課税標準と税率
課税標準は『税抜きの対価の額』であり、税率は標準10%(消費税7.8+地方2.2)・軽減8%(消費税6.24+地方1.76)、軽減対象は『酒類・外食を除く飲食料品』と『定期購読契約に基づき週2回以上発行の新聞』の2つだけ。
課税標準とは「税額計算の基礎となる金額」のことです。消費税では、課税資産の譲渡等に係る課税標準は『課税資産の譲渡等の対価の額』とされます(消費税法28条1項)。ここでいう対価の額とは、対価として収受し、又は収受すべき一切の金銭・物・権利・経済的利益の額を指し、重要なのは『消費税額および地方消費税額に相当する額を含まない(税抜きの金額)』という点です。つまり税込110円の商品なら、課税標準は100円になります。未収でも『収受すべき』ものは含まれ、物々交換や代物弁済の場合は受け取った物の時価で評価します。
税率は2種類あります。標準税率10%と軽減税率8%です。それぞれ国に納める『消費税(国税)』と地方に納める『地方消費税』に分かれており、内訳の暗記が必須です。標準税率10%=消費税7.8%+地方消費税2.2%、軽減税率8%=消費税6.24%+地方消費税1.76%です。地方消費税は『国税の消費税額×22/78』で計算される点も押さえます。なお2019年9月以前の旧税率8%(6.3+1.7)とは内訳が異なるため、過年度取引を扱う際は注意します。
軽減税率8%の対象は2つだけです。第一は『酒類・外食を除く飲食料品』(食品表示法上の食品の譲渡)、第二は『定期購読契約に基づき週2回以上発行される新聞』です。判定で頻出なのが外食とテイクアウトの区別で、店内飲食(イートイン・ケータリング)は外食として標準税率10%、持ち帰り(テイクアウト)は飲食料品の譲渡として軽減税率8%になります。判定は『飲食料品を提供する時点』で顧客の意思を確認して行います。医薬品・医薬部外品、ペットフード、酒類は飲食料品から除かれ標準税率です。
課税標準には特例(みなし譲渡・低額譲渡)があります。①個人事業者の家事消費、②法人による役員への資産の贈与は『みなし譲渡』(4条5項)とされ、対価がゼロでも譲渡時の時価で課税されます(課税標準は28条3項)。③法人が役員へ著しく低い対価(おおむね時価の50%未満)で資産を譲渡した場合は、実際の対価ではなく時価を課税標準とみなします(28条1項ただし書)。ただし棚卸資産については、仕入価額以上かつ通常販売価額のおおむね50%以上で譲渡していれば『著しく低い』とはしない軽減取扱いがあります。低額譲渡の特例は『役員に対するもの』に限られる点が試験での落とし穴です。
申告書上の『課税標準額に対する消費税額』の計算では、まず税率の異なるごとに区分した課税標準額(税込売上を割戻して算出)の合計の1,000円未満を切り捨て、それに国税率(7.8%または6.24%)を乗じます。税込売上から課税標準を求める割戻し計算は、標準税率なら×100/110、軽減税率なら×100/108です。計算問題では『税抜きへの割戻し』『1,000円未満切捨て』『税率の取り違え防止』が得点の分かれ目になります。
この章の問題から3問
国内取引(標準税率の課税資産の譲渡等)に係る消費税の課税標準は、原則として次のうちどれか。
- 課税資産の譲渡等の対価の額(消費税および地方消費税に相当する額を含まない税抜の金額)
- 課税資産の譲渡等の対価の額に消費税および地方消費税を加算した金額
- 課税仕入れに係る支払対価の額
- 資産の時価
- 課税資産の譲渡等の対価の額(消費税および地方消費税に相当する額を含む税込金額)
正解 課税資産の譲渡等の対価の額(消費税および地方消費税に相当する額を含まない税抜の金額)
消費税法28条1項により、課税資産の譲渡等の課税標準は「対価の額(対価として収受し、又は収受すべき一切の金銭等の額)」であり、この対価の額には課税資産の譲渡等につき課されるべき消費税額および地方消費税額に相当する額を含まない(税抜の金額)。選択肢5は税込なので誤り。
標準税率10%は、消費税(国税)7.8%と地方消費税2.2%から構成される。
正解 ○(正しい)
標準税率10%は、国税の消費税率7.8%と地方消費税率2.2%(消費税額の78分の22)の合計で構成される。軽減税率8%は消費税6.24%+地方消費税1.76%。
軽減税率8%の適用対象として、現行法上正しいものはどれか。
- すべての飲食料品(外食・酒類を含む)
- 酒類および外食を除く飲食料品、並びに定期購読契約に基づき週2回以上発行される新聞
- 新築住宅の譲渡
- 通信販売による家電製品
- 医薬品および医薬部外品
正解 酒類および外食を除く飲食料品、並びに定期購読契約に基づき週2回以上発行される新聞
軽減税率(8%)の対象は、(1)飲食料品(酒類・外食・ケータリング等を除く食品表示法上の食品)と、(2)定期購読契約に基づき週2回以上発行される新聞。医薬品・医薬部外品は飲食料品に含まれず対象外。
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本ページの講義ノートと問題は、各試験の出題範囲に基づきAIが作成し、法令・基準に照らして別のAIレンズで敵対的に検証したものです(検証プロセス)。法改正等で誤りが見つかった場合は随時修正します。合格を保証するものではありません。