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行政不服審査法・行政事件訴訟法・国家賠償法

審査請求3か月と取消訴訟6か月の期間対比、事情裁決と事情判決の区別、国賠法1条(過失責任・外形標準説)と2条(無過失責任・通常有すべき安全性)の対比が本章の合否を分ける。

行政救済法は行政書士試験の法令科目で最も配点比重が高い領域の一つであり、行政不服審査法・行政事件訴訟法・国家賠償法の三本柱で構成される。まず行政不服審査法(平成26年全部改正・平成28年4月施行)は、行政庁の処分または不作為に対する不服申立ての一般法である。不服申立ての種類は審査請求を原則とし、法律に定めがある場合に限り再調査の請求(同法5条)と再審査請求(同法6条)が認められる。審査請求期間は、処分があったことを知った日の翌日から起算して3か月以内、処分があった日の翌日から起算して1年以内(同法18条)であり、正当な理由があるときは例外が認められる。旧法の60日から3か月に伸長された点は改正の重要論点として繰り返し出題されている。

行政不服審査法の手続面では、審理員による審理(9条)と行政不服審査会等への諮問(43条)という二段構えの公正性確保の仕組みが最重要である。審理員は審査庁に所属する職員のうち処分に関与しない者から指名され、審理手続を主宰して審理員意見書を作成する。審査請求人には口頭意見陳述権(31条)があり、審理員の許可を得て処分庁等に質問を発することができる。また証拠書類等の閲覧・写しの交付請求権(38条)が認められる。裁決には却下・棄却・認容があり、事情裁決(45条3項)では処分が違法または不当である旨を裁決の主文で宣言する。執行停止については、審査庁が処分庁の上級行政庁または処分庁である場合は職権でも可能だが、それ以外の審査庁は申立てによってのみ行い、かつ処分の効力・執行・手続の続行の全部または一部の停止「以外の措置」はとれない(25条)点の対比が頻出である。

行政事件訴訟法は抗告訴訟・当事者訴訟・民衆訴訟・機関訴訟の4類型(2条)を定め、抗告訴訟には処分取消訴訟・裁決取消訴訟・無効等確認訴訟・不作為の違法確認訴訟・義務付け訴訟・差止訴訟がある(3条)。取消訴訟の訴訟要件では処分性と原告適格が最頻出である。処分性につき判例は「公権力の主体たる国または公共団体が行う行為のうち、その行為によって直接国民の権利義務を形成しまたはその範囲を確定することが法律上認められているもの」と定式化し(最判昭39.10.29 大田区ごみ焼却場事件)、病院開設中止勧告に処分性を認めた判例(最判平17.7.15)、土地区画整理事業の事業計画決定に処分性を認め判例変更した大法廷判決(最大判平20.9.10)が重要である。原告適格は「法律上の利益を有する者」(9条1項)に認められ、平成16年改正で追加された9条2項の考慮事項を踏まえ、小田急高架化訴訟大法廷判決(最大判平17.12.7)が周辺住民の原告適格を認めた。

取消訴訟の手続面では、出訴期間は処分があったことを知った日から6か月以内、処分の日から1年以内(14条)であり、審査請求の3か月との混同を誘う出題が定番である。審査請求前置は法律に特別の定めがある場合に限られ、自由選択主義が原則(8条)である。執行不停止原則(25条1項)の下、重大な損害を避けるため緊急の必要があるときに裁判所は執行停止を決定できるが、内閣総理大臣の異議(27条)があれば執行停止はできず、既にした執行停止は取り消さなければならない。判決の効力では、取消判決の形成力が第三者に及ぶ第三者効(32条)、関係行政庁を拘束する拘束力(33条)が重要で、拘束力により行政庁は同一事情の下で同一理由による同一処分を繰り返すことができない。事情判決(31条)は請求を棄却しつつ主文で処分の違法を宣言する制度であり、事情裁決との対比で問われる。

国家賠償法1条は、公権力の行使に当たる公務員がその職務を行うについて故意または過失によって違法に他人に損害を加えたときの国または公共団体の賠償責任を定める。判例上、「職務を行うについて」は客観的に職務執行の外形を備える行為を含み(最判昭31.11.30 外形標準説・非番警察官強盗殺人事件)、公務員個人は被害者に対し直接責任を負わない(最判昭30.4.19)。公務員に故意または重大な過失があったときは国または公共団体は求償権を有する(1条2項)。規制権限の不行使も、権限を定めた法令の趣旨・目的に照らし著しく合理性を欠く場合には違法となる(最判平16.10.15 水俣病関西訴訟、最判平16.4.27 筑豊じん肺訴訟)。

国家賠償法2条は公の営造物の設置または管理の瑕疵による賠償責任を定め、無過失責任である点が1条との最大の対比である。「瑕疵」とは営造物が通常有すべき安全性を欠くことをいい(最判昭45.8.20 高知落石事件)、道路管理では予算不足は免責事由とならない。河川については未改修河川の安全性は過渡的な安全性で足りるとした大東水害訴訟判決(最判昭59.1.26)が重要である。供用関連瑕疵として、空港の騒音など営造物の利用が第三者に社会生活上受忍すべき限度を超える被害を生じさせる場合も瑕疵に当たる(最大判昭56.12.16 大阪空港訴訟)。3条は費用負担者の責任、4条は民法の補充適用、5条は他の法律の特別規定、6条は相互保証主義を定め、いずれも条文知識として択一で問われる。

三法の横断整理が得点の鍵である。期間は「審査請求=知った日の翌日から3か月/取消訴訟=知った日から6か月」、違法宣言は「事情裁決45条3項/事情判決31条」、不服審査は違法に加え「不当」も審理できるが訴訟は違法のみ、執行停止は審査請求・訴訟とも申立て可能だが内閣総理大臣の異議は訴訟のみ、といった対比表を自作して暗記すること。また記述式では義務付け訴訟(3条6項)の申立て要件、無効確認訴訟の補充性(36条)、国家賠償法1条の要件列挙が繰り返し出題されており、条文の文言を正確に書ける水準まで仕上げる必要がある。

この章の問題から3問

行政不服審査法上、審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から起算して60日以内にしなければならないのが原則である。

正解 ×(誤り)

誤り。平成26年全部改正後の行政不服審査法18条1項は「処分があったことを知った日の翌日から起算して3月」と定める。60日は旧法の期間であり、旧法知識との混同を狙ったひっかけ。なお処分の日の翌日から1年の客観的期間もある(18条2項)。

取消訴訟において取消判決が確定した場合、その判決は当事者だけでなく第三者に対しても効力を有する。

正解 ○(正しい)

正しい。行政事件訴訟法32条1項は取消判決の形成力の第三者効を明文で定める。拘束力(33条)が関係行政庁に及ぶ点と混同しないこと。

国家賠償法1条に基づき国が賠償責任を負う場合、被害者は加害公務員個人に対しても直接損害賠償を請求することができる。

正解 ×(誤り)

誤り。判例(最判昭30.4.19)は、国家賠償法1条が適用される場合、公務員個人は被害者に対し直接責任を負わないとする。国は公務員に故意または重過失があるときに求償できる(1条2項)にとどまる。

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本ページの講義ノートと問題は、各試験の出題範囲に基づきAIが作成し、法令・基準に照らして別のAIレンズで敵対的に検証したものです(検証プロセス)。法改正等で誤りが見つかった場合は随時修正します。合格を保証するものではありません。