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投資信託と付随業務・デリバティブの基礎

委託者指図型投信の三者の役割分担と投資法人の器の制約、金商法35条1項の付随業務の列挙、先物理論価格・オプションのプレミアム構造・スワップの元本交換の有無が本章の得点源であり、ひっかけは「誰が何をするか」の入替えで作られる。

投資信託制度は「投資信託及び投資法人に関する法律」(投信法)に基づき、契約型の投資信託と会社型の投資法人に大別される。契約型のうち最頻出なのが委託者指図型投資信託であり、委託者(投資信託委託会社)・受託者(信託会社等)・受益者(投資家)の三者で構成される。運用の指図を行うのは委託者であって受託者ではない点が定番のひっかけである。委託者となるには金融商品取引法上の投資運用業の登録を要し、信託財産の保管・管理は受託者が分別管理のもとで行う。受益者は受益権の口数に応じて収益分配金や償還金を受け取る。これに対し委託者非指図型投資信託は受託者自らが運用を行う形態であり、「委託者が存在しない」のではなく「運用を指図する委託者がいない」という整理を正確に押さえる。投資信託約款の重要な変更や併合には、書面決議など受益者保護の手続が投信法上定められている点も出題実績がある。

会社型の投資法人は資産運用を唯一の目的とする社団であり、J-REIT(上場不動産投資法人)がその代表例である。投信法上、投資法人は資産の運用以外の行為を営業とすることができず、本店以外の営業所の設置や使用人の雇用も禁じられているため、資産運用は資産運用会社に、資産保管は資産保管会社に、一般事務は事務受託者にそれぞれ委託しなければならない。成立時の出資総額は1億円以上とされ、業務を行うには内閣総理大臣の登録を要する。機関としては投資主総会のほか、執行役員(1人以上)、監督役員(執行役員の員数を超える数、すなわち執行役員より1人以上多い員数)、役員会、会計監査人が置かれる。投資法人は一般にクローズドエンド型であり、投資主は解約請求ではなく市場での売却により換金する。解約請求に応じるオープンエンド型の契約型投信との対比で問われるのが典型パターンである。

投資信託の分類は毎回のように出題される。公社債投資信託は約款上株式を一切組み入れることができない証券投資信託であり、株式投資信託は株式を組み入れることができる投資信託である(実際に株式を組み入れていなくても、約款上可能であれば株式投資信託に分類される点がひっかけになる)。当初募集期間にのみ取得できる単位型と、設定後もいつでも購入できる追加型、解約請求により換金できるオープンエンド型と、解約請求ができず市場売却で換金するクローズドエンド型の区別も基本である。MRF(マネー・リザーブ・ファンド)は毎日決算を行う追加型公社債投資信託で、日々の収益は月末にまとめて再投資され、証券総合口座の待機資金の受け皿として即日引出しにも対応する。ETF(上場投資信託)は指標連動型が基本で、取引所で時価により売買され、指値・成行注文や信用取引も可能である点が非上場の投資信託との違いとして問われる。

ディスクロージャーと費用も頻出である。募集の際は金融商品取引法の目論見書制度が適用され、交付目論見書は取得の申込みの勧誘に際しあらかじめ又は同時に交付しなければならず(金商法15条2項)、請求目論見書は投資者から請求があったときに直ちに交付する(同条3項)。決算期ごとには投信法14条に基づき交付運用報告書を受益者に交付し、詳細な運用報告書(全体版)は電磁的方法による提供等が認められる。さらに日本証券業協会の規則により、販売会社は分配金や売却額等を通算したトータルリターンを年1回以上顧客に通知する(トータルリターン通知制度)。費用面では、購入時手数料、保有期間中に信託財産から日々控除される信託報酬(運用管理費用)、換金時に基準価額から差し引かれる信託財産留保額を区別する。信託財産留保額は販売会社の収入ではなく信託財産に留保されるものであり、徴収しないファンドも存在する点がひっかけとして使われる。

付随業務とは、金融商品取引業者が金融商品取引業に付随して、届出や承認を要せずに行うことができる業務であり、金商法35条1項に列挙されている。具体的には、有価証券の貸借又はその媒介・代理、信用取引に付随する金銭の貸付、顧客からの保護預り、累積投資契約の締結、有価証券に関する顧客の代理、投資信託の収益金・償還金・解約金の支払に係る業務の代理、他の金融商品取引業者等の業務の代理などが該当する。これに対し、貸金業や宅地建物取引業、金地金の売買等は届出業務(同条2項・3項)であり、あらかじめ内閣総理大臣への届出を要し、それ以外の業務を行うには承認(同条4項)を要する。試験では「付随業務に該当するものはどれか」という形式で届出業務・承認業務との仕分けが繰り返し問われるため、35条1項の列挙業務を正確に記憶することが得点に直結する。

デリバティブは一種試験の柱である。先物取引は、将来の一定期日に一定の価格で原資産を売買することを現時点で約定する取引で、取引所に上場され、証拠金の差入れと値洗い(時価評価)により決済の履行が担保される。株価指数先物は差金決済であり、最終決済は特別清算指数(SQ)により行われる。先物の理論価格は「現物価格×{1+(短期金利−配当利回り)×残存期間}」で求められ、先物価格と現物価格の差をベーシスという。利用形態は、保有現物の値下がりに備えて先物を売る売りヘッジ、将来の購入に備えて先物を買う買いヘッジ、理論価格から乖離した価格差を利用して割高な先物を売り現物を買う裁定取引(アービトラージ)、相場観に基づき利益を狙う投機(スペキュレーション)に大別され、それぞれの損益構造を数値例で問う出題が定番である。

オプション取引では、原資産を権利行使価格で買う権利をコール、売る権利をプットといい、買い手はプレミアムを支払って権利を取得し、売り手はプレミアムを受け取って義務を負う。買い手の最大損失は支払ったプレミアムに限定されるが、コールの売り手の損失は無限定になり得る(プットの売り手は権利行使価格−プレミアムが最大損失)。プレミアムは本質的価値と時間的価値の合計であり、原資産価格が権利行使価格を上回るコールはイン・ザ・マネー、下回ればアウト・オブ・ザ・マネーである。他の条件が同一なら、ボラティリティの上昇はコール・プット双方のプレミアムを引き上げ、残存期間が長いほど時間的価値は大きい。感応度指標では、原資産価格の変化に対するデルタ、デルタの変化率であるガンマ、ボラティリティに対するベガ、時間経過に対するセータ(タイム・ディケイ)が問われる。なお日経225オプションは満期日にのみ権利行使できるヨーロピアン・タイプである。

スワップ取引は、将来のキャッシュ・フローを一定の条件で交換する店頭デリバティブ取引である。金利スワップは同一通貨間で異なる種類の金利(典型は固定金利と変動金利)を交換する取引であり、元本は計算上の想定元本にとどまり交換されない。これに対し通貨スワップは異なる通貨間で元本と金利を交換する取引であり、原則として取引開始時・終了時に元本の交換が行われる(金利部分のみを交換するクーポン・スワップもある)。「金利スワップ=元本交換なし、通貨スワップ=元本交換あり」の対比は○×問題の定番である。店頭デリバティブ取引は相対取引であるため取引相手方の信用リスクを伴い、金商法上、適合性の原則や契約締結前交付書面などの行為規制が課される。デリバティブ全般については、少額の証拠金で大きな損益が生じるレバレッジ効果と、その裏返しである損失拡大リスクを正確に説明できるようにしておきたい。

この章の問題から3問

委託者指図型投資信託において、信託財産の運用の指図を行うのは、受託者である信託会社等である。

正解 ×(誤り)

誤り。委託者指図型投資信託で運用の指図を行うのは委託者(投資信託委託会社)である(投信法2条1項)。受託者(信託会社等)は信託財産の保管・管理を行う。委託者と受託者の役割を入れ替えるのが本試験の定番のひっかけであり、「指図=委託者」「保管・管理=受託者」と固定して覚える。

投資法人は、資産の運用以外の行為を営業とすることができず、本店以外の営業所を設けることや使用人を雇用することも認められていない。

正解 ○(正しい)

正しい。投信法63条により、投資法人は資産運用のための「器(ビークル)」に徹することが求められ、資産運用は資産運用会社、資産保管は資産保管会社、一般事務は事務受託者へ委託しなければならない。「投資法人が自ら使用人を雇い運用できる」と変えるのがひっかけパターンで、その場合は誤りとなる。

MRF(マネー・リザーブ・ファンド)は、毎日決算を行う追加型公社債投資信託であり、株式を組み入れることはできない。

正解 ○(正しい)

正しい。MRFは毎日決算を行う追加型公社債投資信託で、日々の収益は月末にまとめて再投資される。公社債投資信託は約款上株式を一切組み入れることができない。ひっかけとしては「株式投資信託である」「月1回決算である」「株式を5%まで組み入れられる」等の改変が典型で、いずれも誤りである。

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本ページの講義ノートと問題は、各試験の出題範囲に基づきAIが作成し、法令・基準に照らして別のAIレンズで敵対的に検証したものです(検証プロセス)。法改正等で誤りが見つかった場合は随時修正します。合格を保証するものではありません。