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ソーシャルワークの理論と方法(相談援助の過程・アプローチ)

展開過程は「インテーク→アセスメント→プランニング→介入→モニタリング→評価→終結」の循環として押さえ、各アプローチは提唱者・理論基盤・代表技法の三点セットで対応づけて覚えることが最大の得点源である。

相談援助(ソーシャルワーク)の展開過程は、ケースの発見・アウトリーチに始まり、インテーク(受理面接)、アセスメント(事前評価)、プランニング(支援計画の策定)、インターベンション(支援の実施・介入)、モニタリング(経過観察)、エバリュエーション(事後評価)、ターミネーション(終結)、アフターケア(フォローアップ)へと至る一連の循環的プロセスである。国家試験では各局面の目的と内容を入れ替えた誤答肢が頻出する。インテークの主たる課題は、主訴の把握、機関の機能の説明、援助関係(ラポール)の形成、そして当該機関で対応可能かを判断するスクリーニングであり、対応できない場合には他機関への送致(リファーラル)を行う。また支援は直線的に進むのではなく、モニタリングの結果に応じて再アセスメントへ戻る循環構造をとる点が繰り返し問われている。

アセスメントは、クライエント本人の心身の状況だけでなく、家族・地域・社会資源を含む環境との交互作用に関する情報を収集・分析・統合する局面である。情報源はクライエント本人に限らず家族や関係機関も含まれるが、収集はクライエントの同意と参加を前提とする。情報の視覚化にはマッピング技法が用いられ、ハートマンが考案したエコマップは、クライエントと家族を中心に置き、社会資源との関係の強弱や葛藤を線の種類で図示する。ジェノグラムは三世代以上の家族関係を記号で表した世代関係図であり、両者の混同を狙う出題が定番である。プランニングでは、アセスメントに基づき長期目標と短期目標を設定し具体的な支援内容を選定するが、目標設定はクライエントとの協働で行い、本人の自己決定を尊重することが原則である。到達可能な目標を段階的に設定するという点も繰り返し問われている。

ケースワーク理論の系譜は、リッチモンドの『社会診断』(1917年)に始まる。その後、フロイトの精神分析を基盤に調査・診断・処遇の過程を重視する診断主義(ハミルトン、ホリスら)と、ランクの意志心理学を基盤に機関の機能とクライエント自身の意志による成長を重視する機能主義(タフト、ロビンソン、スモーリーら)が対立した。ホリスの心理社会的アプローチは「状況の中の人(person-in-his-situation)」を中心概念とする。パールマンの問題解決アプローチは両派を折衷し、ケースワークの構成要素として4つのP、すなわち人(Person)・問題(Problem)・場所(Place)・過程(Process)を示した(『ソーシャル・ケースワーク:問題解決の過程』1957年)。パールマンはさらに、クライエントが問題解決に取り組む力をワーカビリティと呼び、問題を扱いやすい単位に分ける部分化の技法を提示した。

課題中心アプローチは、リードとエプスタインが提唱した短期・計画的な援助モデルであり、クライエントが自ら認識し解決を望む問題を対象に、達成可能な課題を設定して期限を区切って取り組む。心理社会的・問題解決・行動変容の各アプローチの影響を受けた折衷的モデルである点が問われる。危機介入アプローチは、リンデマンの悲嘆反応研究やキャプランの予防精神医学を基盤とし、危機状態にある人に対して短期集中的に介入し、少なくとも危機以前の均衡状態への回復を目指すものである。長期的な人格変容を目的としない点がひっかけとして頻出する。行動変容アプローチは、トーマスらが学習理論(レスポンデント条件づけ・オペラント条件づけ)をケースワークに導入したもので、問題行動そのものを標的とし、強化や消去などの技法により行動の変容を図る。原因の深層的解釈を行わない点が特徴である。

エンパワメントアプローチは、ソロモンの『黒人のエンパワメント』(1976年)を起点とし、社会的抑圧により無力化(パワーレスネス)された人々が本来の力を取り戻す過程を支援するものである。ストレングスモデルは、サリービーやラップらにより体系化され、クライエントの病理や欠陥ではなく、強み・能力・意欲・資源に焦点を当てる。ナラティヴアプローチは社会構成主義を理論基盤とし、ホワイトとエプストンが提唱した。問題が染み込んだドミナントストーリーを、問題の外在化などの技法を用いて対話的に書き換え、オルタナティヴストーリー(代替的物語)の生成を支援する。解決志向アプローチは、ド・シェイザーとバーグらが開発したブリーフセラピーに由来し、問題の原因追及ではなく解決像の構築に焦点を当て、ミラクル・クエスチョン、スケーリング・クエスチョン、例外探しの質問などの独自の質問技法を用いる。

援助関係の形成原則としては、バイステックの7原則、すなわち①個別化、②意図的な感情表出、③統制された情緒的関与、④受容、⑤非審判的態度、⑥クライエントの自己決定、⑦秘密保持が出題の定番である。特に「統制された情緒的関与」は、援助者が自らの感情を自覚的にコントロールしてクライエントの感情に適切に反応する原則であり、クライエント側に感情の統制を求めるものではない。「意図的な感情表出」はクライエントが感情(特に否定的感情)を自由に表出できるよう援助者が意図的に働きかける原則であり、この二つの主語の入れ替えが典型的なひっかけである。面接技法では、自由に語ることを促す開かれた質問と事実確認に有効な閉じられた質問の使い分け、言い換え、要約、感情の反映、沈黙の活用が問われる。面接は面接室での構造化面接に限らず、生活場面面接のように日常の場でも行われる。

システム理論に基づく統合化の流れも重要である。ジャーメインとギッターマンは生態学(エコロジー)の視点をソーシャルワークに導入し、『ソーシャルワーク実践の生活モデル』(1980年)において、人と環境との交互作用(トランザクション)の接触面(インターフェース)に介入するエコロジカルアプローチを示した。ピンカスとミナハンは、実践を構成する4つの基本システムとして、①援助者とその所属機関からなるチェンジ・エージェント・システム、②援助を求め契約を結ぶクライエント・システム、③目標達成のために変化させる必要のある対象であるターゲット・システム、④目標達成のために援助者が協働するアクション・システムを提示した。クライエント自身がターゲットになる場合もあれば、家族・組織・制度がターゲットになる場合もあり、クライエント・システムとターゲット・システムは必ずしも一致しない点が問われる。

この章の問題から3問

インテーク(受理面接)では、クライエントの主訴を把握するとともに、当該機関での対応が困難と判断される場合には他機関への紹介(リファーラル)を行う。

正解 ○(正しい)

正しい。インテークの中核業務は、主訴の把握、機関の機能の説明、援助関係(ラポール)の形成、そして当該機関で対応可能かを判断するスクリーニングであり、機関の機能とニーズが合致しない場合はリファーラル(送致)を行う(公式出題基準「ソーシャルワークの過程」インテークの項)。「インテークでは詳細な支援計画まで策定する」とすれば誤りになる点も併せて押さえる。

危機介入アプローチは、危機状態にあるクライエントのパーソナリティの根本的な再構築を長期的な目標とするアプローチである。

正解 ×(誤り)

誤り。危機介入アプローチ(リンデマンの悲嘆反応研究、キャプランの予防精神医学が基盤)は、危機状態にある人へ短期集中的に介入し、少なくとも危機以前の均衡状態への回復を目指すものである。「長期」「人格の根本的再構築」が本肢のひっかけで、これは精神分析を基盤とする長期的処遇(診断主義・心理社会的アプローチの系譜)の説明に近い。

ナラティヴアプローチでは、問題の外在化などの技法を用いて、問題が染み込んだドミナントストーリーからオルタナティヴストーリーへの書き換えを支援する。

正解 ○(正しい)

正しい。ナラティヴアプローチ(ホワイトとエプストンが提唱)は社会構成主義を理論基盤とし、「人が問題なのではなく、問題が問題である」という発想から問題を人格から切り離す外在化の技法を用い、対話を通じてオルタナティヴストーリー(代替的物語)の生成を支援する。理論基盤を「精神分析」や「学習理論」に差し替えた誤答肢が定番なので基盤とセットで覚える。

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本ページの講義ノートと問題は、各試験の出題範囲に基づきAIが作成し、法令・基準に照らして別のAIレンズで敵対的に検証したものです(検証プロセス)。法改正等で誤りが見つかった場合は随時修正します。合格を保証するものではありません。