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児童・家庭福祉と貧困に対する支援(児童福祉法・生活保護法)

児童福祉法は児童=18歳未満・家庭養育優先・一時保護状(2025年施行)を、生活保護法は4原理4原則・8扶助(現物給付原則は医療・介護のみ)・審査請求前置を軸に、条文と改正年をセットで正確に暗記することが合格の核である。

児童福祉法は1947(昭和22)年に制定された児童福祉の基本法である。2016(平成28)年改正により第1条に「児童の権利に関する条約の精神にのっとり」と明記され、児童が適切に養育され、健やかな成長・発達や自立が図られることを保障される権利の主体であることが法律上明確化された。第2条は、児童の最善の利益の優先考慮、児童の意見の尊重、保護者の第一義的責任、国及び地方公共団体の責任を定める。第4条の「児童」は満18歳に満たない者をいい、乳児(満1歳に満たない者)、幼児(満1歳から小学校就学の始期に達するまでの者)、少年(小学校就学の始期から満18歳に達するまでの者)に区分される。一方、母子及び父子並びに寡婦福祉法の「児童」は20歳に満たない者であり、法律ごとの定義の相違は本試験の頻出論点である。2023(令和5)年4月にはこども基本法が施行されるとともにこども家庭庁が発足し、児童福祉行政の司令塔機能が一元化された。

児童福祉の実施体制の中核は児童相談所である。児童相談所は都道府県及び指定都市に設置義務があり(児童福祉法12条)、中核市及び特別区も設置できる。業務は、専門的な知識・技術を要する相談への対応、判定、指導、児童福祉施設入所や里親委託等の措置、一時保護等である。一時保護が2か月を超え、かつ親権者等の同意がない場合には家庭裁判所の承認を要する(2017年改正)。さらに2022(令和4)年改正では一時保護開始時の司法審査が導入され、親権者等の同意がある場合等を除き、児童相談所は事前又は保護開始から7日以内に裁判官へ「一時保護状」を請求することとされた(2025年6月施行)。市町村については、子育て世代包括支援センター(母子保健)と子ども家庭総合支援拠点(児童福祉)を一体化した「こども家庭センター」の設置が努力義務とされ(2024年4月施行)、全ての妊産婦・子育て世帯・こどもに対する一体的な相談支援体制の整備が進められている。

2016年改正で児童福祉法3条の2に家庭養育優先の原則が規定され、国及び地方公共団体は、児童が家庭で健やかに養育されるよう保護者を支援し、それが困難又は適当でない場合は家庭における養育環境と同様の養育環境(養子縁組、里親、小規模住居型児童養育事業=ファミリーホーム)での養育を推進し、施設措置の場合もできる限り良好な家庭的環境で養育されるよう必要な措置を講ずるものとされた。里親は養育里親、専門里親(被虐待児童・非行児童・障害児等を養育)、養子縁組里親、親族里親の4類型である。児童福祉施設は7条に列挙され、助産施設、乳児院、母子生活支援施設、保育所、幼保連携型認定こども園、児童厚生施設、児童養護施設、障害児入所施設、児童発達支援センター、児童心理治療施設、児童自立支援施設、児童家庭支援センターに加え、2022年改正(2024年4月施行)で里親支援センターが追加され13種類となった。児童相談所は行政機関であり児童福祉施設に含まれない点に注意が必要である。

児童虐待の防止等に関する法律(児童虐待防止法)は2000(平成12)年に制定され、保護者による児童虐待を身体的虐待、性的虐待、ネグレクト(養育の怠慢・拒否)、心理的虐待の4類型に定義する(2条)。児童の面前でのDVは心理的虐待に含まれる。通告義務(6条)は全ての国民に課され、2004年改正により「児童虐待を受けたと思われる児童」を発見した場合にも拡大された。通告先は市町村、福祉事務所又は児童相談所であり(児童委員を介することも可)、通告は刑法の秘密漏示罪その他の守秘義務規定に違反しない。安全確認のための出頭要求、立入調査、裁判官の許可状による臨検・捜索(2007年改正)の仕組みも整備されている。2019年改正では親権者等による体罰の禁止が明記され(2020年4月施行)、2022年の民法改正では懲戒権規定が削除された。児童相談所の虐待相談対応件数は増加を続け、内容別では心理的虐待が最多、経路別では警察等からの通告が最多である点も統計問題で問われる。

生活保護法は1950(昭和25)年に制定され、日本国憲法25条の生存権保障を具体化する公的扶助制度の中核である。基本原理は、国家責任の原理(1条)、無差別平等の原理(2条・保護請求権は生活困窮に陥った原因を問わない)、最低生活保障の原理(3条・健康で文化的な生活水準の維持)、保護の補足性の原理(4条)の4つである。補足性の原理では、資産・能力その他あらゆるものの活用が保護の「要件」であるのに対し、扶養義務者の扶養及び他の法律に定める扶助は保護に「優先」するにとどまる、という要件と優先の区別が頻出である。保護実施上の原則は、申請保護の原則(7条・ただし急迫した状況にあるときは職権保護が可能)、基準及び程度の原則(8条・保護基準は厚生労働大臣が定める)、必要即応の原則(9条)、世帯単位の原則(10条・これによりがたいときは個人を単位とする世帯分離が可能)の4つであり、原理・原則と条文の対応を正確に押さえることが得点の前提となる。

扶助は生活扶助、教育扶助、住宅扶助、医療扶助、介護扶助、出産扶助、生業扶助、葬祭扶助の8種類で、要保護者の必要に応じて単給又は併給される(11条)。給付方法は金銭給付が原則であるが、医療扶助(34条)と介護扶助(34条の2)の2つは現物給付を原則とする。教育扶助は義務教育に伴って必要な費用が対象であり、高等学校等就学費は生業扶助から給付される点はひっかけの定番である。保護の実施機関は都道府県知事、市長及び福祉事務所を管理する町村長であり、福祉事務所は都道府県及び市に設置義務、町村は任意設置である。現業を行う所員(現業員)は社会福祉主事でなければならない。処分に不服がある場合は都道府県知事に審査請求し(64条)、その裁決に不服があれば厚生労働大臣に再審査請求できる(66条)。処分取消しの訴えは審査請求の裁決を経た後でなければ提起できない(69条・審査請求前置主義)。動向としては、被保護世帯の半数超を高齢者世帯が占め、その大部分を単身世帯が占めている。

生活保護に至る前の「第2のセーフティネット」として、生活困窮者自立支援法が2013(平成25)年に成立し2015年に施行された。対象は、現に経済的に困窮し、最低限度の生活を維持することができなくなるおそれのある者である。必須事業は自立相談支援事業と住居確保給付金の支給であり、就労準備支援事業、一時生活支援事業、家計改善支援事業、子どもの学習・生活支援事業は任意事業である(2018年改正で就労準備支援事業と家計改善支援事業は実施の努力義務化)。生活保護法側でも、2013年改正で就労自立給付金、2018年改正で大学等進学時の進学準備給付金が創設された。子どもの貧困対策の推進に関する法律(2013年)は2019年改正で市町村計画の策定が努力義務とされ、大綱は2023年閣議決定のこども大綱に一元化された。経済的支援では、ひとり親家庭に対する児童扶養手当のほか、児童手当が2024年10月から所得制限撤廃・高校生年代までの支給拡大・第3子以降月3万円・偶数月の年6回支給へと拡充された。

この章の問題から3問

児童福祉法において「児童」とは、満18歳に満たない者をいう。

正解 ○(正しい)

正しい。児童福祉法4条は児童を「満十八歳に満たない者」と定義し、乳児(1歳未満)・幼児(1歳から小学校就学の始期まで)・少年(就学の始期から18歳まで)に区分する。児童虐待防止法2条も18歳未満で同じだが、母子及び父子並びに寡婦福祉法6条の「児童」は20歳に満たない者である点がひっかけの定番。法律ごとの年齢定義の違いを整理しておくこと。

生活保護法における医療扶助は、金銭給付によって行うことを原則としている。

正解 ×(誤り)

誤り。生活保護法34条1項は「医療扶助は、現物給付によつて行うものとする」と定め、指定医療機関に委託して行う現物給付が原則である。介護扶助(34条の2)も現物給付原則。残る6扶助(生活・教育・住宅・出産・生業・葬祭)は金銭給付が原則(31条〜)。「原則」と「例外」を入れ替えるひっかけが頻出なので、現物給付原則=医療・介護の2つのみと覚える。

児童虐待に係る通告義務は、児童虐待を受けたと「思われる」児童を発見した場合にも課される。

正解 ○(正しい)

正しい。児童虐待防止法6条1項は「児童虐待を受けたと思われる児童を発見した者は、速やかに…通告しなければならない」と定める。2004(平成16)年改正で「受けた児童」から「受けたと思われる児童」に拡大され、確証がなくても通告義務の対象となった。通告先は市町村・福祉事務所・児童相談所で、通告は守秘義務規定に違反しない(6条3項)。「確証がある場合に限る」とするひっかけに注意。

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本ページの講義ノートと問題は、各試験の出題範囲に基づきAIが作成し、法令・基準に照らして別のAIレンズで敵対的に検証したものです(検証プロセス)。法改正等で誤りが見つかった場合は随時修正します。合格を保証するものではありません。