申告・納付と租税特別措置
確定申告は『事業年度終了後2か月以内・確定決算主義』が大原則で、申告期限の延長を受けても納付の本来期限は延びず利子税が生じる——この申告と納付の期限のズレが理論・計算双方の最頻出ポイントである。
法人税は申告納税方式を採用しており、法人が自ら課税標準と税額を計算して申告し、納付する。中心となるのが確定申告で、内国法人は各事業年度終了の日の翌日から2か月以内に、株主総会等で承認された『確定した決算』に基づいて確定申告書を提出しなければならない(確定決算主義、法74条)。納付も原則としてこの提出期限までに行う(法77条)。決算確定が遅れる常況にある会社は、申告期限の延長の特例(法75条の2)により、原則1か月(会計監査人を置き一定要件を満たす場合は最長4か月)の延長を税務署長の承認を得て受けられる。ただし延長されるのは申告期限であって納付の本来期限ではなく、延長期間には利子税が課される点が重要である。
事業年度が6か月を超える普通法人には中間申告の義務がある(法71条)。中間申告には、前事業年度の確定法人税額を基礎に『前期確定税額×6÷前期月数』で計算する予定申告と、6か月間を一事業年度とみなして仮決算を行う方法の2種類がある。この計算による税額(前期基準額)が10万円以下(前期が12か月なら前期年税額おおむね20万円以下)の場合などは中間申告を要しない。期中に業績が悪化したときは仮決算により中間税負担を抑える選択ができる。中間納付額は確定申告時に確定年税額から控除し、控除しきれない場合は還付される。
期限内に申告・納付が行われない場合の附帯税の枠組みも理解しておく。納付が遅れた場合の延滞税、期限後申告や修正申告・更正に伴う過少申告加算税・無申告加算税・重加算税、そして申告期限の延長の特例を受けた延長期間に課される利子税がある。利子税は適法な延長に対する利息的性格であり、延滞税(履行遅滞に対する制裁的性格)とは性質が異なる。
租税特別措置(措置法)は、政策目的のために本法の原則を修正する特例で、計算問題でも頻出する。代表例として、青色申告の中小企業者等が取得価額30万円未満の減価償却資産を1事業年度合計300万円まで全額損金算入できる少額減価償却資産の特例(措置法67条の5。適用期限のある時限措置)、研究開発を促進する試験研究費の税額控除(措置法42条の4、一般型の控除上限は原則として調整前法人税額の25%)、賃上げ促進税制、各種特別償却・税額控除などがある。これらは要件(青色申告であること、中小企業者等の判定、対象資産・対象費用の範囲、限度額、適用期限)を正確に押さえることが得点の鍵となる。
学習上は、(1)各申告(確定・中間・期限後・修正)の期限と起算日、(2)申告期限の延長と納付・利子税の関係、(3)措置法の主要特例の要件と限度額、を表で整理して暗記するのが効率的である。理論では『確定決算主義』『申告期限延長と納付期限の区別』が、計算では『予定申告税額の算定』『少額減価償却資産の損金算入額』『中間納付控除後の納付税額』が定番論点である。
この章の問題から3問
内国法人は、各事業年度終了の日の翌日から2か月以内に、確定した決算に基づき法人税の確定申告書を提出しなければならない。
正解 ○(正しい)
法人税法第74条。確定申告書の提出期限は原則として事業年度終了の日の翌日から2か月以内であり、確定した決算(株主総会等で承認された決算)に基づいて提出する(確定決算主義)。
会計監査人の監査を受けるなどの理由で定時株主総会が事業年度終了後2か月以内に開催されない常況にある法人が、確定申告書の提出期限の延長を受けられる延長期間は、原則として何か月か(定款の定め等による一般的な延長の場合)。
- 1か月
- 2か月
- 4か月
- 6か月
正解 1か月
法人税法第75条の2の申告期限の延長の特例。定款の定め等により定時総会が事業年度終了後2か月以内に招集されない常況にある場合、原則1か月の延長が認められる。なお会計監査人設置会社で定款等により3か月以内に総会が招集されない常況にある場合は、申請により最長4か月まで延長できる特例がある。延長期間中は利子税が課される。
前事業年度の確定法人税額が20万円を超える法人は、原則としてその事業年度開始の日以後6か月を経過した日から2か月以内に中間申告書を提出しなければならない。
正解 ○(正しい)
法人税法第71条。前期実績による予定申告では『前事業年度の確定法人税額×6÷前事業年度の月数』が10万円を超える場合に中間申告義務が生じる。前事業年度が12か月なら前期確定税額が20万円超でこの基準を満たす。提出期限は事業年度開始から6か月経過日の翌日から2か月以内。
登録不要 ・ 採点と解説はその場 ・ 進捗は端末に保存
法人税法の他の章
本ページの講義ノートと問題は、各試験の出題範囲に基づきAIが作成し、法令・基準に照らして別のAIレンズで敵対的に検証したものです(検証プロセス)。法改正等で誤りが見つかった場合は随時修正します。合格を保証するものではありません。