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建築構造② 構造力学(反力・応力・断面の性質)

反力はつり合い3条件(ΣX=0・ΣY=0・ΣM=0)で機械的に解き、単純梁のPL/4・wL²/8、長方形断面のI=bh³/12・Z=bh²/6、σ=M/Zを即答できる水準に仕上げることが構造力学6問の得点を決める。

二級建築士は建築士法に基づく都道府県知事の免許であり、その学科試験は指定試験機関である公益財団法人建築技術教育普及センターが実施する。試験は「学科I(建築計画)」「学科II(建築法規)」「学科III(建築構造)」「学科IV(建築施工)」の4科目各25問・五肢択一の計100問で構成され、合格には各科目の基準点(例年13点前後・年度により補正あり)と総合点(例年60点前後)の双方を満たす必要がある。学科IIIでは冒頭に構造力学が例年6問程度配置され、出題領域は反力、静定梁・静定ラーメンの応力、断面の性質と応力度、トラス、座屈・たわみなどで長年安定している。本章はその中核をなす反力・応力(断面力)・断面の性質を扱う。構造力学は必要な公式が限られ、出題パターンの再現性が極めて高いため、正しく訓練すれば学科IIIの中で最も確実な得点源に育てられる分野である。

反力算定の出発点は支点の分類である。ローラー支点(移動端)は支持面に垂直な反力1つ、ピン支点(回転端)は鉛直・水平の反力2つ、固定支点(固定端)は鉛直・水平・モーメントの反力3つを生じる。静定構造物は力のつり合い3条件、すなわちΣX=0(水平方向の力の総和)、ΣY=0(鉛直方向の力の総和)、ΣM=0(任意点まわりのモーメントの総和)のみで全反力が決定できる。解法の定石は、まず一方の支点まわりのモーメントのつり合いから他方の支点の鉛直反力を求め、次にΣY=0で残りの鉛直反力、ΣX=0で水平反力を確定する手順である。斜めの荷重は水平・鉛直成分に分解してから扱う。モーメント荷重が作用する単純梁では、鉛直反力が偶力M/L(Lはスパン)として両支点に互いに逆向きに生じ、モーメント荷重の作用位置によらず反力の大きさが変わらない点が頻出のひっかけである。

部材を仮想的に切断したとき切断面に生じる内力を応力(断面力)といい、軸方向力N、せん断力Q、曲げモーメントMの3種がある。頻出の基本公式として、スパンLの単純梁では中央集中荷重PのときMmax=PL/4、全長等分布荷重wのときMmax=wL²/8(いずれも中央)、片持ち梁では先端集中荷重PのときMmax=PL、等分布荷重wのときMmax=wL²/2(いずれも固定端)を即答できるまで暗記する。Q図とM図の間にはdM/dx=Qの微分関係があり、せん断力が零となる位置で曲げモーメントは極値(最大・最小)をとる。さらに、荷重のない区間ではQは一定・Mは直線、等分布荷重の区間ではQは直線・Mは二次曲線(放物線)、集中荷重点ではQが不連続でMは折れ点、モーメント荷重点ではMが不連続となる。Q図からM図を選ばせる図形問題は、この対応関係だけで解けるものが多い。

静定ラーメンでは、梁と同じ手順で反力を求めた後、柱・梁の各部材を順に切断してN・Q・Mを追跡する。曲げモーメント図は部材の引張側に描くのが慣例であり、剛節点では節点まわりのモーメントのつり合いによって各部材端のMが釣り合う。ピン節点や自由端ではM=0となるため、既知の零点から描き始めるのが実戦的である。また、構造物の安定・不安定と静定・不静定を判別する式m=n+s+r−2k(n:反力数、s:部材数、r:剛接合部材数、k:節点数)は、m=0かつ安定で静定、m>0で不静定(mは不静定次数)、m<0で不安定を意味し、学科IIIで単独の出題実績がある論点である。不静定構造はつり合い条件のみでは解けず、変形の適合条件を追加しなければ解けないという性質の理解も、正誤形式の文章題で繰り返し問われている。

断面の性質は、図心を定める断面一次モーメントSと、曲げにくさを表す断面二次モーメントIが軸となる。断面一次モーメントはS=A×y0(A:断面積、y0:基準軸から図心までの距離)で定義され、複合断面の図心位置はy0=ΣS/ΣAで求める。図心を通る軸まわりの断面一次モーメントは零である。幅b・高さhの長方形断面の図心軸まわりの断面二次モーメントはI=bh³/12であり、高さの3乗に比例するため、同じ断面積でも材せいを大きく使うほど曲げに強い。図心を通らない軸まわりのIは平行軸の定理I=I0+Ay²(y:軸間距離)で求め、H形・T形・中空形などの複合断面はこの定理を用いた加減算で計算する。断面係数はZ=I/y(y:図心から縁までの距離)で、長方形断面ではZ=bh²/6、断面二次半径はi=√(I/A)で細長比λ=lk/iの算定に用いる。Iはmm⁴、Zはmm³、iはmmという次元の違いも正誤問題の題材となる。

断面力を断面の性質で除したものが応力度である。軸方向力による垂直応力度はσ=N/A、曲げモーメントによる縁の曲げ応力度はσb=M/Zで、曲げ応力度は中立軸で零・縁で最大の直線分布を示す。せん断応力度τ=QS/(bI)は長方形断面では放物線分布となり、縁で零・中立軸で最大、その最大値は平均せん断応力度Q/Aの1.5倍(τmax=1.5Q/A)である。曲げ応力度と分布の形が逆になる点は頻出である。軸方向力と曲げを同時に受ける柱では、縁応力度をσ=N/A±M/Zの重ね合わせで求め、圧縮縁・引張縁の符号に注意する。これらの応力度計算は、建築基準法施行令第82条の許容応力度計算において、長期・短期の各応力度が同令第3章第8節第3款(第89条〜第94条)に定める材料の許容応力度を超えないことを確認するという構造計算の枠組みの土台であり、力学と法規(学科II)を橋渡しする知識である。

本試験での出題は定型的である。反力ではモーメント荷重や斜め荷重を含む単純梁・張出梁、応力では特定断面のMとQの算定およびQ図とM図の対応を選ばせる図形問題、断面の性質では複数断面のI・Zの大小比較と、σ=M/Zによる曲げ応力度の算定が繰り返し出題されている。数値はSI単位系で、力はkN、モーメントはkN・m、応力度はN/mm²が標準であり、1kN・m=10⁶N・mmの単位換算ミスが計算問題の失点原因の筆頭であるから、数値を代入する前に単位をそろえる習慣を徹底したい。構造力学は学科III(25問)の序盤6問前後を占め、各科目基準点の突破に直結するうえ、ここを短時間で処理できれば残りの文章題に時間を配分できる。試験元の建築技術教育普及センターが公表する過去の試験問題を最低3周し、公式を適用条件(支持条件・荷重の種類と位置)込みで即答できる状態を仕上がりの目安とするとよい。

この章の問題から3問

ローラー支点(移動端)には、支持面に垂直な方向の反力に加えて、水平方向の反力も生じる。

正解 ×(誤り)

誤り。ローラー支点の反力は支持面に垂直な1成分のみである。水平反力も生じるのはピン支点(回転端・反力2つ)、さらにモーメント反力まで生じるのは固定支点(固定端・反力3つ)。支点別の反力数1・2・3は静定判別式m=n+s+r−2kの反力数nを数える基礎であり、支点の種類と反力数を入れ替えるのが定番のひっかけである。

スパンLの単純梁の中央に集中荷重Pが作用するとき、最大曲げモーメントはPL/4であり、その位置はスパン中央である。

正解 ○(正しい)

正しい。対称性から両支点の鉛直反力は各P/2となり、中央断面の曲げモーメントはM=(P/2)×(L/2)=PL/4で、これが最大値である。全長等分布荷重wの場合の最大値wL²/8(中央)との取り違えを狙う出題があるため、荷重の種類と公式を組で覚える。

梁に等分布荷重が作用する区間では、せん断力図は二次曲線となり、曲げモーメント図は直線となる。

正解 ×(誤り)

誤り。次数が逆である。微分関係dQ/dx=−w、dM/dx=Qより、等分布荷重区間ではQは直線(一次)、Mは二次曲線(放物線)となる。荷重のない区間ではQは一定・Mは直線である。Q図とM図の次数関係を入れ替えるのが典型的なひっかけで、Q=0となる位置でMが極値をとることも併せて押さえる。

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本ページの講義ノートと問題は、各試験の出題範囲に基づきAIが作成し、法令・基準に照らして別のAIレンズで敵対的に検証したものです(検証プロセス)。法改正等で誤りが見つかった場合は随時修正します。合格を保証するものではありません。