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債券業務(利回り計算・経過利子)

利回りは単利公式「(年利子+1年当たり償還差損益)÷購入価格×100」、経過利子は「額面×利率×経過日数÷365」で計算し、経過利子は買い方が売り方に支払うため受渡代金は約定代金との合計となる——この2式が本章の得点源である。

債券は国、地方公共団体、事業会社等が資金調達のために発行する有価証券であり、国債証券・地方債証券・社債券等は金融商品取引法第2条第1項に定める有価証券に該当する。利子の支払方式により利付債と割引債に大別され、割引債には利子がない点が後述の経過利子の論点に直結する。債券価格と利回りは逆の関係にあり、市場金利が上昇すれば既発債の価格は下落して利回りは上昇する。この逆相関は本章全体を貫く基本原理であり、○×問題で繰り返し問われている。また、額面100円に対して価格が100円を超える状態をオーバー・パー、下回る状態をアンダー・パーと呼び、オーバー・パーで購入して償還まで保有すれば償還差損が、アンダー・パーなら償還差益が生じる。外務員一種試験(440点満点・7割で合格)では「債券業務」の五肢択一計算問題が1問10点と配点が高く、利回り計算と経過利子計算を確実に得点することが合格の最短経路である。

外務員試験の利回り計算は、外務員必携所収の公式に従い、すべて単利・年率ベースで行う。基本形は「利回り(%)=(年利子+1年当たり資本損益)÷購入価格×100」であり、分母に置く価格と対象期間の組合せで4種類に分かれる。①応募者利回りは、新発債を発行価格で購入し償還期限まで保有した場合の利回りで、分母は発行価格、期間は償還期限である。②最終利回りは、既発債を時価で購入し償還まで保有した場合の利回りで、分母は購入価格、期間は残存期間である。③所有期間利回りは、償還を待たずに途中売却した場合の利回りで、1年当たり資本損益は(売却価格-購入価格)÷所有期間で求める。④直接利回りは、購入価格に対する年利子の割合のみを見るもので、償還差損益を一切考慮しない点が他の3つと決定的に異なる。試験では「分母はどの価格か」「期間は償還期限・残存期間・所有期間のいずれか」を入れ替えるひっかけが定番であり、定義の対応関係を正確に記憶しておく必要がある。

利付債券を利払日と利払日の中間で売買する場合、直前利払日の翌日から受渡日までの利子相当額は本来売り方に帰属する。しかし次回利払日に半年分の利子全額を受け取るのは買い方であるため、買い方が売り方に対して経過利子(経過利息)を支払って調整する。したがって買付けの受渡代金は「約定代金(額面×単価÷100)+経過利子」となり、売り方の受取代金も同じ式で表される。経過利子は「額面金額×利率(年率)×経過日数÷365」で計算し、経過日数は直前利払日の翌日から受渡日までを片端入れで数える。国内の利付国債は年2回利払いだが、経過利子の計算は1年を365日として行う点に注意する。また、経過利子を含まない債券の値段を裸値段といい、市場で表示される単価は原則として裸値段である。なお割引債には利子が存在しないため、経過利子の授受は行われない。受渡代金の算出は一種試験の計算問題で最頻出の型である。

転換社債型新株予約権付社債(いわゆる転換社債・CB)は、会社法第2条第22号に定める新株予約権付社債のうち、新株予約権の行使に際して社債自体が出資に充てられるものをいう。あらかじめ定められた転換価額で株式に転換でき、株式の値上がり益と債券としての安定性を併せ持つ。転換した場合の理論上の株式価値を債券価格に換算したものがパリティ価格であり、「株価÷転換価額×100」で求める。転換社債の市場価格がパリティからどの程度乖離しているかを示す乖離率は「(転換社債の時価-パリティ価格)÷パリティ価格×100」で計算し、乖離率がマイナスであれば、転換社債を買って株式に転換し売却すれば理論上利益が得られる状態を意味する。一種試験ではパリティ価格・乖離率の計算が五肢択一で出題されるほか、「転換すると社債部分は消滅し新株予約権付社債でなくなる」といった商品性の正誤も○×で問われるため、計算式と商品性の双方を押さえる。

債券の特殊な売買手法として、現先取引と着地取引が出題される。現先取引(債券等の条件付売買取引)は、売買の約定と同時に、一定期間後に一定の価格で同種・同量の債券等を反対売買することをあらかじめ取り決めて行う取引で、日本証券業協会の自主規制規則「債券等の条件付売買取引の取扱いに関する規則」に基づき、対象顧客は上場会社又はこれに準ずる法人であって経済的・社会的に信用のあるものに限られる。着地取引は、約定日から1か月以上先の一定の日を受渡日としてあらかじめ取り決めて行う売買で、約定日から受渡日までの期間は6か月を超えてはならない。このほか、保有債券を売却して別の債券を購入する入替売買、残存期間の異なる債券を各年限に均等に保有するラダー型、短期債と長期債に集中させ中期債を持たないダンベル(バーベル)型といったポートフォリオ運用の名称と特徴の組合せも○×問題の定番であり、数字と名称の入替えに注意する。

債券投資の主なリスクには、金利変動により価格が変動する金利リスク(価格変動リスク)、発行体の債務不履行に係る信用リスク(デフォルト・リスク)、途中売却時に適正な価格で換金できない流動性リスク等がある。信用リスクの目安となる格付は、BBB格相当以上が投資適格、BB格相当以下が投機的水準とされる。金利感応度の指標であるデュレーションは、投資資金の平均回収期間を示すと同時に金利変動に対する価格変動性の尺度となり、他の条件が同一であれば残存期間が長いほど、また利率(クーポン)が低いほどデュレーションは長くなる。利子のない割引債のデュレーションは残存期間と一致する。残存期間と利回りの関係を示すイールドカーブは、長期金利が短期金利を上回る右上がりの状態を順イールド、短期金利が長期金利を上回る状態を逆イールドと呼ぶ。これらの定義の入替えによる正誤問題が頻出であるため、用語と内容の対応を正確に固めておくことが重要である。

この章の問題から3問

市場金利が上昇すると、既に発行されている固定利付債券の価格は下落し、その債券の利回りは上昇する。

正解 ○(正しい)

正しい。債券価格と利回りは逆の関係にある。市場金利が上昇すると、低いクーポンで固定された既発債の相対的な魅力が低下して価格が下落し、購入価格が下がる分だけ最終利回りは上昇する(外務員必携・債券業務)。「価格も利回りも上昇する」と同方向にした出題が典型的なひっかけである。

応募者利回りとは、新たに発行される債券を発行価格で購入し、償還期限前に市場で売却した場合の利回りをいう。

正解 ×(誤り)

誤り。応募者利回りは、新発債を発行価格で購入し「償還期限まで保有」した場合の単利・年率の利回りである(外務員必携の利回り公式)。償還前に途中売却した場合の利回りは所有期間利回りであり、本問は保有態様(償還まで/途中売却)を入れ替えたひっかけである。

利付債券の売買において、経過利子は売り方が買い方に対して支払う。

正解 ×(誤り)

誤り。経過利子は直前利払日の翌日から受渡日までの利子相当額であり、本来売り方に帰属するが、次回利払日に半年分の利子全額を受け取るのは買い方であるため、「買い方が売り方に」支払って調整する。したがって買付けの受渡代金=約定代金+経過利子となる。支払方向の逆転が本問のひっかけである。

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本ページの講義ノートと問題は、各試験の出題範囲に基づきAIが作成し、法令・基準に照らして別のAIレンズで敵対的に検証したものです(検証プロセス)。法改正等で誤りが見つかった場合は随時修正します。合格を保証するものではありません。