経営法務・経営情報システム
経営法務は会社法(決議要件・機関設計)と知財4法の存続期間(特許20年・実用新案10年・意匠25年・商標10年更新可)、情報システムは稼働率計算とCIA・暗号方式が最頻出であり、両科目とも40%足切り回避を最低ラインに設計する。
経営法務の中核は会社法である。株式会社の機関設計では、取締役会設置会社は監査役等の設置義務(会社法327条)、公開会社は取締役会の設置義務を負う点が頻出である。株主総会の決議要件は、普通決議(定足数=議決権の過半数出席・出席議決権の過半数、会社法309条1項)、特別決議(出席議決権の3分の2以上、同条2項。定款変更・合併・事業譲渡等)、特殊決議(同条3項・4項)の区別が問われる。また取締役の任期は原則2年(監査役は4年)だが、非公開会社は定款で最長10年まで伸長可能(332条2項・336条2項)である。組織再編では、合併・会社分割・株式交換・株式移転・株式交付の効果と債権者保護手続(官報公告+個別催告)、および簡易組織再編・略式組織再編の要件を整理しておく必要がある。
知的財産権は毎年複数問出題される最重要分野である。特許権(出願から20年、特許法67条)、実用新案権(出願から10年・無審査登録)、意匠権(出願から25年、令和元年改正で延長)、商標権(登録から10年・更新可)の存続期間の起算点と年数の対比が定番である。特許の要件は産業上利用可能性・新規性・進歩性(特許法29条)であり、新規性喪失の例外(30条)は公知日から1年以内の出願が要件となる。職務発明(35条)は権利の原始的使用者帰属を契約・勤務規則等で定められ、従業者は相当の利益を受ける。著作権は創作と同時に発生(無方式主義)し、保護期間は原則著作者の死後70年(TPP整備法による改正)である。不正競争防止法では営業秘密の3要件(秘密管理性・有用性・非公知性、2条6項)が頻出である。
民法・契約法務では、平成29年改正民法(債権法改正、2020年4月施行)の論点が中心である。消滅時効は「権利を行使できることを知った時から5年・行使できる時から10年」(民法166条)に統一され、瑕疵担保責任は「契約不適合責任」(562条以下)に再構成された。買主の救済手段は追完請求・代金減額請求・損害賠償・解除の4つであり、種類・品質の不適合は不適合を知った時から1年以内の通知が必要(566条)である。保証では、事業用融資の第三者個人保証に公正証書による保証意思の確認が必要(465条の6)、個人根保証契約には極度額の定めが必須(465条の2)となった点が問われる。加えて、令和3年改正民法による所有者不明土地関連(相隣関係・共有)や、相続分野では遺留分侵害額請求(金銭債権化)も出題実績がある。
経営情報システムの基礎技術分野では、コンピュータの構成要素(CPU・主記憶・キャッシュメモリの階層)、ファイルとデータベースが問われる。RDBMSでは正規化(第1〜第3正規形)、SQL(SELECT文のGROUP BY・HAVING・結合)、ACID特性(原子性・一貫性・独立性・耐久性)が定番である。トランザクション管理の排他制御やインデックスの目的も出題される。近年はNoSQL(キーバリュー型等)、データウェアハウスとデータレイクの違い、機械学習(教師あり・教師なし・強化学習の区別)や生成AIといった新技術の基礎概念も問われるため、用語の定義を正確に押さえることが得点の鍵である。
ネットワークとセキュリティも毎年出題される。TCP/IPの階層モデル、IPアドレス(グローバル/プライベート、DHCPによる動的割当、DNSによる名前解決)、通信プロトコル(HTTP/HTTPS・SMTP・POP3/IMAP・FTP)の役割の対比が基本である。セキュリティでは、共通鍵暗号と公開鍵暗号の鍵管理の違い、デジタル署名(送信者の秘密鍵で署名し受信者が公開鍵で検証)、SSL/TLS、ファイアウォール・IDS/IPS・WAFの防御対象の違いが頻出である。情報セキュリティマネジメントの3要素は機密性・完全性・可用性(CIA)であり、ISMS(JIS Q 27001)やリスク対応(回避・低減・移転・保有)の枠組みも問われる。標的型攻撃・ランサムウェア・フィッシング等の攻撃手法の名称と手口の対応も整理しておく。
システム開発とIT経営では、開発方法論(ウォーターフォール型とアジャイル開発の対比、スクラムの役割・イベント)、外部設計と内部設計の区別、テスト工程(単体→結合→システム→受入)の順序が問われる。見積り手法ではファンクションポイント法(機能量から規模を見積る)が定番である。ITサービスマネジメントではSLA(サービスレベル合意書)、ITILの用語、システムの信頼性評価では稼働率の計算(直列=積、並列=1−(1−a)(1−b))、MTBF・MTTRから稼働率=MTBF÷(MTBF+MTTR)を導く計算問題が出題される。クラウドの提供形態(SaaS・PaaS・IaaSの責任分界)、ERP・EDIの概念、個人情報保護法(令和2年改正の漏えい報告義務化等)やIT関連のガイドラインも横断的に問われる。
両科目とも足切り(40%未満)の回避が現実的な戦略目標となる。経営法務は会社法(機関設計・株主総会決議)と知的財産権(存続期間・要件)の2本柱で全体の過半を占めるため、ここを確実に取れば40%は下回らない。経営情報システムは用語問題が大半で、稼働率計算・正規化・暗号方式など「解ければ確実に取れる」型問題を落とさないことが重要である。過去問の頻出論点は繰り返し出題される傾向が強く、直近改正(民法債権法改正・意匠法の保護期間延長・個人情報保護法改正)は改正直後数年間に集中的に問われるため、改正点は原則と対比して記憶するのが効率的である。
この章の問題から3問
意匠権の存続期間は、意匠登録出願の日から25年をもって終了する。
正解 ○(正しい)
正しい。令和元年改正意匠法21条により、存続期間は「登録日から20年」から「出願日から25年」に変更された。起算点が登録日ではなく出願日である点がひっかけどころ。
株式会社の定款変更は、株主総会の普通決議によって行うことができる。
正解 ×(誤り)
誤り。定款変更は株主総会の特別決議事項である(会社法466条・309条2項)。出席株主の議決権の3分の2以上の賛成が必要。普通決議で足りるのは役員の選任・剰余金配当(原則)など。
公開鍵暗号方式でデジタル署名を行う場合、送信者は自身の公開鍵でメッセージダイジェストを暗号化する。
正解 ×(誤り)
誤り。デジタル署名では送信者が自身の「秘密鍵」で署名(暗号化)し、受信者が送信者の「公開鍵」で検証する。公開鍵で暗号化するのは機密性確保のための通常の暗号化(受信者の公開鍵を使用)であり、署名と混同させるひっかけ。
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本ページの講義ノートと問題は、各試験の出題範囲に基づきAIが作成し、法令・基準に照らして別のAIレンズで敵対的に検証したものです(検証プロセス)。法改正等で誤りが見つかった場合は随時修正します。合格を保証するものではありません。