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商業簿記② 有価証券・固定資産・リース・外貨建取引

有価証券は保有目的4分類と評価差額の行き先、固定資産は200%定率法・圧縮記帳・未決算、リースは利子込み法と利子抜き法(利息は定額配分)、外貨建は貨幣項目のみCR換算——「分類が決まれば処理が決まる」対応関係の正確な暗記が得点の核心である。

企業会計基準第10号「金融商品に関する会計基準」は、有価証券を保有目的により4つに分類し、それぞれ異なる期末評価を定める。売買目的有価証券は時価をもって貸借対照表価額とし、評価差額は当期の損益(有価証券評価損益)として処理する。満期保有目的の債券は取得原価による評価が原則だが、額面金額と取得価額との差額が金利の調整と認められる場合には償却原価法を適用し、2級では定額法により毎期の償却額を有価証券利息に加減する。子会社株式・関連会社株式は時価が把握できる場合でも取得原価をもって貸借対照表価額とする。その他有価証券は時価で評価するが、評価差額は損益とせず、全部純資産直入法により純資産の部に「その他有価証券評価差額金」として計上し、翌期首に振り戻す(洗替方式)。本試験では第1問の仕訳、第2問の一連の取引問題、第3問の決算整理のいずれでも頻出であり、分類と評価差額の行き先の対応を正確に覚えることが不可欠である。

有価証券の取得原価は、購入代価に売買手数料などの付随費用を加算して算定する。同一銘柄を複数回にわたり取得した場合、売却時の帳簿単価は平均原価法(移動平均法または総平均法)で算定する。公社債を利払日以外の日に売買した場合には、直前の利払日の翌日から売買日当日までの経過利息(端数利息)を日割計算し、買主が売主に支払う。買主は支払った端数利息を有価証券利息勘定の借方に記入し、次の利払日に受け取る利息総額と相殺する。売却時には帳簿価額と売却価額との差額を有価証券売却益(損)とするが、売買目的有価証券以外の売却損益は投資有価証券売却益(損)として区別する点も問われる。端数利息の日数は「利払日の翌日から売買日まで」という起算日の指定を問題文で必ず確認すること。統一試験・ネット試験とも第1問の仕訳問題で定番の論点である。

有形固定資産の取得原価は、購入代価に買入手数料・引取運賃・据付費・試運転費などの付随費用を加えた額である。減価償却の方法として2級では定額法・定率法・生産高比例法が出題され、定率法は「200%定率法」すなわち定額法償却率(1÷耐用年数)を2.0倍した償却率を期首帳簿価額(取得原価−減価償却累計額)に乗じて計算するのが標準である。期中に取得・売却した資産の償却費は月割計算する。記帳は減価償却累計額勘定を用いる間接法が中心だが、直接法も出題範囲である。また、固定資産に対する支出のうち資産の価値を高め耐用年数を延長させる部分は資本的支出として取得原価に加算し、現状維持のための部分は収益的支出として修繕費に計上する。資本的支出と収益的支出を混在させた仕訳問題が第1問で繰り返し出題されており、支出額の按分指示の読み取りが正否を分ける。

固定資産を期中に売却した場合は、期首から売却日までの減価償却費を月割計上したうえで、帳簿価額と売却価額との差額を固定資産売却益(損)とする。買換えでは旧資産の売却と新資産の取得を一体として処理し、下取価額を旧資産の売却価額とみなす。除却時は見積処分価値を貯蔵品勘定に振り替え、帳簿価額との差額を固定資産除却損とする。建設中の支払額は建設仮勘定に集計し、完成・引渡時に建物勘定などへ振り替える(建設仮勘定は減価償却を行わない)。火災等で資産が滅失し保険契約を付している場合は、滅失資産の帳簿価額をいったん未決算勘定(火災未決算)に振り替え、保険金額の確定時に差額を保険差益または火災損失として処理する。保険を付していない場合は直ちに火災損失とする。未決算勘定を経由する一連の流れは第1問・第3問の双方で頻出である。

国庫補助金や工事負担金の交付を受けて固定資産を取得した場合、受領時に国庫補助金受贈益(工事負担金受贈益)を計上し、2級では直接減額方式による圧縮記帳を行う。すなわち固定資産圧縮損を計上して帳簿価額を補助金相当額だけ減額し、以後の減価償却は圧縮後の帳簿価額を基礎として計算する(法人税法上の課税の繰延べに対応する処理である)。無形固定資産では、のれんは企業会計基準第21号「企業結合に関する会計基準」により、20年以内のその効果の及ぶ期間にわたり定額法その他の合理的な方法で規則的に償却する。自社利用目的のソフトウェアは、利用による将来の費用削減等が確実な場合に資産計上し、利用可能期間(原則5年以内)にわたり定額法で償却する。制作途中の支出をソフトウェア仮勘定で処理させる出題も近年みられる。無形固定資産の償却は残存価額ゼロ・記帳は直接法による点が有形固定資産との相違である。

リース取引は、解約不能かつフルペイアウトの要件を満たすファイナンス・リース取引と、それ以外のオペレーティング・リース取引に分類される(企業会計基準第13号「リース取引に関する会計基準」)。借手はファイナンス・リースについて売買処理に準じ、リース資産とリース債務を計上する。計上額には、リース料総額をそのまま用いる利子込み法と、利息相当額を控除した見積現金購入価額等で計上する利子抜き法があり、利子抜き法の利息相当額は原則利息法で配分するが、2級では定額法によりリース期間の各期へ均等配分して支払利息とする。所有権移転外ファイナンス・リースの減価償却は、リース期間を耐用年数、残存価額ゼロとして行う。オペレーティング・リースは賃貸借処理により支払リース料を費用計上する。なお2024年9月公表の企業会計基準第34号「リースに関する会計基準」(2027年4月1日以後開始事業年度から強制適用)が控えるが、検定は商工会議所公表の出題区分表に従うため、まず現行処理を確実に習得すべきである。

外貨建取引は、取引発生時の為替相場(HR)による円換算額で記録する(企業会計審議会「外貨建取引等会計処理基準」)。代金決済時には、決済時の相場で換算した額と帳簿価額との差額を為替差損益として処理する。決算時には、外国通貨および売掛金・買掛金などの外貨建金銭債権債務(貨幣項目)を決算時の為替相場(CR)により換算替えし、差額を為替差損益とする。一方、前払金・前受金は金銭の授受により財貨・役務の授受請求権(提供義務)に転化した非貨幣性項目であるため、発生時の相場のまま据え置く。この貨幣・非貨幣の区別が第3問の決算整理で最頻出である。為替予約は2級では振当処理のみが出題され、取引発生時までに予約を付した場合は予約レートで換算して以後換算替えを行わず、取引発生後に付した場合も予約レートで換算替えして差額は当期の為替差損益とする(為替予約差額の期間配分は1級の範囲)。損益計算書上、為替差損益は純額で営業外収益または営業外費用に表示する。

この章の問題から3問

満期保有目的の債券を額面金額より低い価額で取得した場合、取得価額と額面金額との差額が金利の調整と認められるときでも、期末は取得原価のまま評価する。

正解 ×(誤り)

誤り。企業会計基準第10号「金融商品に関する会計基準」16項により、取得差額が金利の調整と認められる場合は償却原価法の適用が強制され、帳簿価額を額面金額に向けて毎期加減する(2級では定額法・相手勘定は有価証券利息)。「満期保有目的=常に取得原価のまま」と覚えていると引っかかる。

子会社株式および関連会社株式は、期末において時価が把握できる場合であっても、原則として取得原価をもって貸借対照表価額とする。

正解 ○(正しい)

正しい。企業会計基準第10号「金融商品に関する会計基準」17項により、子会社株式・関連会社株式は事業投資と同様の性格を持つため取得原価で評価する。「時価が分かるなら時価評価」と考えるのがひっかけで、時価評価するのは売買目的有価証券とその他有価証券である。

オペレーティング・リース取引の借手は、リース物件をリース資産として貸借対照表に計上し、減価償却を行う。

正解 ×(誤り)

誤り。企業会計基準第13号「リース取引に関する会計基準」15項により、オペレーティング・リース取引は通常の賃貸借取引に係る方法に準じて処理し、支払リース料を費用計上するのみで資産計上しない。リース資産・リース債務を計上して減価償却するのはファイナンス・リース取引である。

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本ページの講義ノートと問題は、各試験の出題範囲に基づきAIが作成し、法令・基準に照らして別のAIレンズで敵対的に検証したものです(検証プロセス)。法改正等で誤りが見つかった場合は随時修正します。合格を保証するものではありません。