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企業活動と法務(経営・会計・知財・セキュリティ関連法規)

知的財産権は、無方式主義で創作と同時に発生する著作権と、特許庁への出願・登録で発生する産業財産権4種の対比が最頻出であり、各権利の保護対象・存続期間・登録要否を表で整理して確実に得点する。

企業活動の目的は、経営理念に基づき製品・サービスを提供して利益を上げ、社会に貢献することにある。試験では、CSR(企業の社会的責任)、コーポレートガバナンス(企業統治)、ディスクロージャー(情報開示)、コンプライアンス(法令遵守)、ステークホルダー(利害関係者)といった用語の意味を問う問題が頻出する。コーポレートガバナンスは、経営者の職務執行を株主などが監視して経営の透明性と健全性を確保する仕組みであり、社外取締役や監査役の設置がその具体策である。SDGs(持続可能な開発目標)は2015年の国連サミットで採択された2030年までの17の国際目標であり、近年出題が増えている。災害や事故の際にも重要業務を継続し早期復旧させるための計画がBCP(事業継続計画)、その策定・運用・見直しを継続的に行う管理活動がBCM(事業継続管理)である。BCPとBCMの区別(計画か管理活動か)を問う出題に注意したい。

会計分野では財務諸表と損益分岐点分析が二大頻出論点である。財務諸表のうち、一定時点の資産・負債・純資産の状態を示すのが貸借対照表(B/S)、一会計期間の収益と費用から経営成績を示すのが損益計算書(P/L)、現金の増減を営業・投資・財務の3活動に区分して示すのがキャッシュフロー計算書(C/F)である。損益計算書では、売上総利益(売上高−売上原価)、営業利益(売上総利益−販売費及び一般管理費)、経常利益(営業利益±営業外損益)という利益の段階を計算式ごと覚える。損益分岐点は利益がちょうどゼロになる売上高であり、「損益分岐点売上高=固定費÷(1−変動費率)」で求める(変動費率=変動費÷売上高)。このほか、ROE(自己資本利益率)、流動比率(流動資産÷流動負債)、自己資本比率などの財務指標、固定資産の取得原価を耐用年数にわたって費用配分する減価償却(定額法・定率法)にも出題実績がある。

著作権法は「思想又は感情を創作的に表現した」著作物を保護する。最大の特徴は無方式主義であり、著作権は創作と同時に自動的に発生し、特許庁への出願や登録は権利発生の要件ではない(著作権法17条2項)。保護期間は原則として著作者の死後70年(TPP11整備法による2018年の改正で50年から延長)、法人名義の著作物は公表後70年である。職務著作(法人著作)は、法人の発意に基づき従業員が職務上作成し法人名義で公表する著作物で、契約等に別段の定めがない限り著作者は法人となる(15条)。プログラムは著作物として保護されるが、著作権法10条3項により、プログラム言語・規約(プロトコル)・解法(アルゴリズム)は保護対象外である点が最頻出のひっかけである。また、著作権(財産権)は譲渡できるが、著作者人格権(公表権・氏名表示権・同一性保持権)は一身専属で譲渡できない。私的使用のための複製は原則適法だが、コピープロテクトを回避して行う複製や、違法配信と知りながらのダウンロードは違法となる。

産業財産権は特許権・実用新案権・意匠権・商標権の4つで、いずれも特許庁への出願・登録により権利が発生する。同一の発明について複数の出願があった場合は、先に出願した者に権利を与える先願主義を採る。特許法の保護対象は「自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のもの」(特許法2条)で、存続期間は出願から20年。コンピュータやネットワークを利用した事業の仕組みはビジネスモデル特許として保護され得る。実用新案権は物品の形状・構造等の考案を実体審査なしで登録し出願から10年、意匠権は製品等のデザインを保護し、2019年の意匠法改正で存続期間が「登録から20年」から「出願から25年」に変わり、画像・建築物・内装のデザインも保護対象に加わった。商標権は商品・サービスの名称やマークを保護し、存続期間は設定登録から10年だが、更新により半永久的に維持できる点が他の3権と異なる。さらに不正競争防止法は、秘密管理性・有用性・非公知性の3要件(同法2条6項)を満たす営業秘密の不正取得・使用や、周知な商品等表示の混同惹起行為などを規制する。

セキュリティ関連法規では、まずサイバーセキュリティ基本法(2014年成立)が国のサイバーセキュリティ戦略の基本理念や国・地方公共団体の責務を定める。不正アクセス禁止法は、他人の識別符号(ID・パスワード)を無断で入力しネットワーク経由でコンピュータを利用可能にする行為(なりすまし)やセキュリティホールを突く行為に加え、他人の識別符号を無断で第三者に提供する助長行為(5条)、識別符号の不正取得(4条)・不正保管(6条)、フィッシングサイトの開設等(7条)も処罰する。アクセス制御機能のない機器やネットワークを介さない行為は対象外である点に注意する。刑法には不正指令電磁的記録に関する罪(いわゆるコンピュータウイルス作成罪、168条の2)や電子計算機使用詐欺罪がある。個人情報保護法は2022年4月全面施行の改正で、漏えい等発生時の個人情報保護委員会への報告と本人通知の義務化、仮名加工情報の新設、罰則強化が行われた。匿名加工情報は所定の公表等を行えば本人の同意なく第三者提供できる。マイナンバー法やプロバイダ責任制限法(発信者情報開示)も出題される。

労働関連法規では、労働基準法が法定労働時間(1日8時間・週40時間)を定め、これを超える時間外労働には労使協定(同法36条に基づく、いわゆる36協定)の締結・届出が必要である。労働者派遣では、雇用契約は派遣元と労働者の間にあり、業務上の指揮命令は派遣先が行う。一方、請負契約(民法632条)は仕事の完成を目的とし、注文者は請負事業者の労働者に直接指揮命令できない。請負の形式を装い実際には発注者が指揮命令する偽装請負は労働者派遣法違反となる。準委任契約は事務処理の遂行自体を目的とし、仕事の完成義務を負わない。取引関連では、2020年施行の民法(債権法)改正により従来の瑕疵担保責任が契約不適合責任に再構成され、買主は追完請求や代金減額請求等ができるようになった。製造物責任法(PL法)は、製造物の欠陥による生命・身体・財産の損害について、製造業者に過失の有無を問わず賠償責任を課す。ほかに下請法(下請代金の支払遅延等の防止)、独占禁止法(カルテルや優越的地位の濫用の禁止)、特定商取引法(クーリングオフ)を押さえる。

標準化も本章の定番論点である。国際規格を定める団体として、ISO(国際標準化機構)、IEC(国際電気標準会議)、ITU(国際電気通信連合)、IEEE(米国電気電子学会、LAN規格のIEEE802委員会が有名)、W3C(Web技術の標準化団体)を区別して覚える。日本の国家規格はJIS(日本産業規格)であり、根拠法は2019年に工業標準化法から改称された産業標準化法である(この改正でデータ・サービスも標準化の対象に追加された)。公的機関の認定によらず、市場競争の結果として事実上の標準となったものをデファクトスタンダードという。商品識別ではJANコード(バーコード)やQRコードの用途が出題される。また、公益通報者保護法は事業者の法令違反を通報した労働者を解雇等の不利益取扱いから保護する法律で、2022年施行の改正により常時使用する労働者が300人を超える事業者に内部通報体制の整備が義務付けられた。本章は法律名と規制対象の対応を問う知識問題が多いため、「どの行為にどの法律が適用されるか」を一問一答形式で整理することが得点への近道である。

この章の問題から3問

著作権は、特許庁に出願し登録されることによって発生する。

正解 ×(誤り)

著作権法は無方式主義を採っており、著作権は著作物を創作した時点で自動的に発生する(著作権法17条2項・51条1項)。出願・登録によって権利が発生するのは特許権などの産業財産権であり、両者の発生要件を混同させるひっかけ。

労働者派遣契約に基づいて働く派遣労働者に対し、業務上の指揮命令を行うのは派遣先企業である。

正解 ○(正しい)

労働者派遣法上、派遣労働者と雇用契約を結ぶのは派遣元事業者だが、業務上の指揮命令は派遣先企業が行う。「雇用主=派遣元、指揮命令=派遣先」の対応が頻出。請負契約では注文者に指揮命令権がない点との対比がひっかけどころ。

不正アクセス禁止法では、実際に不正ログインを行っていなくても、他人のIDとパスワードを本人に無断で第三者に提供する行為は処罰の対象となる。

正解 ○(正しい)

不正アクセス禁止法5条は、不正アクセス行為を助長する行為(他人の識別符号の無断提供)を禁止しており処罰対象。「実際にログインした者だけが処罰される」と考えるのがひっかけ。同法は識別符号の不正取得(4条)・不正保管(6条)、フィッシング行為(7条)も処罰する。

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本ページの講義ノートと問題は、各試験の出題範囲に基づきAIが作成し、法令・基準に照らして別のAIレンズで敵対的に検証したものです(検証プロセス)。法改正等で誤りが見つかった場合は随時修正します。合格を保証するものではありません。