Ukaru.資格試験オンライン講座

公衆栄養学(食事摂取基準・国民健康・栄養調査)

食事摂取基準は健康増進法(第16条の2)に基づき5年ごとに改定され、エネルギーはBMI、栄養素はEAR・RDA・AI・UL・DGの5指標で示す。国民健康・栄養調査も同法(第10条)を根拠に厚生労働省が毎年実施する。

日本人の食事摂取基準は、健康増進法第16条の2に基づき厚生労働大臣が定める、エネルギーおよび各栄養素の摂取量の基準である。国民の健康の保持・増進、生活習慣病の発症予防および重症化予防、加えて高齢者の低栄養・フレイル予防を目的とし、健康な個人および集団を対象とする。おおむね5年ごとに改定され、現行は「2025年版」で、令和7(2025)年度から令和11(2029)年度までの5年間使用される。策定にあたっては系統的レビューによる科学的根拠(エビデンス)を重視し、参照体位(性・年齢区分ごとの身長・体重の代表値)を基準として各指標を算定する点が、本試験頻出の基礎知識である。

エネルギーについては、摂取量と消費量のバランス(エネルギー収支バランス)の維持を示す指標として、成人ではBMI(体格指数=体重kg÷身長m²)を採用している。これは、エネルギー必要量を単一の値で厳密に示すことが困難であり、体重変化やBMIが収支の結果を反映するためである。あわせて参考値として推定エネルギー必要量(EER)が示され、基礎代謝量に身体活動レベル(PAL:低いⅠ・ふつうⅡ・高いⅢ)を乗じて算出される。目標とするBMIの範囲は年齢区分ごとに提示され、65歳以上では低栄養予防の観点から下限が引き上げられている。エネルギーの過不足評価はBMIまたは体重変化量で行う点を押さえたい。

栄養素の指標は5つである。推定平均必要量(EAR)は、ある集団の半数(50%)が必要量を満たすと推定される量であり、不足の評価に用いる。推奨量(RDA)は、ほとんど(97〜98%)の人が充足する量で、EARに推奨量算定係数を乗じて求める。目安量(AI)は、EARを算定する十分な科学的根拠がない場合に、良好な栄養状態を維持するのに十分な量として設定される。耐容上限量(UL)は、過剰摂取による健康障害を回避するための上限であり、これを超えないことが望ましい。目標量(DG)は、生活習慣病の発症予防のために当面目標とすべき摂取量である。EARとRDA、およびAILの使い分けは頻出論点である。

エネルギー産生栄養素バランスは、たんぱく質・脂質・炭水化物が総エネルギーに占める割合(%エネルギー)を目標量として示す。成人ではたんぱく質13〜20%エネルギー、脂質20〜30%エネルギー、炭水化物50〜65%エネルギーが目安である。脂質のうち飽和脂肪酸は、循環器疾患予防の観点から成人で7%エネルギー以下を目標量とする。ナトリウム(食塩相当量)は生活習慣病予防のための目標量として、成人男性で1日7.5g未満、成人女性で6.5g未満と定められ、高血圧および慢性腎臓病(CKD)の重症化予防を目的とする量は男女とも6g未満とされる。これらの数値は択一で問われやすい。

食事摂取基準の活用では、食事調査によって得た摂取量と各指標を比較し、PDCA(Plan-Do-Check-Act)サイクルに基づいて食事改善を行う。個人への活用では、摂取不足の回避にEAR・RDA(またはAI)、過剰摂取の回避にUL、生活習慣病予防にDGを用い、確率論的な考え方で評価する。集団への活用では、摂取不足の者の割合をEARを下回る者の割合(カットポイント法)で推定し、過剰の者の割合をULを上回る者の割合で評価する。なお食事調査には過小申告・過大申告や日間変動といった測定誤差が伴うため、これを踏まえた解釈が求められる。エネルギーはBMIまたは体重変化で評価する点も重要である。

国民健康・栄養調査は、健康増進法第10条に基づき、国民の身体の状況、栄養摂取量および生活習慣の状況を明らかにするため、厚生労働省が毎年実施する。前身は栄養改善法に基づく国民栄養調査で、2003(平成15)年の健康増進法施行に伴い現名称となった。調査客体は、国民生活基礎調査で設定された単位区から層化無作為抽出され、都道府県知事が調査世帯を指定する。調査は、身体状況調査(身長・体重・腹囲・血圧・血液検査等)、栄養摂取状況調査(食品および栄養素等摂取量)、生活習慣調査(食習慣・身体活動・睡眠・飲酒・喫煙等の質問紙)の3部から構成される。根拠法と実施頻度は頻出である。

栄養摂取状況調査は世帯を単位とし、原則として休日を除く任意の1日について世帯員全員の食事を秤量記録し、世帯全体の摂取量を各世帯員の摂取割合に応じて按分する比例案分法によって個人別摂取量を推定する。近年の結果として、食塩摂取量は減少傾向にあるものの目標量には達しておらず、令和元年国民健康・栄養調査では成人1日あたり平均約10.1g(男性約10.9g、女性約9.3g)であった。野菜摂取量は健康日本21が掲げる1日350gに対し成人平均約280gと不足が続く。加えて、20歳代女性のやせ(BMI18.5未満)と中高年男性の肥満が公衆栄養上の課題として問われる。

この章の問題から3問

日本人の食事摂取基準は、健康増進法に基づき厚生労働大臣が、おおむね5年ごとに策定する。

正解 ○(正しい)

健康増進法第16条の2に基づき厚生労働大臣が策定し、おおむね5年ごとに改定される。現行の2025年版は令和7(2025)年度から令和11(2029)年度に使用される。記述は正しい。

推定平均必要量(EAR)は、母集団に属するほとんど(97〜98%)の人が必要量を満たすと推定される量である。

正解 ×(誤り)

ほとんど(97〜98%)の人が充足する量は推奨量(RDA)である。推定平均必要量(EAR)は集団の半数(50%)が必要量を満たすと推定される量であり、記述は誤り。

耐容上限量(UL)は、過剰摂取による健康障害を回避するために設定される、習慣的な摂取量の上限である。

正解 ○(正しい)

耐容上限量(UL)は、過剰摂取による健康障害を回避するための習慣的摂取量の上限量であり、これを超えないことが望ましい。記述は正しい。

この章の残り12問を解く

登録不要 ・ 採点と解説はその場 ・ 進捗は端末に保存

管理栄養士の他の章

本ページの講義ノートと問題は、各試験の出題範囲に基づきAIが作成し、法令・基準に照らして別のAIレンズで敵対的に検証したものです(検証プロセス)。法改正等で誤りが見つかった場合は随時修正します。合格を保証するものではありません。