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企業経営理論

企業経営理論は戦略(アンゾフ・PPM・ポーター・VRIO)、組織(構造・コンティンジェンシー・モチベーション)、マーケティング(STP・4P・サービス4特性)の三本柱で、理論の提唱者と概念の正確な対応づけが得点を決める。

企業経営理論は経営戦略論・組織論・マーケティング論の3分野から構成され、1次試験7科目の中核をなす。経営戦略論ではまず全社戦略のフレームワークとしてアンゾフの成長ベクトル(製品×市場マトリックス)が頻出である。既存製品×既存市場=市場浸透、既存製品×新市場=市場開拓、新製品×既存市場=製品開発、新製品×新市場=多角化の4象限を確実に区別すること。多角化の動機としては未利用資源の活用、リスク分散、シナジー(相乗効果)の追求が挙げられ、ペンローズの企業成長論やルメルトの多角化類型(関連多角化は非関連多角化より収益性が高い傾向)も出題実績がある。また、PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)は市場成長率と相対的市場占有率の2軸で事業を「花形」「金のなる木」「問題児」「負け犬」に分類し、資金の源泉は金のなる木、投資先は問題児・花形という資金配分の論理を問う設問が繰り返し出題されている。

競争戦略論ではポーターの理論体系が最重要である。5つの競争要因(ファイブ・フォース)は「既存業者間の敵対関係」「新規参入の脅威」「代替品の脅威」「買い手の交渉力」「売り手の交渉力」であり、業界の構造的収益性を規定する。3つの基本戦略はコスト・リーダーシップ、差別化、集中(コスト集中・差別化集中)であり、中途半端な戦略(スタック・イン・ザ・ミドル)は低収益に陥るとされる。これに対抗する資源ベース理論(RBV)ではバーニーのVRIOフレームワーク(経済価値・希少性・模倣困難性・組織)が持続的競争優位の源泉を企業内部の経営資源に求める。模倣困難性の要因として経路依存性、因果曖昧性、社会的複雑性が挙げられる点まで問われる。競争地位別戦略(コトラー)のリーダー・チャレンジャー・フォロワー・ニッチャーの定石(リーダーは全方位・同質化、チャレンジャーは差別化)も頻出である。

組織論では、まずバーナードの組織成立の3要素「共通目的・貢献意欲・コミュニケーション」が基本である。組織構造論では、機能別組織(専門化の利益・部門間調整の負担)、事業部制組織(利益責任の明確化・資源の重複)、マトリックス組織(ワンマン・ツーボスによる命令一元性の放棄)の長所短所の比較が定番の出題形式となる。コンティンジェンシー理論では、バーンズ=ストーカーの機械的組織と有機的組織(安定環境には機械的、不確実環境には有機的が適合)、ローレンス=ローシュの分化と統合の研究が出題される。また、組織学習論ではアージリスのシングルループ学習(既存の枠組み内の修正)とダブルループ学習(前提となる価値・規範自体の変革)の区別、組織文化論やチャンドラーの「組織は戦略に従う」とアンゾフの「戦略は組織に従う」の対比も押さえるべき論点である。

モチベーション理論・リーダーシップ論も毎年出題される。マズローの欲求段階説(生理的→安全→社会的→承認→自己実現の5段階)、ハーズバーグの二要因理論(動機づけ要因=達成・承認・仕事そのもの/衛生要因=給与・作業条件・対人関係。衛生要因の充足は不満を防ぐが満足をもたらさない)、マクレガーのX理論・Y理論、ブルームの期待理論(動機づけ=期待×誘意性)を正確に区別すること。リーダーシップ論では、オハイオ研究の「構造づくり」と「配慮」、三隅二不二のPM理論、フィードラーの条件適合理論(状況好意性により課題志向型と人間関係志向型の有効性が変わる)、ハーシー=ブランチャードのSL理論(部下の成熟度に応じた指示的・説得的・参加的・委任的リーダーシップ)、さらに変革型リーダーシップとサーバント・リーダーシップまで出題範囲が広がっている。

人的資源管理と労働関連法規も本科目の出題範囲である。労働基準法では法定労働時間(1週40時間・1日8時間、同法32条)、時間外労働をさせるための36協定(同法36条)と時間外労働の上限規制(原則月45時間・年360時間、働き方改革関連法による罰則付き上限)、年次有給休暇の年5日確実取得義務(同法39条)が問われる。労働契約法では安全配慮義務(同法5条)や無期転換ルール(同法18条、通算5年超で無期転換申込権)が重要である。また、高年齢者雇用安定法の65歳までの雇用確保義務と70歳までの就業確保の努力義務、育児・介護休業法の産後パパ育休(出生時育児休業)など、直近の法改正を反映した出題が続いている点に注意が必要である。

マーケティング論では、まずSTP(セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニング)とマーケティング・ミックス(4P:製品・価格・チャネル・プロモーション)の体系を押さえる。製品論では製品ライフサイクル(導入期・成長期・成熟期・衰退期)各段階の戦略、ブランド論ではブランド拡張・ライン拡張やブランド・エクイティ(アーカー)が頻出である。価格論では、慣習価格・端数価格・威光価格(名声価格)などの心理的価格設定、新製品の上澄み吸収価格(スキミング)と市場浸透価格(ペネトレーション)の使い分け、キャプティブ価格(本体を安く消耗品で回収)が問われる。チャネル論では開放的・選択的・排他的チャネル政策の区別、プロモーション論ではプッシュ戦略とプル戦略の対比が定番である。

消費者行動論とサービス・マーケティング、関係性マーケティングも近年出題が増えている。消費者の購買意思決定プロセス(問題認識→情報探索→代替案評価→購買決定→購買後評価)、認知的不協和(購買後の心理的緊張を低減するため自己の選択を正当化する情報を求める)、関与水準と購買行動類型が問われる。サービスの4特性は無形性・不可分性(生産と消費の同時性)・変動性(品質の非均一性)・消滅性(在庫不可能性)であり、これに対応するサービス品質評価モデルSERVQUALやサービス・プロフィット・チェーンも出題実績がある。関係性マーケティングでは顧客生涯価値(LTV)の最大化、CRM、顧客満足と顧客ロイヤルティの関係が中心論点であり、2次試験(事例II)にも直結するため確実な理解が求められる。

この章の問題から3問

アンゾフの成長ベクトルにおいて、既存製品を新しい市場に投入する戦略は「製品開発戦略」と呼ばれる。

正解 ×(誤り)

既存製品×新市場は「市場開拓戦略」である。「製品開発戦略」は新製品×既存市場の組み合わせ。アンゾフの製品×市場マトリックスの4象限(市場浸透・市場開拓・製品開発・多角化)の軸の取り違えを狙ったひっかけである。

ハーズバーグの二要因理論によれば、給与や作業条件などの衛生要因を充実させれば、従業員の職務不満は解消され、さらに職務満足も高まる。

正解 ×(誤り)

衛生要因(給与・作業条件・対人関係等)の充足は不満を防ぐだけで、満足をもたらすのは達成・承認・仕事そのものなどの動機づけ要因である。二要因理論では満足と不満は別次元とされる点がひっかけ。

PPMにおいて「金のなる木」に分類される事業は、相対的市場占有率が高く市場成長率が低いため、必要投資額が少なく、他事業への資金の供給源となる。

正解 ○(正しい)

正しい。金のなる木は高シェア×低成長であり、経験曲線効果によりコスト優位で資金流入が大きい一方、市場成長率が低く追加投資の必要が小さいため、資金の源泉として問題児・花形へ資金を配分する。

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本ページの講義ノートと問題は、各試験の出題範囲に基づきAIが作成し、法令・基準に照らして別のAIレンズで敵対的に検証したものです(検証プロセス)。法改正等で誤りが見つかった場合は随時修正します。合格を保証するものではありません。