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一般的マネジメントプラクティス(継続的改善ほか)

継続的改善モデル7ステップは「ビジョンとは何か」で始まり「推進力の維持」で終わる——この順序と「継続的改善は全員の責任」である点、そして情報セキュリティ・関係・サプライヤ各管理の目的文の正確な暗記が本章の得点を決める。

ITIL 4は、サービスマネジメントを支える34のプラクティスを定義している。プラクティスとは「作業を実行するため、または目標を達成するために設計された組織のリソースのセット」であり、旧ITIL v3における「プロセス」よりも広く、人材・情報・技術・パートナまでを含む概念である。34のプラクティスは、①事業経営の一般領域から採用された「一般的マネジメントプラクティス」14個、②サービスマネジメントの領域で発展した「サービスマネジメントプラクティス」17個、③技術管理の領域から採用された「技術的マネジメントプラクティス」3個に分類される。本章が扱う一般的マネジメントプラクティスには、継続的改善、情報セキュリティ管理、関係管理、サプライヤ管理などが含まれる。公式シラバスでは、継続的改善は詳細な理解(学習成果7)、他の3つは目的の想起(学習成果6)が要求されており、本試験でも継続的改善の出題比重が最も高い。

継続的改善プラクティスの目的は、変化するビジネス・ニーズに合わせて、組織のプラクティスおよびサービスを継続的に整合させ、改善することである(ITIL 4コア書籍5.1.2)。改善の対象は特定のサービスに限られず、製品、サービス、サービス構成要素、プラクティス、さらにはサービスマネジメントに関与するあらゆる要素に及ぶ。試験上とくに重要なのは、「継続的改善」がサービスバリュー・システム(SVS)の中に3つの形で登場する点である。すなわち、①SVSの構成要素としての継続的改善(継続的改善モデルを含む。コア書籍4.6)、②サービスバリュー・チェーンの「改善」活動、③34プラクティスの一つとしての継続的改善プラクティスであり、同名だが階層が異なる。この三層構造や、バリュー・チェーンの6活動と混同させる誤答肢が典型的に用意されるため、区別して記憶する必要がある。

継続的改善モデルは、あらゆる種類の改善に適用できる7ステップの反復的アプローチである。順序は次のとおりである。①ビジョンとは何か(What is the vision?)—組織のビジョンと事業目標に改善を整合させる。②我々はどこにいるのか(Where are we now?)—客観的なベースライン評価により現状を把握する。③我々はどこを目指すのか(Where do we want to be?)—ギャップ分析を行い、測定可能な目標を定義する。④どのようにして目標を達成するのか(How do we get there?)—改善計画を立案する。⑤行動する(Take action)—計画を実行する。⑥我々は達成したのか(Did we get there?)—結果を測定し、目標との達成度を評価する。⑦どのようにして推進力を維持するのか(How do we keep the momentum going?)—成功を定着させ、次の改善へつなげる。本試験ではステップの順序、とくに第1ステップが現状評価ではなく「ビジョン」である点が頻出である。

継続的改善の運用面では3点が問われる。第一に、継続的改善は組織の全員の責任である。最高幹部のコミットメントの下、全員が改善を日常業務の一部として捉えるべきであり、サプライヤなど外部パートナとの契約にも改善へのコミットメントを組み込むことが推奨される。専任の改善チームを設けて活動を調整することは有効だが、責任をそのチームに限定してはならない。第二に、改善のアイデアは「継続的改善登録簿(CIR: continual improvement register)」に記録し、評価・優先順位付けして追跡する。CIRは構造化された文書またはデータベースであり、組織内に複数存在してよく、組織全体・部門・チームなど階層ごとに保持できる。第三に、改善手法としてリーン、アジャイル、DevOpsなど多様なアプローチを活用できるが、手法を乱立させず、少数の主要な手法に絞って組織全体で共有することが推奨される。

情報セキュリティ管理プラクティスの目的は、組織が事業を遂行するうえで必要とする情報を保護することである(コア書籍5.1.3)。保護の観点として、情報の機密性(confidentiality)・完全性(integrity)・可用性(availability)のいわゆるCIAの3要素に加え、認証(authentication:真正性の確認)および否認防止(non-repudiation:行為を後から否認させないこと)への関与が明記されている。セキュリティは通常、予防(インシデントの発生防止)、検知(発生の確実な検出)、是正(発生後の回復)という各活動のバランスによって達成される。また、セキュリティの要求と、事業のイノベーションや利便性の要求との間でバランスを取る必要があり、これには組織文化の醸成と全階層の関与が不可欠である。試験ではCIAの3要素のみを挙げて認証・否認防止を落とす選択肢がひっかけとして機能する。

関係管理プラクティスの目的は、戦略的および戦術的レベルで、組織とそのステークホルダとの間のつながり(リンク)を確立し、育成することである(コア書籍5.1.9)。具体的には、ステークホルダとの関係およびステークホルダ間の関係の特定、分析、モニタリング、および継続的改善を含む。対象は顧客だけでなく、内部および外部のあらゆるステークホルダに及ぶ点が特徴である。本プラクティスは、ステークホルダのニーズの理解、要求の優先順位付け、苦情への適切な対応、顧客満足の確保などを通じて、サービスバリュー・チェーンの「エンゲージ」活動を中心に価値連鎖全体へ貢献する。試験では、サプライヤ管理(サプライヤとの契約・パフォーマンス管理)やサービスデスク(ユーザとの単一の窓口)と混同させる誤答肢が典型的に用意されるため、「戦略的・戦術的レベル」「ステークホルダ」というキーワードで識別するとよい。

サプライヤ管理プラクティスの目的は、質の高い製品およびサービスのシームレスな提供を支援するために、組織のサプライヤとそのパフォーマンスが適切に管理されるようにすることである(コア書籍5.1.13)。これには、支出に見合う価値(value for money)の確保に加え、主要サプライヤとのより緊密で協力的な関係を構築し、新たな価値の発見・実現と失敗リスクの低減を図ることが含まれる。主な活動には、単一供給元・複数供給元の選択などソーシング戦略の策定と実装、サプライヤおよび契約の評価と選定、契約交渉と合意、サプライヤのパフォーマンス管理がある。複数のサプライヤにまたがるサービスを統合的に管理するアプローチ(サービス・インテグレーション)を、組織内の専任チームまたは外部委託で担う形態にも言及がある。試験では関係管理との違い、すなわち対象がサプライヤに特化し、契約とパフォーマンスの管理を含む点が問われる。

この章の問題から3問

ITIL 4において、継続的改善の実施責任は、改善活動を専門に担当するチームのみに割り当てるべきである。

正解 ×(誤り)

誤り。ITIL 4コア書籍5.1.2は、継続的改善を「組織の全員の責任」と位置づけている。改善活動を調整・推進する専任チームやグループを設けること自体は推奨されるが、責任をそのチームに限定するのは誤りである。ひっかけ=「専任チームの設置が有効」という事実と「責任は全員にある」という原則の混同。最高幹部から現場まで全員が貢献し、サプライヤ等との契約にも改善へのコミットメントを組み込むべきとされる。

継続的改善モデルの最初のステップは「我々はどこにいるのか」であり、まず現状のベースライン評価から着手する。

正解 ×(誤り)

誤り。継続的改善モデル(コア書籍4.6)の第1ステップは「ビジョンとは何か(What is the vision?)」であり、改善を組織のビジョンと事業目標に整合させることから始める。「我々はどこにいるのか(現状のベースライン評価)」は第2ステップである。ひっかけ=実務感覚では現状分析から入りがちだが、モデル上はビジョンの確認が先。7ステップの順序を問う問題は公式サンプル試験でも定番である。

情報セキュリティ管理プラクティスは、情報の機密性・完全性・可用性の保護に加えて、認証および否認防止にも関与する。

正解 ○(正しい)

正しい。コア書籍5.1.3は、情報セキュリティ管理の理解対象として機密性(confidentiality)・完全性(integrity)・可用性(availability)のCIA3要素に加え、認証(authentication)と否認防止(non-repudiation)を明記している。ひっかけ=CIAの3要素のみと覚えていると「認証・否認防止は含まれない」と誤答する。5つの観点をセットで記憶すること。

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本ページの講義ノートと問題は、各試験の出題範囲に基づきAIが作成し、法令・基準に照らして別のAIレンズで敵対的に検証したものです(検証プロセス)。法改正等で誤りが見つかった場合は随時修正します。合格を保証するものではありません。