Ukaru.資格試験オンライン講座

厚生年金保険法・社会保険一般常識

厚生年金は「老齢厚生年金の支給要件・在職老齢年金(支給停止調整額50万円)・遺族の範囲と順位」が得点の核であり、社一は保険者・被保険者年齢要件の横断整理と直近改正(在職定時改定・繰下げ75歳上限)で基準点を確保する。

厚生年金保険法の適用から確認する。適用事業所は、法人の事業所(常時1人以上使用)および常時5人以上の従業員を使用する法定17業種(令和4年10月に弁護士・税理士・社会保険労務士等の士業を追加)の個人事業所が強制適用となる(厚年法6条)。被保険者は適用事業所に使用される70歳未満の者であり(同9条)、資格取得は使用された日、資格喪失は原則として退職日等の翌日である(同13条・14条)。短時間労働者への適用拡大は頻出で、週所定労働時間20時間以上、月額賃金8.8万円以上、学生でないこと等の要件を満たせば、特定適用事業所(令和6年10月から企業規模51人以上)で被保険者となる。任意単独被保険者・高齢任意加入被保険者(70歳以上で受給資格期間を満たさない者)の制度も択一式で問われるため、事業主同意の要否(高齢任意加入では保険料半額負担の同意が任意)まで整理しておく。

保険給付の中核は老齢厚生年金である。支給要件は、老齢基礎年金の受給資格期間(10年)を満たし、厚生年金の被保険者期間が1月以上あること(65歳からの本来支給、厚年法42条)。60歳台前半の特別支給の老齢厚生年金は被保険者期間1年以上が必要で、支給開始年齢は生年月日に応じ段階的に引上げられ、男性は昭和36年4月2日以後生まれ、女性は昭和41年4月2日以後生まれで完全に廃止される。年金額は報酬比例部分(平均標準報酬額×5.481/1000×被保険者期間月数、平成15年4月以後)に経過的加算と加給年金額を加えて算定する。加給年金額は被保険者期間240月以上の者に生計維持する65歳未満の配偶者等がある場合に加算される点が選択式の定番である。

在職老齢年金と繰上げ・繰下げも毎年のように出題される。在職老齢年金は、総報酬月額相当額と基本月額の合計が支給停止調整額(令和6年度50万円)を超えると、超えた額の2分の1相当の年金が支給停止される(厚年法46条)。令和4年4月改正で60歳台前半も同一基準に統一された点、在職定時改定(65歳以上70歳未満の在職者につき毎年9月1日を基準日として10月分から改定)の導入は改正論点として最重要である。繰上げは1月につき0.4%減額(昭和37年4月2日以後生まれ)、繰下げは1月につき0.7%増額で上限75歳(増額率最大84%)。繰下げは老齢基礎年金と別々に行えるが、繰上げは同時に行わなければならない点がひっかけとして問われる。

障害厚生年金・遺族厚生年金では国民年金との差異を軸に整理する。障害厚生年金は初診日に被保険者であることを要し、1級・2級に加えて3級および障害手当金(一時金)がある点が国民年金と異なる。2級以上には配偶者加給年金額が加算される。遺族厚生年金の遺族の範囲は、配偶者・子・父母・孫・祖父母(この順位)で、夫・父母・祖父母は55歳以上(支給開始は60歳)、妻には年齢要件がないが、夫死亡時30歳未満で子のない妻は5年の有期給付となる(厚年法63条)。中高齢寡婦加算(夫死亡時40歳以上65歳未満の子のない妻等)、短期要件・長期要件の区別(短期要件は300月みなし)も択一式頻出である。

保険料と標準報酬を押さえる。保険料率は平成29年9月以降18.3%で固定(坑内員・船員も統一済)、労使折半負担である。標準報酬月額は第1級8.8万円から第32級65万円までの等級区分で、定時決定(4・5・6月の報酬月額を7月1日現在で決定、9月から翌年8月まで適用)、随時改定(固定的賃金の変動+2等級以上の差+継続3月)、育児休業等終了時改定の要件の違いが問われる。産前産後休業・育児休業期間中の保険料は事業主の申出により本人・事業主とも免除され、免除期間は保険給付上は保険料を納めた期間として扱われる。賞与には標準賞与額(1月につき150万円上限)として同率の保険料が課される。

社会保険に関する一般常識(社一)は、国民健康保険法・高齢者医療確保法・介護保険法・確定拠出年金法等の横断理解が問われる。国民健康保険は都道府県が市町村とともに保険者となり(平成30年度から都道府県単位化)、後期高齢者医療制度は75歳以上(一定の障害があれば65歳以上)を被保険者とし、運営主体は都道府県ごとの後期高齢者医療広域連合である。介護保険の保険者は市町村および特別区で、第1号被保険者は65歳以上、第2号被保険者は40歳以上65歳未満の医療保険加入者。要介護認定は市町村の介護認定審査会の審査判定に基づく。確定拠出年金(DC)は拠出時非課税・iDeCoの加入可能年齢引上げ(65歳未満)等の改正が出題されやすい。

社一では社会保険労務士法と船員保険法・児童手当法等の周辺法令、および白書・統計も対象となる。社労士法では、1号業務(申請書等の作成・提出代行)・2号業務(帳簿書類の作成)は社労士の独占業務、3号業務(相談・指導)は非独占である点、開業社労士の懲戒(失格処分を含む3種)、社労士となる資格(試験合格+2年以上の実務経験または事務指定講習)が選択式で問われてきた。また、厚生労働白書・年金制度の財政検証(おおむね5年ごと)・マクロ経済スライド(平成16年改正で導入、令和7年度も発動)といった時事・数字は選択式の失点源であり、公的年金被保険者数(約6,700万人規模)等の桁感覚を持っておくことが基準点確保に直結する。

この章の問題から3問

厚生年金保険の被保険者資格は、適用事業所に使用される75歳未満の者が有する。

正解 ×(誤り)

誤り。厚生年金保険の被保険者は適用事業所に使用される「70歳未満」の者である(厚年法9条)。75歳は後期高齢者医療制度の被保険者年齢との混同を誘うひっかけ。

老齢厚生年金の繰下げ支給の申出は、老齢基礎年金の繰下げと同時に行う必要はなく、それぞれ別々に行うことができる。

正解 ○(正しい)

正しい。繰下げ(厚年法44条の3)は老齢基礎年金と別々に行える。他方、繰上げは老齢基礎年金と同時に請求しなければならない点との対比がひっかけの定番。

遺族厚生年金において、被保険者の死亡当時30歳未満であって子のない妻に対する遺族厚生年金は、5年間の有期給付となる。

正解 ○(正しい)

正しい。厚年法63条1項5号イにより、夫死亡時30歳未満で遺族基礎年金の受給権を有しない(子のない)妻の遺族厚生年金は受給権取得から5年で失権する。

この章の残り12問を解く

登録不要 ・ 採点と解説はその場 ・ 進捗は端末に保存

社会保険労務士の他の章

本ページの講義ノートと問題は、各試験の出題範囲に基づきAIが作成し、法令・基準に照らして別のAIレンズで敵対的に検証したものです(検証プロセス)。法改正等で誤りが見つかった場合は随時修正します。合格を保証するものではありません。