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データの記述(度数分布・代表値・散布度・相関)

代表値と散布度は定義式から性質(外れ値への頑健性・一次変換の効果)を導けるようにし、相関係数は「直線的関連の指標であり相関は因果を意味しない」と正しく押さえることが本章攻略の核心である。

統計検定2級の公式シラバス(出題範囲表)では、本章の内容は「1変数データ」「2変数以上のデータ」の項目に対応する。まずデータの種類を押さえる。変数は質的変数(カテゴリカルデータ)と量的変数に大別され、尺度水準では名義尺度・順序尺度・間隔尺度・比例尺度の4つに分類される。間隔尺度は温度のように差のみが意味を持ち、比例尺度は身長や金額のように比にも意味がある、という区別が択一で問われる。量的データの分布は度数分布表とヒストグラムで要約する。階級・階級値・度数・相対度数・累積相対度数の読み取りは頻出であり、特に累積相対度数から中央値や四分位数が含まれる階級を特定させる問題が繰り返し出題されている。ヒストグラムは面積が度数に比例するグラフであり、階級幅が不揃いの場合は柱の高さを度数÷階級幅(密度)にとる必要がある点も本試験で問われた実績がある論点である。

代表値(中心傾向の指標)は平均値・中央値・最頻値の3つである。平均値は全データの和をデータ数で割った値で、偏差(各値−平均値)の総和が常に0になるという性質を持つ。中央値はデータを大きさの順に並べたときに中央に位置する値で、データ数が偶数のときは中央の2つの値の平均をとる。最頻値は最も度数の大きい値または階級値である。本試験では外れ値への頑健性(ロバスト性)が繰り返し問われる。平均値は外れ値の影響を強く受けるのに対し、中央値・最頻値は影響を受けにくい。分布の形状との対応も頻出であり、右に裾が長い(右に歪んだ)分布では一般に最頻値<中央値<平均値、左に裾が長い分布では逆の順序になる。所得分布のように右に歪んだデータで平均値が中央値を上回ることを、ヒストグラムの形と結び付けて判断させる問題が出題されている。

散らばり(散布度)の指標として、分散・標準偏差・範囲・四分位範囲・変動係数を押さえる。分散は偏差の2乗の平均であり、標準偏差はその正の平方根である。分散の単位は元データの単位の2乗になるため、元データと同じ単位で散らばりを表すには標準偏差を用いる。計算では「分散=(2乗の平均)−(平均の2乗)」という変形公式が多用され、本試験の計算問題でも時間短縮に有効である。四分位数はデータを小さい順に4等分する位置の値(第1四分位数Q1・第2四分位数Q2=中央値・第3四分位数Q3)で、四分位範囲IQR=Q3−Q1は外れ値に頑健な散らばりの指標である。変動係数CVは標準偏差を平均値で割った無単位の量で、平均水準や測定単位が異なるデータ間の相対的な散らばりの比較に用いる。単位を換算しても変動係数の値は変わらないという性質が択一問題で問われる。

箱ひげ図は最小値・Q1・中央値・Q3・最大値の五数要約を1つの図に表したもので、複数グループの分布の比較に適する。標準的な箱ひげ図から平均値や最頻値は読み取れない(平均値を印で書き加える流儀もあるが、既定では表示されない)点はひっかけの定番である。外れ値の判定基準としては、Q1−1.5×IQRより小さい値、またはQ3+1.5×IQRより大きい値を外れ値とみなす「1.5×IQRルール」が公式シラバス上の論点であり、この基準で外れ値の個数を数えさせる問題も出題実績がある。CBTでは同じデータを表すヒストグラムと箱ひげ図の組合せを選ばせる読解問題が定番で、ひげや箱の非対称性から分布の歪みの方向を読み取る力、箱の位置から複数群の中央値・散らばりを比較する力が問われる。

変数の一次変換y=ax+bの効果は計算・正誤判定の両形式で頻出である。yの平均はa×(xの平均)+b、分散はa²倍、標準偏差は|a|倍となり、定数bを加えるだけの平行移動は散らばりの指標を一切変えない。「全員に10点を加点すると平均は10点上がるが分散・標準偏差は不変」というのが典型的なひっかけである。標準化(基準化)は各値から平均を引いて標準偏差で割る変換z=(x−x̄)/sであり、標準化後のデータは平均0・標準偏差1になる。偏差値は50+10zと定義され、平均50・標準偏差10に変換した値である。標準化は正規分布の確率計算(標準正規分布表の利用)でも必須の操作となるため、本章の段階で機械的に実行できるようにしておく。また、相関係数は両変数を正の傾きの一次変換で変換しても値が変わらない(傾きが負なら符号だけ反転する)点も選択肢でよく問われる。

2つの量的変数の関係は散布図で可視化し、直線的な関連の強さを相関係数rで測る。共分散Sxyは2変数の偏差の積の平均であり、r=Sxy/(Sx×Sy)(Sx・Syは各変数の標準偏差)で定義される。rは−1以上1以下の値をとる無単位の量で、両変数をそれぞれ標準化した値の積の平均に等しい。重要なのは、rが測るのはあくまで「直線的」な関連であり、r=0でも2次関数状のような曲線的関連が存在し得る点、そして「相関関係は因果関係を意味しない」という点である。第三の変数(交絡因子)が両変数に影響して見かけ上の相関が生じる現象は、公式シラバスの「擬似相関(見かけ上の相関)」「層別した散布図」に対応する頻出論点で、層別すると相関の向きが変わる例も出題される。散布図の形状と相関係数の値の対応を選ばせる問題も定番であり、外れ値1点が相関係数を大きく変え得ることも押さえておく。

質的データ同士の関係は度数のクロス集計表(2元クロス表・分割表)で整理し、行比率・列比率を比較して関連の有無を読み取る。この分割表の見方は、後の章で学ぶ適合度・独立性のカイ二乗検定に直結する基礎である。CBT方式の本試験(四〜五肢択一約35問・90分・100点満点中60点以上で合格)における本章の出題は、①ヒストグラム・箱ひげ図・散布図などのグラフ読解、②代表値と散らばりの計算およびその性質の正誤判定、③相関係数の性質判定、の3類型にほぼ集約される。計算自体は電卓で処理できる水準だが、「平均値と中央値のどちらが大きいか」「一次変換後に各統計量はどうなるか」のように定義に立ち返って性質を判断させる問題の比率が高い。数値や結論を丸暗記するのではなく、定義式から性質を自力で導けるようにしておくことが、本章を確実な得点源にする最短経路である。

この章の問題から3問

あるデータの各値から平均値を引いた偏差の総和は、どのようなデータであっても常に0になる。

正解 ○(正しい)

正しい。偏差の総和はΣ(xi−x̄)=Σxi−n·x̄であり、平均値の定義x̄=Σxi/nよりΣxi=n·x̄なので、常に0になる。この性質があるため散らばりの指標には偏差そのものの平均ではなく、偏差の2乗の平均(分散)を用いる。公式シラバス「1変数データ:中心の位置・散らばり」の基本性質である。

2つの変数の相関係数が0.9と大きな正の値であれば、一方の変数が他方の変数の原因であると結論できる。

正解 ×(誤り)

誤り。相関係数は直線的な関連の強さを測る指標にすぎず、相関関係は因果関係を意味しない。第三の変数(交絡因子)が両変数に影響して見かけ上の相関(擬似相関)が生じることがある。公式シラバスでも「擬似相関(見かけ上の相関)」として明示された頻出論点で、「相関が強い=因果がある」と誤読させるのが典型のひっかけである。

変動係数は標準偏差を平均値で割った無単位の量であり、測定単位や平均水準が異なるデータ間の相対的な散らばりの比較に用いることができる。

正解 ○(正しい)

正しい。変動係数CV=s/x̄は標準偏差と平均値という同じ単位の量の比なので単位が消え、無単位となる。cmをmに換算するなど単位を変えても分子・分母が同じ倍率で変わるため値は不変であり、身長(cm)と体重(kg)のように単位が異なる変数のばらつき比較に使える。公式シラバス「散らばりの指標」に含まれる定義通りの性質である。

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本ページの講義ノートと問題は、各試験の出題範囲に基づきAIが作成し、法令・基準に照らして別のAIレンズで敵対的に検証したものです(検証プロセス)。法改正等で誤りが見つかった場合は随時修正します。合格を保証するものではありません。