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役員給与・引当金・圧縮記帳

役員給与は3類型+過大・隠蔽仮装の否認、引当金は税務上ほぼ貸倒引当金のみ、圧縮記帳は課税の繰延べ(非課税ではない)——この3本柱を要件と数値ごと正確に記憶する。

役員給与は、会社が役員に対して支給する報酬・賞与・退職給与を指す。従業員給与は原則として全額損金になるが、役員は自分で自分の報酬を決められる立場にあるため、利益操作(恣意的な賞与支給による利益圧縮)を防ぐ目的で、損金算入できる支給形態が厳しく限定されている。損金算入が認められるのは『定期同額給与』『事前確定届出給与』『業績連動給与』の3類型のみであり、これら以外の役員給与は損金不算入となる。さらに、3類型に該当しても『不相当に高額な部分』(実質基準・形式基準で判定)や『事実を隠蔽・仮装して経理したもの』は損金不算入となる点に注意する。役員退職給与も過大部分は否認される。

引当金は、将来発生が見込まれる費用・損失を当期にあらかじめ計上するもので、会計上は保守主義の観点から賞与引当金・退職給付引当金など多くの引当金が認められる。しかし税務上は、課税所得の恣意的な圧縮を防ぐため、法律で認めたものしか損金にできない。かつて存在した返品調整引当金は平成30年度改正で廃止され(経過措置として令和3年4月1日以後開始事業年度から1年ごとに10分の1ずつ縮減)、現行法で残る税法上の引当金は貸倒引当金のみである。賞与引当金・退職給与引当金は会計上の見積りであって税務上は損金にならない(実際に支給・確定した時点で損金)。

貸倒引当金の繰入れは、平成30年度改正で原則廃止されたが、中小法人等(資本金1億円以下で、大法人による完全支配関係がある法人等を除く)・銀行・保険会社・一定の金銭債権を有する法人等に限り認められる。繰入限度額は、回収不能の懸念が高い特定の債権ごとに計算する『個別評価金銭債権』と、それ以外の通常の売掛金・貸付金等をまとめて計算する『一括評価金銭債権』の2区分で算定する。一括評価では、過去3年の貸倒実績率を用いる方法と、中小法人等が選択できる業種別の『法定繰入率』を用いる方法(実質的に債権とみられない金額を控除して計算)の有利な方を選べる。法定繰入率は卸売業・小売業(飲食店業を含む)10/1000、製造業8/1000、金融業・保険業3/1000、割賦販売小売業等13/1000、その他の事業6/1000である。

圧縮記帳は、国庫補助金・工事負担金・保険金・交換・収用・特定資産の買換え等で固定資産を取得した際に生じる受贈益や譲渡益に対して、その場で課税すると資産取得や事業継続が困難になることから、『圧縮損』を計上して取得価額を引き下げ、課税を将来へ繰り延べる制度である。重要なのは、これが非課税ではなく『課税の繰延べ』である点。圧縮した分だけ帳簿価額が小さくなるため、以後の減価償却費が減少し、あるいは将来その資産を売却したときに譲渡益が大きくなることで、繰り延べた利益はいずれ課税される。経理方法には、帳簿価額を直接減額する方法と、剰余金の処分により圧縮積立金を積み立てる積立金方式がある。

この章は理論(3類型・引当金の限定列挙・圧縮記帳の繰延べ趣旨)と計算(過大役員給与の否認額・貸倒引当金繰入限度額・圧縮限度額)の双方が頻出する。特に法定繰入率の数値、届出期限『1か月と4か月の早い方』、圧縮記帳が繰延べであることは確実に押さえる。

この章の問題から3問

定期同額給与とは、その事業年度の各支給時期における支給額が同額である給与であり、原則として事業年度開始の日から3か月を経過する日までに改定すれば、改定後も定期同額給与として損金算入が認められる。

正解 ○(正しい)

定期同額給与は1か月以下の一定期間ごとに同額を支給する給与。通常改定(定時改定)は、事業年度開始日から3か月を経過する日までにされる改定が認められる(法人税法34条1項1号イ、法人税法施行令69条1項1号)。

事前確定届出給与について、損金算入が認められるための原則的な届出期限として正しいものはどれか。

  1. 株主総会等の決議日から1か月を経過する日と、会計期間開始日から4か月を経過する日のいずれか早い日
  2. 事業年度終了の日から2か月を経過する日
  3. 支給日の前日まで
  4. 株主総会等の決議日から3か月を経過する日

正解 株主総会等の決議日から1か月を経過する日と、会計期間開始日から4か月を経過する日のいずれか早い日

事前確定届出給与の原則的な届出期限は、『株主総会等の決議をした日から1か月を経過する日』と『その会計期間開始の日から4か月を経過する日』のいずれか早い日(法人税法施行令69条4項1号)。新設法人は設立の日以後2か月を経過する日まで。

役員に対して支給する給与が不相当に高額である場合、その不相当に高額な部分の金額は、定期同額給与等の損金算入要件を満たしていても損金の額に算入されない。

正解 ○(正しい)

役員給与の過大支給部分(実質基準・形式基準で判定)は、支給形態の要件を満たしていても損金不算入(法人税法34条2項)。役員退職給与の不相当に高額な部分も同様に損金不算入。

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本ページの講義ノートと問題は、各試験の出題範囲に基づきAIが作成し、法令・基準に照らして別のAIレンズで敵対的に検証したものです(検証プロセス)。法改正等で誤りが見つかった場合は随時修正します。合格を保証するものではありません。