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益金の額

益金は『資産の販売・有償無償の譲渡・役務提供・受贈等(資本等取引を除く)の収益』であり、無償取引でも時価で益金を認識し、計上時期は引渡し・役務提供日(実現主義)、代表的な別段の定めが持株割合4区分の受取配当等の益金不算入である。

益金の額は、法人税の課税所得を計算する出発点となる収益の側面である。法人税法第22条第1項は、各事業年度の所得の金額を『益金の額-損金の額』として定義し、同条第2項が益金の中身を規定する。すなわち益金とは、別段の定めがあるものを除き、(1)資産の販売、(2)有償又は無償による資産の譲渡、(3)有償又は無償による役務の提供、(4)無償による資産の譲受け、(5)その他の取引(ただし資本等取引を除く)に係る、その事業年度の収益の額をいう。会計上の『収益』とおおむね重なるが、税法独自の調整(別段の定め)が加わる点が学習の中心になる。

この章で最も重要な論点の一つが『無償取引からも益金が生じる』という考え方である。資産を無償または低額で譲渡したり、役務を無償提供した場合でも、税法は適正な時価相当額の収益を認識する。これは、いったん時価で取引して対価を受け取り、その対価を相手に渡した(贈与した)と二段階で捉える発想による。したがって無償譲渡では時価が益金、帳簿価額が原価(損金)となり、その差額は寄附金や交際費などとして別途損金性が判定される。資本等取引(増資の払込み、資本の払戻し、剰余金の配当など資本金等の額・利益積立金額を直接増減させる取引)は益金からも損金からも除かれることも併せて押さえる。

収益をいつ・いくらで計上するかを定めるのが法人税法第22条の2(平成30年度改正で新収益認識基準に対応して新設)である。計上時期の原則は、資産の引渡しの日または役務の提供の日が属する事業年度に計上する『実現主義・引渡基準』であり、現金の入金日ではない。公正妥当な会計基準に従って契約効力発生日など近接する日に経理した場合はその日も認められる。計上額は原則として引渡し時・役務提供時の『価額(時価)』とし、貸倒れの見込みや返品・買戻しの可能性は計上額に織り込まない(可能性がないものとした価額で計上し、別途、貸倒引当金や返品の調整で処理する)。

益金に関する代表的な『別段の定め』が受取配当等の益金不算入である。配当の原資はすでに支払法人段階で法人税が課された後の所得であり、受取法人で再課税すると法人間で二重課税になるため、これを排除する。株式は持株割合に応じて4区分され、益金不算入割合が異なる。完全子法人株式等(100%保有)は全額不算入で負債利子控除なし、関連法人株式等(3分の1超)も益金不算入割合は100%だが配当額から負債利子相当額(原則として配当額の4%。当期の支払利子等の合計額の10%が上限)を控除、その他の株式等(5%超3分の1以下)は50%、非支配目的株式等(5%以下)は20%が益金不算入となる。境界となる持株割合と割合の数値は計算問題で頻出するため正確に暗記する。

このほか益金側の論点として、法人税・住民税の本税の還付金は益金不算入(もともと損金不算入だった税の戻りのため)である一方、その還付に付される還付加算金は益金算入となる点、資産の評価益は原則として益金不算入(計上しない)だが会社更生・民事再生等の一定の場合には例外的に益金算入される点なども理解しておくと、別段の定めの全体像がつかみやすい。

この章の問題から3問

法人税法第22条第2項の益金の額には、無償による資産の譲渡や無償による役務の提供に係る収益も含まれる。

正解 ○(正しい)

法人税法第22条第2項は「資産の販売、有償又は無償による資産の譲渡又は役務の提供、無償による資産の譲受けその他の取引で資本等取引以外のもの」に係る収益を益金とする。無償取引であっても、適正な時価相当額の収益が認識される(無償取引からも益金が生じる)。

資本金等の額の増加を生じさせる株主からの払込み(増資)による収入は、益金の額に算入される。

正解 ×(誤り)

法人税法第22条第2項は「資本等取引以外のもの」に係る収益を益金とする。増資による株主からの払込みは資本等取引に該当し、益金の額には算入されない。

内国法人(完全支配関係なし)が他の内国法人から配当等の額を受けた場合の受取配当等の益金不算入制度に関し、その配当の元本である株式が「非支配目的株式等」に区分されるための持株割合の基準として正しいものはどれか。

  1. 発行済株式総数の5%以下
  2. 発行済株式総数の5%超かつ3分の1以下
  3. 発行済株式総数の3分の1超かつ100%未満
  4. 発行済株式総数の100%

正解 発行済株式総数の5%以下

受取配当等の益金不算入における株式区分は、完全子法人株式等(100%)、関連法人株式等(3分の1超100%未満)、その他の株式等(5%超3分の1以下)、非支配目的株式等(5%以下)の4区分。非支配目的株式等は持株割合5%以下で、益金不算入割合は20%。

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本ページの講義ノートと問題は、各試験の出題範囲に基づきAIが作成し、法令・基準に照らして別のAIレンズで敵対的に検証したものです(検証プロセス)。法改正等で誤りが見つかった場合は随時修正します。合格を保証するものではありません。