国民年金法
被保険者3類型の要件対比、免除期間の年金額反映割合(全額免除=2分の1等)、受給資格期間10年、繰上げ0.4%減額・繰下げ75歳まで0.7%増額の最新改正を軸に、独自給付(付加・寡婦・死亡一時金)の要件比較まで固めることが得点の核心である。
国民年金法は昭和34年に制定され、全国民共通の基礎年金を支給する制度の根幹をなす。被保険者は3種類に区分される(法7条)。第1号被保険者は日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の者で第2号・第3号に該当しないもの、第2号被保険者は厚生年金保険の被保険者(65歳以上で老齢年金の受給権を有する者を除く)、第3号被保険者は第2号被保険者の配偶者で主として第2号被保険者の収入により生計を維持する20歳以上60歳未満のもの(原則国内居住要件あり・令和2年4月施行)である。第1号には国籍要件がないが国内居住要件がある点、第2号には年齢・国内居住要件が原則ない点の対比が択一式で繰り返し問われる。
保険料は法87条に定める平成16年改正の保険料水準固定方式により、法定額17,000円に保険料改定率を乗じて決まる。納付期限は翌月末日であり、保険料は2年で時効消滅する(法102条)ため追納・後納の論点と結びつく。免除制度は、法定免除(法89条: 障害基礎年金受給権者・生活保護法の生活扶助受給者等)、申請全額免除(法90条)、4分の3・半額・4分の1免除(法90条の2)、学生納付特例(法90条の3)、納付猶予制度に大別される。免除期間の老齢基礎年金への反映割合(平成21年4月以後は全額免除=2分の1、4分の3免除=8分の5、半額免除=4分の3、4分の1免除=8分の7)は選択式・択一式双方の頻出論点である。追納は10年以内に限り可能(法94条)。
老齢基礎年金(法26条)は、保険料納付済期間と保険料免除期間を合算した期間(合算対象期間を含め)が10年以上ある者に65歳から支給される。受給資格期間は平成29年8月に25年から10年に短縮された点が重要である。年金額は満額(令和期の改定率を乗じた780,900円基準)に、納付済月数と免除月数の反映割合を乗じた月数の合計を480で除して計算する。繰上げ支給は1月につき0.4%減額(令和4年4月以後60歳到達者)、繰下げ支給は1月につき0.7%増額で、繰下げは75歳まで可能となった(令和4年4月施行)。減額率0.5%→0.4%、上限70歳→75歳への改正は最新の頻出改正点である。
障害基礎年金(法30条)は、初診日において被保険者であること等の要件、障害認定日(初診日から1年6月を経過した日又はそれ以前に治った日)において障害等級1級・2級に該当すること、保険料納付要件(初診日の前日において初診日の属する月の前々月までの被保険者期間のうち納付済期間と免除期間が3分の2以上、又は特例として直近1年間に滞納がないこと)を満たすことで支給される。20歳前傷病による障害基礎年金(法30条の4)は本人の保険料負担がないため所得制限がある点が特徴である。2級の額は老齢基礎年金の満額と同額、1級はその100分の125である。子の加算(第1子・第2子は各224,700円×改定率、第3子以降は各74,900円×改定率)も選択式で狙われる。
遺族基礎年金(法37条)は、被保険者又は被保険者であった者が死亡した場合に「子のある配偶者」又は「子」に支給される。平成26年4月から父子家庭にも支給対象が拡大された(「子のある妻」→「子のある配偶者」)ことは必須の改正知識である。子とは18歳到達年度末までにある子、又は20歳未満で障害等級1級・2級の子をいう。死亡者側には障害基礎年金と同様の保険料納付要件が課される。第1号被保険者の独自給付として、付加年金(月額400円の付加保険料納付で200円×納付月数、法43条)、寡婦年金(法49条: 10年以上の納付済・免除期間を有する夫の死亡時に婚姻期間10年以上の妻へ60〜65歳の間支給、額は夫の老齢基礎年金の4分の3)、死亡一時金(法52条の2: 36月以上の納付で120,000円〜320,000円、額の区分は法52条の4)があり、三者の要件比較が択一式の定番である。
国庫負担と財政の枠組みも押さえる。基礎年金の給付費に対する国庫負担は平成21年度以後2分の1に引き上げられ(平成16年改正の到達点)、マクロ経済スライド(法16条の2)により被保険者数の減少と平均余命の伸びを勘案した調整率で年金額の伸びが抑制される。年金額の改定は、新規裁定者は名目手取り賃金変動率、既裁定者は物価変動率を基準とするのが原則である。また、国民年金基金(法115条以下)は第1号被保険者の上乗せ年金であり、加入は口数制・1口目は終身年金であること、付加保険料との重複納付不可が問われる。不服申立ては社会保険審査官への審査請求・社会保険審査会への再審査請求の二審制であり、時効(給付を受ける権利は5年、保険料徴収権は2年)とともに横断整理が有効である。
この章の問題から3問
第3号被保険者は、第2号被保険者の配偶者であって主として第2号被保険者の収入により生計を維持する20歳以上60歳未満の者であり、原則として日本国内に住所を有することが要件とされる。
正解 ○(正しい)
法7条1項3号。令和2年4月施行の改正により第3号被保険者に原則国内居住要件が追加された(海外留学生等の特例あり)。改正前の知識のまま「国内居住要件なし」と誤答させるひっかけに注意。
老齢基礎年金の支給繰上げの減額率は、令和4年4月1日以後に60歳に到達する者について、繰上げ1月につき0.5%である。
正解 ×(誤り)
誤り。老齢基礎年金の支給繰上げは国民年金法附則9条の2に定めがあり、繰り上げた場合の年金額は「政令で定める額」を減じるものとされ、具体的な減額率は同条の委任を受けた国民年金法施行令12条が定めている。令和2年年金制度改正に伴う政令改正により、この減額率は繰上げ1月につき0.5%から0.4%に引き下げられ、令和4年4月1日以後に60歳に到達する者(昭和37年4月2日以後生まれ)に適用される。したがって0.4%が正しく、0.5%は改正前(昭和37年4月1日以前生まれに引き続き適用される)の率であり、旧法令知識を突くひっかけである。
平成21年4月以後の保険料全額免除期間は、老齢基礎年金の年金額の計算において、その月数の3分の1に相当する月数が反映される。
正解 ×(誤り)
法27条。国庫負担が2分の1に引き上げられた平成21年4月以後の全額免除期間は「2分の1」が反映される。3分の1は平成21年3月以前(国庫負担3分の1時代)の割合であり、時期の入れ替えによるひっかけ。
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本ページの講義ノートと問題は、各試験の出題範囲に基づきAIが作成し、法令・基準に照らして別のAIレンズで敵対的に検証したものです(検証プロセス)。法改正等で誤りが見つかった場合は随時修正します。合格を保証するものではありません。