建築法規① 建築基準法(用語・手続・単体規定)
主要構造部・特殊建築物など法2条の定義、令和7年改正後の確認申請区分(1〜3号と審査省略の縮小)、採光1/7・換気1/20・天井高2.1m・床高45cmなどの数値規定を正確に押さえることが本章の得点の核心である。
建築基準法第2条は本試験の基礎となる用語を定義する。「建築物」とは、土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するもの、これに附属する門若しくは塀、観覧のための工作物、地下若しくは高架の工作物内に設ける事務所・店舗・興行場・倉庫等をいい、鉄道のプラットホームの上家や跨線橋等の運転保安施設は除かれる。「特殊建築物」は、学校、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、百貨店、旅館、共同住宅、寄宿舎、工場、倉庫、自動車車庫、危険物の貯蔵場、と畜場、火葬場、汚物処理場等をいい、事務所や一戸建て住宅は特殊建築物に含まれない点が繰り返し出題される。「居室」は、居住、執務、作業、集会、娯楽その他これらに類する目的のために継続的に使用する室をいい、住宅の浴室・便所・玄関・廊下は居室に該当しない。「建築設備」は、建築物に設ける電気、ガス、給水、排水、換気、暖房、冷房、消火、排煙若しくは汚物処理の設備又は煙突、昇降機若しくは避雷針をいう。
「主要構造部」(法2条5号)は壁、柱、床、はり、屋根、階段の6つであり、防火上の観点からの概念である。構造上重要でない間仕切壁、間柱、最下階の床、ひさし、局部的な小階段、屋外階段等は除かれる。これに対し「構造耐力上主要な部分」(令1条3号)は基礎、基礎ぐい、壁、柱、小屋組、土台、斜材、床版、屋根版、横架材をいい、力学的観点の概念である。基礎は主要構造部に含まれず、構造耐力上主要な部分に含まれる——この対比は最頻出である。「延焼のおそれのある部分」(法2条6号)は、隣地境界線、道路中心線又は同一敷地内の2以上の建築物(延べ面積の合計が500㎡以内なら一の建築物とみなす)相互の外壁間の中心線から、1階にあっては3m以下、2階以上にあっては5m以下の距離にある建築物の部分をいう。行為の定義では、「建築」=新築・増築・改築・移転の4つ、「大規模の修繕」=主要構造部の一種以上について行う過半の修繕であり、「大規模の模様替」も同様に主要構造部の一種以上の過半が要件となる。
面積・高さ等の算定方法は令2条による。敷地面積は敷地の水平投影面積によるが、法42条2項道路のセットバック部分(みなし道路境界線と道との間)は算入しない。建築面積は外壁又はこれに代わる柱の中心線で囲まれた部分の水平投影面積で、軒・ひさし等が中心線から1m以上突き出す場合は先端から1m後退した線までを算入し、地階で地盤面上1m以下にある部分は除く。床面積は壁その他の区画の中心線で囲まれた部分の水平投影面積、延べ面積は各階の床面積の合計である。建築物の高さは地盤面からの高さによる。階段室、昇降機塔等の屋上部分の水平投影面積の合計が建築面積の1/8以内であれば、原則として12mまでは高さに算入しない。棟飾、防火壁の屋上突出部等は高さに算入しない。階数については、昇降機塔等の屋上部分又は地階の倉庫・機械室等で、水平投影面積の合計がそれぞれ建築面積の1/8以下のものは算入しない。地盤面とは建築物が周囲の地面と接する位置の平均の高さにおける水平面をいい、高低差が3mを超える場合は3m以内ごとに定める。
建築確認(法6条)は令和7年4月施行の改正で区分が再編された。1号=別表第1(い)欄の用途に供する特殊建築物で、その用途部分の床面積の合計が200㎡を超えるもの、2号=1号を除く階数2以上又は延べ面積200㎡超の建築物(構造種別を問わない)、3号=都市計画区域・準都市計画区域内等における1号・2号以外の建築物(平家かつ200㎡以下)である。1号・2号建築物は建築(新築・増築・改築・移転)に加え大規模の修繕・大規模の模様替も確認対象となるが、3号建築物は建築のみが対象である。旧「4号特例」は縮小され、審査省略制度(法6条の4)の対象は新3号建築物に限られるため、木造2階建て住宅も構造関係規定等の審査を受ける。防火地域及び準防火地域外において増築・改築・移転する部分の床面積の合計が10㎡以内であれば確認不要だが(法6条2項)、防火地域・準防火地域内では10㎡以内でも確認が必要である。確認申請は建築主が建築主事若しくは建築副主事又は指定確認検査機関に対して行い、確認済証の交付を受けた後でなければ工事に着手できない。
工事を完了したときは、建築主は工事完了の日から4日以内に建築主事等に到達するように完了検査を申請しなければならない(法7条)。階数3以上の共同住宅では、2階の床及びこれを支持するはりに鉄筋を配置する工事の工程が特定工程とされ、中間検査に合格しなければ後続の工程に進めない(法7条の3)。法6条1項1号・2号の建築物を新築する場合等は、原則として検査済証の交付を受けた後でなければ使用できないが、特定行政庁、建築主事等又は指定確認検査機関による仮使用の認定を受けたとき、又は完了検査の申請が受理された日から7日を経過したときは仮使用できる(法7条の6)。手続関係ではほかに、床面積10㎡超の建築物を建築する場合の建築工事届(建築主)、10㎡超を除却する場合の建築物除却届(施工者)がいずれも都道府県知事宛てである点(法15条)、特定建築物等の定期調査・検査報告(法12条)、違反建築物に対する特定行政庁の是正措置命令(法9条)が問われる。届出者・宛先・日数の数値が正誤の分かれ目になる。
単体規定は、都市計画区域の内外を問わず全国一律に適用される建築物自体の安全・衛生の基準である。居室の採光(法28条1項、令19条)では、住宅の居住のための居室には床面積の1/7以上の採光に有効な開口部が原則として必要である。令和5年改正により、床面において50ルックス以上の照度を確保できる照明設備を設置する場合は1/10以上まで緩和される。用途別の割合は、幼稚園・小学校・中学校・高等学校等の教室と保育所の保育室が1/5、病院・診療所の病室や寄宿舎の寝室等が1/7と定められ、数値の入替えが定番のひっかけである。換気(法28条2項)では、居室には換気に有効な部分の面積が床面積の1/20以上の開口部を設けるか、これに代わる換気設備を設ける。火を使用する調理室等には原則として換気設備の設置が義務付けられる。シックハウス対策(法28条の2)として、クロルピリホスを添加した建築材料の使用禁止、ホルムアルデヒド発散建築材料の使用面積制限、居室を有する建築物への機械換気設備(住宅等の居室で換気回数0.5回/h以上)の設置が求められる。
居室の天井の高さは2.1m以上とし、一室で天井の高さの異なる部分がある場合はその平均の高さによる(令21条)。木造の最下階の居室の床の高さは、直下の地面からその床の上面まで45cm以上とし、外壁の床下部分には壁の長さ5m以下ごとに面積300平方cm以上の換気孔を設ける(床下をコンクリート等で覆う防湿上有効な措置をした場合は不要・令22条)。住宅の階段(共同住宅の共用階段を除く)は蹴上げ23cm以下、踏面15cm以上、幅75cm以上とし(令23条)、回り階段の踏面は狭い方の端から30cmの位置で測る。高さ4mを超える階段には4m以内ごとに踊場を設け(令24条)、階段には手すりを設けなければならないが、高さ1m以下の部分には適用されない(令25条)。階段に代わる傾斜路の勾配は1/8を超えてはならない(令26条)。このほか、長屋・共同住宅の各戸の界壁は原則として小屋裏又は天井裏に達せしめ遮音性能を確保すること(法30条)、便所には採光・換気のため直接外気に接する窓を設けること(水洗便所でこれに代わる設備をした場合は不要・令28条)も出題される。数値規定は「以上・以下」の向きまで含めた正確な暗記が必須である。
この章の問題から3問
建築物に附属する門及び塀は、建築基準法上の「建築物」である。
正解 ○(正しい)
法2条1号。「建築物」には、土地に定着する工作物のうち屋根及び柱若しくは壁を有するものだけでなく、「これに附属する門若しくは塀」も含まれる。単独で存在する門・塀は建築物ではないが、建築物に附属するものは建築物に該当する点がひっかけどころ。
事務所の用途に供する建築物は、建築基準法上の「特殊建築物」である。
正解 ×(誤り)
法2条2号及び法別表第1。特殊建築物は学校、病院、劇場、百貨店、旅館、共同住宅、工場、倉庫、自動車車庫等であり、事務所は掲げられていない。「事務所・一戸建て住宅は特殊建築物ではない」は最頻出のひっかけである。
防火地域内において、床面積の合計が8㎡の物置を増築する場合は、建築確認を受ける必要はない。
正解 ×(誤り)
法6条2項。増築・改築・移転部分の床面積の合計が10㎡以内なら確認不要とする緩和は「防火地域及び準防火地域外」に限られる。防火地域・準防火地域内では10㎡以内の増築でも建築確認が必要。地域の限定を落とさせるひっかけ。
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本ページの講義ノートと問題は、各試験の出題範囲に基づきAIが作成し、法令・基準に照らして別のAIレンズで敵対的に検証したものです(検証プロセス)。法改正等で誤りが見つかった場合は随時修正します。合格を保証するものではありません。