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管理図と工程能力指数

管理限界線は規格値ではなく工程データから3σ法で定める。X̄-R管理図の限界線(X̿±A₂R̄・D₄R̄)の計算と、Cp=(SU−SL)/6s・かたよりを考慮したCpk・判定基準1.33以上=十分が最重要である。

管理図は、工程が安定した状態(統計的管理状態)にあるかどうかを判定し、工程を維持管理するための手法であり、QC七つ道具の一つに数えられる。工程のばらつきの原因は二つに大別される。一つは、標準どおりに作業しても生じる避けることのできない「偶然原因」によるばらつきであり、もう一つは、設備の故障や作業標準からの逸脱など、原因を突き止めて取り除くべき「異常原因(見逃せない原因)」によるばらつきである。管理図は、時系列に打点した統計量の動きから、この二種類の原因を区別することを目的とする。偶然原因のみでばらついている状態を統計的管理状態(安定状態)といい、この状態にある工程は将来の品質を予測できる。管理図の様式や運用の基本はJIS Z 9020-2(シューハート管理図)に規定されており、QC検定3級ではこの規格に基づく用語と考え方がそのまま出題される。

管理図には、中心線(CL)と、その上下に上側管理限界線(UCL)・下側管理限界線(LCL)が引かれる。シューハート管理図では、管理限界線は打点する統計量の平均から標準偏差の3倍(3σ)離れた位置に設定され、これを3σ法という。工程が管理状態にあれば点が3σの限界線を超える確率は約0.3%ときわめて小さいため、限界線の外に点が出た場合は異常原因があると判断する。ここで注意すべきは二種類の誤りである。工程が管理状態であるのに偶然限界線の外に点が出て異常と誤判定する誤りを第1種の誤り(あわてものの誤り)、異常があるのに点が限界線内に入り見逃す誤りを第2種の誤り(ぼんやりものの誤り)といい、3σ法は両者のバランスをとった経済的な設定とされる。また、工程の解析のために最初に作成するものを解析用管理図、そこで得た管理線を延長して日常管理に用いるものを管理用管理図と呼び、この区別も頻出論点である。

計量値(長さ・質量などの連続量)に対する代表的な管理図がX̄-R管理図である。X̄管理図は群の平均値によって群間の変動(工程平均の変化)を、R管理図は群の範囲によって群内のばらつきの変化を管理する。管理線は群の大きさnに応じた係数を用いて計算する。X̄管理図ではCL=X̿(総平均)、UCL・LCL=X̿±A₂R̄であり、R管理図ではCL=R̄、UCL=D₄R̄、LCL=D₃R̄である。n≦6ではD₃の値が示されず、R管理図のLCLは考えない。係数A₂・D₃・D₄の数値表は試験で与えられるので、式の形を確実に覚えることが重要である。管理図作成の前提となるのが合理的な群分けであり、群内には偶然原因によるばらつきのみが入り、突き止めたい異常原因による変動は群間に現れるようにサンプリングする。このほか計量値には、個々の測定値を用いるX-Rs管理図、メディアンを用いるMe-R管理図がある。

不適合品数や不適合数といった計数値には、データの性質に応じて四種類の管理図を使い分ける。不適合品率を扱うp管理図は群の大きさnが一定でなくても使用でき、管理限界線は群ごとのnに応じて変わる。不適合品数を扱うnp管理図は、nが一定の場合に限って使用できる。この二つは二項分布を前提とする。一方、キズや欠点の数のような不適合数には、一定の大きさの検査単位当たりならc管理図を、検査単位の大きさが一定でない場合は単位当たり不適合数を扱うu管理図を用いる。これらはポアソン分布を前提とする。試験では「不適合品率ならp管理図」「群の大きさが一定の不適合品数ならnp管理図」「単位当たり不適合数ならu管理図」のように、データの種類と管理図の対応関係を問う問題が繰り返し出題されているため、計量値用のX̄-R管理図などとの区別も含めて確実に整理しておく必要がある。

工程が管理状態にあると判定するには、二つの条件を確認する。第一に点が管理限界線の外に出ていないこと、第二に点の並び方にクセがないことである。限界線の内側であっても、並び方に規則性があれば異常と判定する。JIS Z 9020-2には異常判定のためのルールが8つ示されており、代表例として、中心線の同じ側に連続9点が並ぶ「連(れん)」、連続する6点が単調に増加または減少する「傾向(トレンド)」、連続3点中2点が中心線から2σを超えた領域にある場合、点が周期的に変動する場合などがある。逆に、すべての点が管理限界線内で中心線の周りに不規則(ランダム)にばらついているのが正常な姿である。なお、管理限界線と規格限界(公差)はまったく別物である。管理限界線は工程のデータから3σ法で計算されるのに対し、規格限界は顧客要求や設計から与えられるものであり、管理図に規格線を書き入れて合否判定に使うのは誤用である。この区別は3級のひっかけとして頻出である。

工程能力指数は、規格に対して工程のばらつきがどれだけ余裕をもっているかを表す指標である。両側規格の場合、Cp=(SU−SL)/6s(SU:上限規格値、SL:下限規格値、s:標準偏差)で求める。分母の6sは工程の実力(±3s)の幅を表す。工程平均x̄が規格の中心からかたよっている場合は、かたよりを考慮したCpk=min{(SU−x̄)/3s,(x̄−SL)/3s}を用いる。定義上、常にCpk≦Cpが成り立ち、工程平均が規格の中心に一致するときに限り両者は等しくなる。判定基準は、Cp≧1.67で「十分すぎる」、1.67>Cp≧1.33で「十分である」、1.33>Cp≧1.00で「まずまずであるが十分とはいえない」、1.00>Cp≧0.67で「不足している」、0.67>Cpで「非常に不足している」とされる。3級ではCp・Cpkの計算問題と判定基準(特に1.33以上で十分)の知識問題が毎回のように出題される。

この章の問題から3問

X̄-R管理図において、X̄管理図は群間の変動(工程平均の変化)を、R管理図は群内のばらつきの変化を管理するために用いられる。

正解 ○(正しい)

正しい。X̄管理図は群の平均値を打点して工程平均の変化(群間変動)を、R管理図は群の範囲を打点して群内のばらつきの変化を監視する(JIS Z 9020-2のシューハート管理図の基本構成)。ひっかけとして両者の役割を逆にした記述が出題されるので、「X̄=平均の動き」「R=ばらつきの動き」と対応づけて覚える。

np管理図は不適合品数を扱う計数値の管理図であり、群の大きさ(検査個数)が群ごとに異なる場合にも使用できる。

正解 ×(誤り)

誤り。np管理図(二項分布を前提とする不適合品数の管理図)は群の大きさnが一定の場合に限って使用できる(JIS Z 9020-2)。nが群ごとに異なる場合は、不適合品率を扱うp管理図を用いる(このとき管理限界線は群ごとのnに応じて変わる)。「nが一定か否か」がnpとpの使い分けの決め手であり、本問はそこを突いたひっかけである。

工程平均が規格の中心からかたよっている場合に用いる工程能力指数Cpkの値が、かたよりを考慮しないCpの値を上回ることはない。

正解 ○(正しい)

正しい。両側規格でCp=(SU−SL)/6s、Cpk=min{(SU−x̄)/3s,(x̄−SL)/3s}と定義され、常にCpk≦Cpが成り立つ。等号は工程平均x̄が規格の中心に一致する(かたよりゼロの)ときに限る。「かたよりがあるとCpkの方が大きくなる」という逆の記述がひっかけとして出るが、かたよりは工程能力を悪化させる方向にしか働かない。

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本ページの講義ノートと問題は、各試験の出題範囲に基づきAIが作成し、法令・基準に照らして別のAIレンズで敵対的に検証したものです(検証プロセス)。法改正等で誤りが見つかった場合は随時修正します。合格を保証するものではありません。