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ライフプランニングと資金計画(社会保険・公的年金・企業年金)

本章は被保険者区分・支給要件・給付額の計算式を条文どおり正確に覚えることが核であり、傷病手当金・雇用保険の基本手当・年金の繰上げ繰下げ・加給年金・iDeCo拠出限度額の数値暗記が合否を分ける。

本章はFP2級学科試験で毎回6〜10問程度が出題される最重要分野である。まず公的医療保険の体系を押さえる。被用者は健康保険(全国健康保険協会管掌の協会けんぽ、または健康保険組合管掌の組合健保)、自営業者等は国民健康保険、75歳以上(および65歳以上75歳未満で一定の障害状態にある者)は後期高齢者医療制度に加入する(高齢者の医療の確保に関する法律)。医療費の自己負担割合は、小学校入学後70歳未満が3割、70歳以上75歳未満が2割(現役並み所得者は3割)、後期高齢者医療制度では1割(一定以上所得者2割・現役並み所得者3割)である。自己負担が高額になった場合は高額療養費制度により、所得区分に応じた自己負担限度額を超える部分が払い戻される。退職後の医療保険は、①健康保険の任意継続被保険者(資格喪失日の前日まで継続して2か月以上の被保険者期間があり、資格喪失日から20日以内に申請、加入期間は最長2年、保険料は全額自己負担)、②国民健康保険への加入、③家族の被扶養者となる、の三択比較が定番論点である。

健康保険の現金給付では傷病手当金と出産育児一時金が頻出である。傷病手当金は、業務外の傷病の療養のため労務不能となり連続3日間の待期を完成した後、4日目以降の労務不能日について支給される。1日あたりの額は、支給開始日以前の継続した12か月間の各月の標準報酬月額の平均額を30で除した額の3分の2相当額であり、支給期間は支給開始日から「通算して」1年6か月である(健康保険法第99条・令和4年1月改正)。出産育児一時金は1児につき原則50万円(産科医療補償制度加入分娩機関での出産・令和5年4月以降)である。公的介護保険(介護保険法)は市町村・特別区が保険者で、65歳以上の第1号被保険者と、40歳以上65歳未満の医療保険加入者である第2号被保険者に分かれる。第2号被保険者は、末期がん・初老期における認知症・関節リウマチなど加齢に起因する特定疾病(16種類)を原因とする場合に限り給付を受けられる。利用者負担は原則1割(第1号被保険者のうち一定以上所得者は2割・3割)で、市町村の要介護認定(要支援1・2、要介護1〜5)を受けて給付を利用する。

労働者災害補償保険(労災保険法)は、パート・アルバイトを含むすべての労働者に適用され、保険料は全額事業主負担である点が最頻出である。業務災害・通勤災害に加え、複数事業労働者に対する「複数業務要因災害」も給付対象となる。雇用保険の基本手当は、自己都合退職など一般受給資格者の場合は離職日以前2年間に被保険者期間が通算12か月以上、倒産・解雇等による特定受給資格者の場合は離職日以前1年間に通算6か月以上で受給資格を得る。7日間の待期の後、正当な理由のない自己都合退職には給付制限が付くが、雇用保険法改正により令和7年4月1日以降の離職からは原則1か月に短縮された(5年以内に2回を超える自己都合離職は3か月。自ら雇用の安定・就職の促進に資する教育訓練を受けた場合は給付制限なし)。所定給付日数は一般受給資格者で90〜150日である。高年齢雇用継続給付は、60歳以上65歳未満で賃金が60歳到達時の75%未満に低下した場合に支給されるが、令和7年4月1日以降に60歳に達する者から支給率の上限は賃金の10%に縮小された。育児休業給付金は休業開始時賃金日額の67%(181日目以降は50%)相当額である。

公的年金は国民年金法・厚生年金保険法に基づく2階建て構造である。国民年金の被保険者は、第1号(日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の自営業者・学生等)、第2号(厚生年金保険の被保険者)、第3号(第2号被保険者に生計を維持される20歳以上60歳未満の配偶者)に区分される。第1号被保険者の保険料は定額(令和7年度は月額17,510円)で、法定免除・申請免除(全額・4分の3・半額・4分の1)、学生納付特例、納付猶予の各制度がある。免除期間は老齢基礎年金の額に一部反映される(全額免除は2分の1、平成21年3月以前の期間は3分の1)が、学生納付特例・納付猶予の期間は受給資格期間には算入されるものの、追納しない限り年金額には反映されない点がひっかけの定番である。老齢基礎年金は受給資格期間10年以上で65歳から支給され、年金額は満額(令和7年度831,700円・新規裁定者)×(保険料納付済月数+免除月数×反映割合)÷480月で計算する。第1号被保険者が付加保険料(月額400円)を納付すると、200円×納付月数の付加年金が上乗せされる。

老齢厚生年金は、老齢基礎年金の受給資格期間を満たし、厚生年金保険の被保険者期間が1か月以上あれば65歳から支給される(60歳台前半の特別支給の老齢厚生年金は、男性は昭和36年4月2日以降、女性は昭和41年4月2日以降生まれには支給されない)。厚生年金の被保険者期間が原則20年(240月)以上ある受給権者に、生計を維持される65歳未満の配偶者等がいる場合は加給年金額が加算され、配偶者が65歳に達すると打ち切られて配偶者自身の老齢基礎年金に振替加算(昭和41年4月1日以前生まれの配偶者に限る)が行われる。繰上げ受給は1か月あたり0.4%減額(昭和37年4月2日以降生まれ・60歳まで最大24%減)で、老齢基礎年金と老齢厚生年金は同時に請求しなければならない。繰下げ受給は1か月あたり0.7%増額(最大75歳まで・84%増)で、基礎と厚生を別々に選択でき、加給年金額は増額の対象外である。在職老齢年金は、総報酬月額相当額と基本月額の合計が支給停止調整額(令和7年度51万円。令和7年年金制度改正法により令和8年度から62万円に引上げ)を超えると、超えた額の2分の1相当が支給停止される仕組みである。

障害給付では、障害基礎年金は1級が満額の1.25倍、2級が満額と同額で、18歳到達年度末までの子(障害等級1・2級の子は20歳未満)がいる場合は子の加算額が付く。障害厚生年金には1〜3級と一時金の障害手当金があり、1級・2級には配偶者加給年金額が加算される。遺族基礎年金(国民年金法第37条の2)の受給権者は「子のある配偶者」または「子」に限られる点が最頻出のひっかけである。遺族厚生年金の額は、死亡した者の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3相当額であり、被保険者の死亡など短期要件に該当する場合は、被保険者期間が300月未満でも300月とみなして計算する。夫の死亡当時40歳以上65歳未満で子のない妻(または子が遺族基礎年金の要件を外れた妻)には、中高齢寡婦加算(遺族基礎年金満額の4分の3相当)が65歳になるまで加算される。なお令和7年年金制度改正法により、子のない配偶者への遺族厚生年金は令和10年4月から男女差を解消しつつ原則5年の有期給付へ段階的に見直されることが決まっており、今後の法令基準日に応じた出題に注意したい。

企業年金・自営業者等の上乗せ制度は税制とセットで問われる。確定拠出年金(DC)の企業型の拠出限度額は月額55,000円(確定給付型を併用する場合は55,000円からDB等の他制度掛金相当額を控除した額・令和6年12月改正)である。個人型(iDeCo)の拠出限度額は、国民年金第1号被保険者が国民年金基金の掛金・付加保険料と合算して月額68,000円、企業年金のない会社員23,000円、企業年金加入者・公務員20,000円(令和6年12月改正で統一)、第3号被保険者23,000円である。掛金は全額が小規模企業共済等掛金控除の対象、運用益は非課税、老齢給付金は一時金で受け取れば退職所得(退職所得控除)、年金で受け取れば雑所得(公的年金等控除)となり、通算加入者等期間が10年以上あれば60歳から受給できる。国民年金基金は第1号被保険者等が加入でき、付加年金との併用は不可、加入後の任意脱退もできない。小規模企業共済は掛金月額1,000〜70,000円で全額が所得控除となる。確定給付企業年金(DB)には規約型と基金型があり、中小企業退職金共済(中退共)は掛金全額を事業主が負担し、全額損金算入できる。

この章の問題から3問

健康保険の傷病手当金の支給期間は、同一の傷病について、その支給を開始した日から通算して1年6か月である。

正解 ○(正しい)

正しい。健康保険法第99条第4項。令和4年1月の改正により、支給期間は「支給開始日から通算して1年6か月」となり、途中で就労して不支給となった期間は1年6か月に算入されない。改正前の「起算して(暦日で)1年6か月」と混同させるのが定番のひっかけで、現行法では通算が正しい。

公的介護保険の第2号被保険者は、要介護状態となった原因を問わず、市町村の要介護認定を受ければ保険給付を受けることができる。

正解 ×(誤り)

誤り。介護保険法第7条第3項・同法施行令第2条。第2号被保険者(40歳以上65歳未満の医療保険加入者)は、末期がん・関節リウマチ・初老期における認知症など加齢に起因する特定疾病(16種類)を原因とする場合に限り給付を受けられる。交通事故が原因の要介護状態では受給できない。「原因を問わない」のは65歳以上の第1号被保険者であり、両者を入れ替えるのが典型的なひっかけ。

国民年金の第3号被保険者は、第2号被保険者に生計を維持されている配偶者であれば、その年齢を問わず該当する。

正解 ×(誤り)

誤り。国民年金法第7条第1項第3号。第3号被保険者は、第2号被保険者に生計を維持される配偶者のうち「20歳以上60歳未満」の者に限られる。「年齢を問わず」の部分が誤りで、加えて年収130万円未満等の被扶養配偶者の認定基準を満たす必要がある。年齢要件を外して正誤を問うのが頻出パターン。

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本ページの講義ノートと問題は、各試験の出題範囲に基づきAIが作成し、法令・基準に照らして別のAIレンズで敵対的に検証したものです(検証プロセス)。法改正等で誤りが見つかった場合は随時修正します。合格を保証するものではありません。