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建築計画(日本建築史・環境工学・各部計画)

本章は「様式と代表建築物」「換気回数0.5回/h・昼光率・D値とL値の大小」「勾配1/12以下等の計画寸法」といった正確な対応関係と数値の暗記で得点する分野であり、ひっかけは名称・数値・大小関係の入替えで作られる。

日本建築史では、神社建築の様式と代表建築物の対応が最頻出である。神明造は伊勢神宮内宮正殿に代表され、切妻造・平入りで棟持柱をもつ。大社造は出雲大社本殿に代表され、切妻造・妻入りで平面はほぼ正方形である。住吉造は住吉大社本殿(妻入り・直線的な屋根)、流造は賀茂別雷神社(上賀茂神社)本殿など前面の屋根を長く延ばした平入りの形式で、全国に最も多い。春日造は春日大社本殿で、妻入りに向拝を付す。権現造は本殿と拝殿を石の間で連結した形式で、日光東照宮が代表例である。寺院建築では、鎌倉時代に宋から伝わった大仏様(天竺様)が東大寺南大門に代表され、貫と挿肘木を多用した豪放な構造をもつ。禅宗様(唐様)は円覚寺舎利殿に代表され、扇垂木・花頭窓・詰組が特徴である。和様は蓮華王院本堂(三十三間堂)などが代表例であり、法隆寺金堂・五重塔は現存最古の木造建築として押さえておく。

住宅建築の様式変遷も定番の出題領域である。寝殿造は平安時代の貴族住宅の形式で、中央の寝殿と東西の対屋を渡殿で結び、南庭に池を配するおおむね左右対称の配置をとる。書院造は室町時代から桃山時代にかけて成立した武家住宅の形式で、床(床の間)・違い棚・付書院・帳台構えを備えた座敷をもち、二条城二の丸御殿が代表例である。数寄屋造は書院造に茶室建築の意匠を取り入れた自由で瀟洒な様式であり、桂離宮・修学院離宮が代表例として繰り返し出題される。茶室では、千利休の作と伝えられる妙喜庵待庵(二畳の草庵茶室)が著名である。民家では、岐阜県白川郷などの合掌造をはじめ、町家・農家の地域的形式が問われる。本試験の正誤判定は「様式名・特徴・代表建築物」の三点の入替えで作られるため、この対応を正確に暗記することが得点の絶対条件である。

環境工学では換気の出題頻度が高い。換気は温度差(重力)換気・風力換気による自然換気と機械換気に大別され、機械換気は第1種(給気機+排気機)、第2種(給気機のみ・室内正圧)、第3種(排気機のみ・室内負圧)に分類される。手術室など清浄を要する室は汚染空気の流入を防ぐ第2種、便所・浴室・厨房など汚染源のある室は第3種が原則である。在室者の呼吸を基準とする必要換気量は、二酸化炭素の許容濃度0.1%(1000ppm、建築物衛生法の管理基準値)を用いて Q=K/(Pi−Po)(K:CO2発生量、Pi:許容濃度、Po:外気濃度)で算定し、成人1人当たり約30m³/hが目安となる。シックハウス対策としては、建築基準法第28条の2および同法施行令に基づき、居室へのホルムアルデヒド発散建築材料の使用制限と、住宅等の居室で換気回数0.5回/h以上の機械換気設備(24時間換気)の設置が義務付けられている。

伝熱と結露はほぼ毎年問われる。熱伝導率は材料内部での熱の伝わりやすさを示し、一般に密度の大きい材料ほど大きく、グラスウール等の断熱材は内部の空気により小さい。ただし断熱材が水分を含むと熱伝導率は大きくなる。熱貫流率(U値)は壁体全体の熱の通しやすさを表し、値が小さいほど断熱性能が高い。壁体の熱貫流抵抗は、室内外両表面の熱伝達抵抗と各層の熱伝導抵抗との合計で求める。結露には表面結露と内部結露があり、表面結露は壁等の表面温度が室内空気の露点温度以下に低下すると生じるため、断熱強化・換気・水蒸気発生の抑制が対策となる。内部結露の防止には、防湿層(防湿フィルム)を断熱材の室内側(高温高湿側)に設けることが有効であり、「屋外側に設ける」とする誤り肢が定番のひっかけである。冬季の暖房室では、家具の裏側や押入れなど空気が停滞し表面温度の低い部位で結露が生じやすいことも併せて押さえる。

日照・日射では、北緯35度付近における面ごとの直達日射量の大小関係が頻出である。夏至の日の1日間の直達日射量は水平面が最大で、南向き鉛直面は夏至よりも太陽高度の低い冬至のほうが大きい。冬至の日には南向き鉛直面の日射量が水平面を上回るため、日射熱利用(パッシブソーラー)では南面開口が有利となる。日影については、夏至の日に終日日影となる部分を永久日影といい、1年を通して直射日光が当たらない。建築基準法第56条の2の日影規制は冬至日を基準として測定する。採光の指標である昼光率は、全天空照度に対する室内のある点の照度の百分率であり、天候や時刻により全天空照度が変化しても昼光率自体は変化しない点が最重要である。事務室の基準昼光率は2%程度とされる。側窓採光では窓の位置が高いほど室の奥まで光が届き照度分布が均斉化する。天窓は採光上有利で、建築基準法施行令第20条の採光補正係数では側窓の3倍として扱われる。

音環境では、残響時間がセービンの式により室容積に比例し、室内の総吸音力に反比例することが基本である。最適残響時間は室の用途で異なり、講演を主とする室は音楽ホールより短いものが適する。遮音等級のD値(Dr値)は壁等の空気音遮断性能の指標で数値が大きいほど性能が高く、床衝撃音遮断性能のL値(Lr値)は数値が小さいほど性能が高い(JIS A 1419)。この大小関係の逆転が定番のひっかけである。NC値は室内騒音の許容度の指標で、小さいほど静かな環境を示す。音の強さのレベルは、同じ音源が2つになると約3dB増加する。色彩ではマンセル表色系が頻出で、色相(H)・明度(V)・彩度(C)の三属性により色を表し、明度は理想的な黒0から白10まで、彩度は無彩色の0から色相ごとに最大値が異なる。同じ色でも面積が大きいほど明度・彩度が高く見える面積効果、暖色が膨張・進出して見える等の心理的効果も出題される。

各部計画では計画寸法の数値暗記が得点源である。住宅では、日本人の平均的な人体寸法・作業域から、キッチンの調理台(カウンター)の高さは80〜85cm程度、食事用テーブルの高さは70cm前後とする。車椅子使用者への配慮として、屋内傾斜路の勾配は1/12以下(バリアフリー法=高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律の建築物移動等円滑化基準)、車椅子の転回には直径150cm程度のスペース、廊下の有効幅員は85cm以上(すれ違いには180cm程度)、手すりの高さは75〜85cm程度が目安である。集合住宅では、住棟のアクセス形式(階段室型・片廊下型・中廊下型・スキップフロア型・ツインコリドール型)の特徴に加え、居住者が組合を作り企画・設計から参加するコーポラティブハウス、独立した住戸に共用の食堂・厨房等を備えるコレクティブハウス、各住戸が専用庭をもつ連続低層のテラスハウスの区別が頻出である。リビングアクセス型は共用廊下側に居間・食事室を配置し、近隣交流を促す形式である。

公共建築の計画では用途ごとの定番数値が問われる。事務所ビルのレンタブル比(収益部分の床面積の割合)は延べ面積に対して65〜75%程度、基準階では75〜85%程度が標準である。学校の運営方式では、総合教室型はほとんどの学習を各学級の教室で行う方式で小学校低学年に適し、特別教室型は普通教科を学級教室で行い特別教科のみ専用教室で行う方式、教科教室型は全教科を専用教室で行うため中学校・高等学校に適するが、生徒の移動動線とホームベースの計画に配慮を要する。図書館では開架閲覧室を出入口近くに配置し、BDS(ブックディテクションシステム)を設けることで利用者が自由にかばん等を持ち込める計画とする。病院では総合病院の延べ面積は1床当たり40〜60m²程度、1看護単位は一般に40〜50床以下とする。劇場の客席は1席当たり0.5〜0.7m²程度が目安である。数値は「〜程度」の適否で問われるため、代表値と大小関係をセットで記憶することが実戦的である。

この章の問題から3問

伊勢神宮内宮正殿は、神明造の代表的な建築物である。

正解 ○(正しい)

正しい。神明造は切妻造・平入りで棟持柱をもつ形式であり、伊勢神宮内宮正殿が代表例である。定番のひっかけは出雲大社本殿(大社造・妻入り)との入替えで、「平入りの神明造」対「妻入りの大社造」の対比で覚える。住吉造(住吉大社)・流造(上賀茂神社)・春日造(春日大社)も併せて整理すること。

昼光率は、時刻や天候によって全天空照度が変化しても、変化しない。

正解 ○(正しい)

正しい。昼光率(%)=(室内のある点の水平面照度/全天空照度)×100 で定義される比率であり、全天空照度が変化すれば室内照度も比例して変化するため、昼光率自体は一定である。「天候によって変化する」とする肢が定番のひっかけ。なお直射日光は昼光率の算定から除外される点も併せて押さえる。

床衝撃音に対する遮音等級のL値は、その数値が大きいほど床衝撃音の遮断性能が優れている。

正解 ×(誤り)

誤り。遮音等級(JIS A 1419)では、床衝撃音遮断性能のL値(Lr値)は数値が小さいほど性能が優れている。逆に、壁等の空気音遮断性能を表すD値(Dr値)は数値が大きいほど性能が優れる。D値とL値の大小関係を入れ替えるのが本試験の定番のひっかけである。

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本ページの講義ノートと問題は、各試験の出題範囲に基づきAIが作成し、法令・基準に照らして別のAIレンズで敵対的に検証したものです(検証プロセス)。法改正等で誤りが見つかった場合は随時修正します。合格を保証するものではありません。