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商法・会社法と基礎知識

会社法は機関設計(必置機関・大会社×公開会社の規律)と設立・株式を条文で正確に押さえ、基礎知識は14問中6問の基準点(足切り)を文章理解と個人情報保護法で確実に確保することが合否を分ける。

行政書士試験における商法・会社法は択一5問(20点)の出題であり、うち会社法が例年4問前後を占める。まず商法総則・商行為から確認する。商法4条は商人を「自己の名をもって商行為をすることを業とする者」と定義し、商法501条の絶対的商行為(投機購買とその実行行為等)は営利性が顕著なため何人が行っても商行為となる一方、502条の営業的商行為は営業としてするときに商行為となる。商業登記については商法9条が消極的公示力(登記前は善意の第三者に対抗不可)と積極的公示力を定め、名板貸人の責任(商法14条・会社法9条)は誤認して取引した相手方に対する連帯責任として繰り返し出題されている。商事売買の特則(商法524条以下の売主の供託・競売権、526条の買主の検査・通知義務)も頻出である。

会社法では設立が最頻出論点の一つである。株式会社の設立には発起設立と募集設立があり(会社法25条)、いずれも発起人は1株以上を引き受けなければならない。定款は公証人の認証を受けなければ効力を生じず(30条)、変態設立事項(28条・現物出資、財産引受け、発起人の報酬、設立費用)は定款に記載しなければ効力を生じない。現物出資は原則として検査役の調査を要するが、500万円以下の場合等の例外(33条10項)がある。設立時発行株式は発行可能株式総数の4分の1を下回れないのは公開会社のみ(37条3項)である点、発起人の引受け・払込担保責任は平成17年会社法制定で廃止され、不足額填補責任(52条)は現物出資・財産引受けに限る点に注意する。

株式については株主平等原則(109条1項)を基礎に、譲渡制限株式の承認機関(139条・原則として取締役会設置会社は取締役会、非設置会社は株主総会)、自己株式の取得規制(155条以下・財源規制は分配可能額、461条)、単元株制度(188条・上限は1,000株かつ発行済株式総数の200分の1)が問われる。種類株式(108条)は9種類が法定され、剰余金配当・残余財産分配の双方を与えない定款の定めは無効(105条2項)である。株券は現在不発行が原則であり(214条)、株券発行会社と定款で定めた場合のみ発行される点は旧商法との逆転として注意を要する。

機関設計は最重要領域である。すべての株式会社に株主総会と取締役は必置(295条・326条1項)であり、公開会社は取締役会の設置が義務(327条1項1号)、取締役会設置会社は原則として監査役を置かなければならない(327条2項)。大会社(資本金5億円以上または負債200億円以上、2条6号)のうち公開会社は監査役会および会計監査人の設置が義務(328条1項)となる。取締役の任期は原則2年・監査役は4年で、非公開会社(委員会型を除く)は定款で10年まで伸長可能(332条2項・336条2項)。株主総会の招集通知は公開会社2週間前・非公開会社1週間前(299条1項)、取締役会の決議は議決に加わることができる取締役の過半数出席・出席者の過半数(369条1項)であり、株主総会と異なり代理出席は認められない。

役員の義務・責任も頻出である。取締役は善管注意義務(330条・民法644条)と忠実義務(355条)を負い、競業取引・利益相反取引には株主総会(取締役会設置会社では取締役会)の承認を要する(356条・365条)。任務懈怠責任(423条)は総株主の同意で免除でき(424条)、株主代表訴訟(847条)は6か月前(非公開会社は保有期間要件なし)から引き続き株式を有する株主が提起できる。役員等の第三者に対する損害賠償責任(429条)は判例(最大判昭44.11.26)により悪意・重過失は任務懈怠について要求される法定責任と解される。令和元年会社法改正で導入された株式交付制度(774条の2以下)、上場会社等の社外取締役設置義務(327条の2)、取締役報酬規律の強化(361条)も出題可能性が高い。

持分会社(合名・合資・合同会社)は575条以下に規定され、合名会社は無限責任社員のみ、合資会社は無限責任社員と有限責任社員、合同会社は有限責任社員のみで構成される。持分会社では所有と経営が一致し、社員は原則として業務執行権を有する(590条)。定款変更は原則総社員の同意(637条)であり、株式会社との組織再編・種類の変更も条文ベースで問われる。あわせて社債(676条以下)、事業譲渡(467条・株主総会特別決議)、合併・会社分割等の組織再編(748条以下)における債権者異議手続(789条・799条)と反対株主の株式買取請求権(785条・797条)を整理しておく。

基礎知識科目(旧一般知識等)は令和6年度試験から「基礎知識」に改称され、①一般知識(政治・経済・社会)、②行政書士法等の諸法令、③情報通信・個人情報保護、④文章理解で構成される。14問(56点)中6問(24点)以上の基準点を満たさなければ総得点に関わらず不合格となる足切りがある点が最大の特徴である。行政書士法からは、行政書士の業務(1条の2・1条の3、官公署提出書類の作成、権利義務・事実証明に関する書類の作成等)、登録(6条以下)、義務(誠実業務遂行・守秘義務12条は退職後も継続)、特定行政書士による不服申立て代理(1条の3第1項2号・第2項)が問われる。

情報通信・個人情報保護では、個人情報保護法(令和3年改正で行政機関個人情報保護法等と一本化、令和5年4月全面施行)が中心である。「個人情報」は生存する個人に関する情報で特定の個人を識別できるもの(2条1項)、個人識別符号・要配慮個人情報・仮名加工情報・匿名加工情報の各定義、漏えい時の個人情報保護委員会への報告義務(26条)を正確に区別する。あわせてマイナンバー法、公文書管理法、サイバーセキュリティ基本法、デジタル社会形成基本法や、DX関連の略語(IoT・生成AI・ブロックチェーン等)も出題される。文章理解3問は並べ替え・空欄補充が定型であり、基準点確保の得点源として確実に取る戦略が合理的である。

この章の問題から3問

株式会社の設立に際して作成される定款は、公証人の認証を受けなければ、その効力を生じない。

正解 ○(正しい)

会社法30条1項。株式会社の原始定款は公証人の認証が効力要件である。なお持分会社の定款には認証は不要であり、この対比がひっかけとして出題される。

すべての株式会社は、定款の定めによっても、取締役会を置かないことができない。

正解 ×(誤り)

誤り。取締役会は原則任意設置であり、公開会社・監査役会設置会社・監査等委員会設置会社・指名委員会等設置会社に限り設置義務がある(会社法327条1項)。非公開会社は取締役1名のみの機関設計も可能(326条1項)。「すべて」に注意。

取締役会の決議について、取締役は、代理人によってその議決権を行使することができる。

正解 ×(誤り)

誤り。取締役会は個人的信頼に基づき選任された取締役自身の判断を求めるため、代理出席・代理行使は認められない(会社法369条1項の解釈・通説)。株主総会では代理行使が可能(310条)である点との対比がひっかけ。

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本ページの講義ノートと問題は、各試験の出題範囲に基づきAIが作成し、法令・基準に照らして別のAIレンズで敵対的に検証したものです(検証プロセス)。法改正等で誤りが見つかった場合は随時修正します。合格を保証するものではありません。