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建築構造① 構造計画と各構造(木造・S造・RC造)

木造=令46条壁量(地震は床面積・風は見付面積の1.35m控除)、S造=ヤング係数一定と座屈・摩擦接合、RC造=令79条かぶり厚さと令77条柱規定。数値規定を条文単位で正確に暗記することが得点に直結する。

構造計画の目的は、建築物に作用する固定荷重・積載荷重・積雪荷重・風圧力・地震力等(建築基準法施行令第83条以下)に対して、安全で経済的な骨組を成立させることにある。耐震計画の基本は、①平面・立面形状をできるだけ単純・整形にすること、②重心(質量の中心)と剛心(水平剛性の中心)との距離=偏心をできるだけ小さくすること、③各階の剛性の急変を避けることである。偏心が大きいと地震時にねじれ振動が生じ、剛心から遠い構面に変形が集中する。ピロティのように特定の階の剛性が小さい建築物は、その階に変形と損傷が集中しやすく層崩壊の危険がある。L字形・T字形など不整形な平面は、エキスパンションジョイントにより構造的に分割することが有効である。地震力は建築物の重量にほぼ比例するため、屋根や仕上げの軽量化は耐震上有利に働く。また、建築物の固有周期は高く柔らかい建築物ほど長くなり、軟弱地盤では長周期成分が卓越しやすいため、地盤と建築物の周期特性の関係にも留意する。

木造在来軸組構法の規定は建築基準法施行令第3章第3節(第40条〜第49条)にまとまっており、出題の中心は第46条の壁量計算である。構造耐力上必要な軸組(耐力壁)の量は、地震力に対してはその階の床面積に、建築物の重量条件(屋根・外壁の仕様、階数等)に応じた所定の数値を乗じて求め、風圧力に対してはその階の見付面積(床面からの高さ1.35m以下の部分を除く)に所定の数値を乗じて求める。両者を比較して大きいほうがその方向の必要壁量となる。存在壁量は軸組の長さに壁倍率を乗じて算定する。なお令和7年4月施行の建築基準法・同施行令改正では、省エネ化等により重量化した建築物の実態に対応して必要壁量の基準が見直され、建築物の荷重の実況に応じた算定が導入された点が直近の重要改正である。壁の配置は平12建告第1352号による四分割法(側端部分ごとの壁量充足率・壁率比の確認)で釣合いよく行い、柱頭・柱脚の接合方法は平12建告第1460号(N値計算法を含む)により選定する。

木造の部材規定も頻出である。筋かい(令第45条)は、引張力を負担するものは厚さ1.5cm以上で幅9cm以上の木材または径9mm以上の鉄筋、圧縮力を負担するものは厚さ3cm以上で幅9cm以上の木材としなければならない。細い鉄筋は圧縮力を受けると座屈するため、鉄筋の筋かいは引張用に限られる点がひっかけの定番である。筋かいの端部は柱とはりその他の横架材との仕口に接近して緊結し、筋かいには原則として欠込みをしてはならない(たすき掛けとするためやむを得ない場合は必要な補強を行う)。柱の小径(令第43条)は横架材間の垂直距離に対する所定の割合以上とし、令和7年施行の改正では階高の高い建築物等に対応して基準が見直された。階数が2以上の建築物のすみ柱またはこれに準ずる柱は、接合部を同等以上に補強した場合を除き通し柱とする。土台は基礎に緊結し(令第42条)、アンカーボルトによる緊結が標準である。継手・仕口は存在応力を伝えるように緊結し(令第47条)、地面から1m以内の柱・筋かい・土台には有効な防腐措置と必要に応じた防蟻措置を講ずる(令第49条第2項)。

鋼構造(S造)では鋼材の力学的性質が最頻出である。鋼材のヤング係数は約2.05×10⁵N/mm²であり、SS400でもSM490でも引張強さの大小にかかわらずほぼ一定である。したがって高強度鋼を用いても部材のたわみ(剛性)は改善されない点が代表的なひっかけとなる。鋼材記号の数値(SS400の400等)は引張強さの下限値(N/mm²)を表す。炭素量が増えると強度は増すが、伸び(靭性)や溶接性は低下する。建築構造用圧延鋼材SN材(JIS G 3136)は溶接性や塑性変形能力を保証した規格で、B種・C種には降伏点の範囲や降伏比の上限が規定されている。圧縮材は細長比が大きいほど座屈しやすく、許容圧縮応力度は小さくなる。板要素の幅厚比が大きいと局部座屈を生じやすい。はりの横座屈防止には横補剛材を有効に配置する。鋼材は不燃材料であるが耐火性は低く、約500℃で常温時強度のおよそ半分に低下するため耐火被覆を要し、錆に対しては防錆処理が必要である。

鋼構造の接合は高力ボルト接合と溶接接合が柱である。高力ボルト摩擦接合は、ボルトの強大な締付け力によって生じる部材間の摩擦力で応力を伝達する接合法で、摩擦面は黒皮を除去した赤錆状態等としてすべり係数0.45を確保する。高力ボルト摩擦接合と溶接を併用する継手では、高力ボルトを先に締め付けた場合は両者の許容耐力を加算できるが、溶接を先に行った場合は板のひずみにより摩擦接合の性能が期待できないため、全応力を溶接が負担するものとする。溶接接合では、完全溶込み溶接(突合せ溶接)は母材と同等の耐力を期待でき、隅肉溶接の有効のど厚は隅肉のサイズの0.7倍として耐力を計算する。アンダーカット・ブローホール等の溶接欠陥や、応力を負担する溶接と組立て溶接の区別も出題される。柱脚の形式には露出型・根巻き型・埋込み型があり、回転拘束(固定度)は露出型が最も小さく、埋込み型が最も大きい。

鉄筋コンクリート造(RC造)が一体の構造として成立する理由は、①鉄筋とコンクリートの線膨張係数がほぼ等しい(約1×10⁻⁵/℃)、②アルカリ性のコンクリートが鉄筋の錆を防ぐ、③両者の付着により一体で挙動する、の3点である。法規定では令第79条のかぶり厚さが最頻出で、耐力壁以外の壁・床は2cm以上、耐力壁・柱・はりは3cm以上、直接土に接する壁・柱・床・はり・布基礎の立上り部分は4cm以上、基礎(布基礎の立上り部分を除く)は捨てコンクリートの部分を除いて6cm以上とする。柱(令第77条)は、主筋4本以上、帯筋の径6mm以上、帯筋の間隔は原則15cm以下(はり等の横架材から上下に柱の小径の2倍以内の部分は10cm以下)かつ最も細い主筋径の15倍以下、帯筋比0.2%以上、柱の小径は構造耐力上主要な支点間距離の1/15以上とする。はり(令第78条)は複筋ばりとし、あばら筋の間隔ははりの丈の3/4以下(臥梁を除く)とする。耐力壁の厚さは12cm以上(令第78条の2)である。

コンクリートの性質では圧縮強度が基本であり、引張強度は圧縮強度の約1/10にすぎない。水セメント比が小さいほど強度・耐久性は高まり、単位水量が多いほど乾燥収縮が大きくひび割れが生じやすい。スランプが大きい(軟らかい)コンクリートは施工性はよいが、強度・耐久性は低下する傾向がある。コンクリートは空気中の二酸化炭素により表面から中性化が進行し、中性化が鉄筋位置に達すると防錆効果が失われるため、かぶり厚さの確保は耐久性の面でも重要である。耐震設計上は、部材が曲げ降伏する前にせん断破壊しないよう靭性を確保することが原則で、帯筋・あばら筋を密に配置するとせん断に対する粘り(靭性)が向上する。腰壁・垂れ壁が取り付いて短柱化した柱はせん断破壊を生じやすいため、耐震スリットを設けて壁と縁を切る計画が有効である。柱・はり(基礎ばりを除く)の出隅部分の主筋には、異形鉄筋であっても末端にフックを設ける(令第73条)ことも確実に押さえておきたい。

この章の問題から3問

木造建築物において、圧縮力を負担する筋かいには、厚さ1.5cm以上で幅9cm以上の木材を使用しなければならない。

正解 ×(誤り)

誤り。建築基準法施行令第45条では、引張力を負担する筋かいは「厚さ1.5cm以上×幅9cm以上の木材」または「径9mm以上の鉄筋」(第1項)、圧縮力を負担する筋かいは「厚さ3cm以上×幅9cm以上の木材」(第2項)と区別している。設問は引張用の寸法を圧縮用として述べたひっかけで、圧縮筋かいは座屈を防ぐためより厚い断面が必要となる。

鋼材のヤング係数(縦弾性係数)は、引張強さの大きい鋼材ほど大きくなる。

正解 ×(誤り)

誤り。鋼材のヤング係数は約2.05×10⁵N/mm²で、SS400でもSM490でも引張強さの大小にかかわらずほぼ一定である。したがって高強度鋼を使っても部材の変形(たわみ)は小さくならない。「強度が高い=たわみにくい」と思わせる本試験頻出のひっかけである。

鉄筋コンクリート造が一体の構造として成立する理由の一つは、鉄筋とコンクリートの線膨張係数がほぼ等しいことである。

正解 ○(正しい)

正しい。鉄筋・コンクリートとも線膨張係数は約1×10⁻⁵/℃でほぼ等しく、温度変化による両者のずれが生じにくい。これに加えて、②アルカリ性のコンクリートが鉄筋の錆を防ぐこと、③付着により一体で挙動することが、RC造成立の三大理由として繰り返し出題される。

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本ページの講義ノートと問題は、各試験の出題範囲に基づきAIが作成し、法令・基準に照らして別のAIレンズで敵対的に検証したものです(検証プロセス)。法改正等で誤りが見つかった場合は随時修正します。合格を保証するものではありません。