するNATを用いる。特に1つのグローバルアドレスを複数端末で共有するため、IPアドレスに加えてポート番号まで変換する方式をNAPT(IPマスカレード)と呼び、本試験の頻出論点である。またアドレス枯渇への根本対策として128ビットのIPv6が定義されており、ビット長(32ビットと128ビット)の対比も確実に押さえておく。
サブネット計算は科目Aの計算問題の柱である。手順は機械的で、(1)サブネットマスクをビット列に直し、IPアドレスとの論理積(AND)を取るとネットワークアドレスが得られる。(2)ホスト部のビットをすべて1にするとブロードキャストアドレスになる。(3)ホスト部がnビットのとき、割り当て可能なホスト数は、ネットワークアドレスとブロードキャストアドレスの2つを除いた2のn乗−2個である。例えば172.16.10.130/26(マスク255.255.255.192)では、第4オクテットが64刻みのブロック(0、64、128、192)に分かれ、130は128〜191の範囲に含まれるため、ネットワークアドレスは172.16.10.128、ブロードキャストアドレスは172.16.10.191、割り当て可能ホスト数は2の6乗−2=62個となる。プレフィックス表記(/26)とマスク表記(255.255.255.192)の相互変換、そして「−2」を忘れないことが正答の分かれ目である。
LAN技術と性能計算も出題実績が多い。イーサネット(IEEE 802.3)ではネットワークインタフェースごとに48ビットのMACアドレスが割り当てられ、上位24ビットはベンダー識別子(OUI)である。無線LANはIEEE 802.11規格群で標準化され、アクセスポイントの識別にはSSIDを用い、暗号化は脆弱性が判明したWEPを避けWPA2/WPA3を用いるのが基本である。性能面では、伝送時間=データ量÷(回線速度×伝送効率)という関係式による計算問題が定番で、データ量の単位がバイト、回線速度の単位がビット/秒で与えられるため、データ量を8倍してビットに揃える単位変換が最大の落とし穴になる。例えば100Mビット/秒・伝送効率80%の回線で100Mバイトのファイルを送ると、800Mビット÷80Mビット/秒=10秒である。単位換算を落ち着いて処理すれば確実に得点できる分野であり、本章全体を通じて「ビットとバイトの変換」を習慣化することが合格への近道である。
この章の問題から3問
OSI基本参照モデルにおいて、ルータは第3層(ネットワーク層)の情報であるIPアドレスに基づいて経路選択(ルーティング)を行う中継装置である。
正解 ○(正しい)
正しい。ルータはネットワーク層(第3層)で動作し、IPアドレスを基に最適経路を選択する(IPAシラバス・ネットワーク分野の定番論点)。ひっかけとして、リピータ=物理層(第1層)、ブリッジ/スイッチングハブ=データリンク層(第2層)との対応を入れ替えた出題が多いので、装置と層の対応表を丸ごと覚えること。
UDPは、3ウェイハンドシェイクによってコネクションを確立してから通信を行うため、TCPよりも信頼性の高いデータ転送を保証する。
正解 ×(誤り)
誤り。3ウェイハンドシェイク(SYN→SYN/ACK→ACK)による接続確立と、確認応答・再送制御による信頼性保証はTCP(RFC 9293)の特徴である。UDP(RFC 768)はコネクションレス型で確認応答を行わず、信頼性よりも低遅延・低オーバヘッドを優先する(音声・動画配信やDNS問合せに利用)。TCPとUDPの特徴を入れ替えるのが本問のひっかけ。
ARPは、宛先のIPアドレスを手がかりに、同一LAN上でそのIPアドレスに対応するMACアドレスを取得するためのプロトコルである。
正解 ○(正しい)
正しい。ARP(Address Resolution Protocol)は「IPアドレス→MACアドレス」の解決を行う。逆に「MACアドレス→IPアドレス」を得るのはRARPであり、変換の向きを逆にしたひっかけが頻出(IPAシラバス・通信プロトコルの定番論点)。pingで用いる疎通確認・エラー通知のICMPとの混同にも注意する。
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本ページの講義ノートと問題は、各試験の出題範囲に基づきAIが作成し、法令・基準に照らして別のAIレンズで敵対的に検証したものです(検証プロセス)。法改正等で誤りが見つかった場合は随時修正します。合格を保証するものではありません。