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会社法・商業登記法

会社法の実体規定(機関設計・決議要件・任期・債権者異議)と商業登記の手続(登記期間2週間・添付書面・株主リスト)を対で記憶することが、択一と記述の双方を貫く本章攻略の核心である。

株式会社の設立は、司法書士試験で択一・記述の双方に頻出する基幹論点である。設立には発起設立と募集設立の二方式があり(会社法25条1項)、いずれも発起人は設立時発行株式を1株以上引き受けなければならない(同条2項)。定款は公証人の認証を受けなければ効力を生じない(会社法30条1項)。変態設立事項(現物出資・財産引受け・発起人の報酬・設立費用、会社法28条)は原則として検査役の調査を要するが、少額(500万円以下)・市場価格ある有価証券・弁護士等の証明がある場合は調査が不要となる(会社法33条10項)。設立登記は本店所在地において2週間以内に申請し(会社法911条1項)、会社は設立登記により成立する(会社法49条)。商業登記法上、設立登記の添付書面(定款・払込みを証する書面・設立時取締役の就任承諾書等、商業登記法47条)まで問われるのが本試験の特徴である。

株式に関しては、株式の内容と種類株式(会社法107条・108条)、譲渡制限株式の譲渡承認手続(会社法136条以下)、自己株式の取得規制(会社法155条以下)が主要論点である。譲渡制限株式の譲渡承認請求に対し、会社が請求日から2週間以内に承認・不承認の通知をしないときは承認したものとみなされる(会社法145条1号)。また、株主総会に関しては、招集通知の発送期限(公開会社は2週間前、非公開会社は原則1週間前、会社法299条1項)、普通決議(会社法309条1項)・特別決議(同条2項)・特殊決議(同条3項・4項)の決議要件の区別が択一の定番である。定款変更・事業譲渡・解散等は特別決議事項であることを正確に押さえる。

機関設計は最頻出領域である。すべての株式会社は株主総会と取締役を置かなければならず(会社法295条・326条1項)、公開会社は取締役会の設置が義務付けられる(会社法327条1項1号)。取締役会設置会社では取締役は3人以上を要し(会社法331条5項)、監査役会設置会社では監査役は3人以上で、かつその半数以上は社外監査役でなければならない(会社法335条3項)。取締役の任期は原則2年(選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結時まで、会社法332条1項)、監査役は原則4年(会社法336条1項)であり、非公開会社(監査等委員会設置会社・指名委員会等設置会社を除く)は定款で取締役・監査役の任期を10年まで伸長できる(会社法332条2項・336条2項)。役員変更登記は記述式の中核であり、就任・退任・重任の登記原因と添付書面(就任承諾書・本人確認証明書・印鑑証明書の要否)の判断が合否を分ける。

募集株式の発行等(会社法199条以下)と新株予約権は、択一・記述の双方で問われる。非公開会社では募集事項の決定は原則として株主総会の特別決議によるが(会社法199条2項・309条2項5号)、公開会社では原則取締役会決議で足りる(会社法201条1項)。ただし公開会社でも有利発行の場合は株主総会の特別決議を要する(会社法201条1項・199条3項)。変更登記は効力発生から2週間以内に申請し(会社法915条1項)、資本金の額の変更を伴う場合は「資本金の額が会社法及び会社計算規則の規定に従って計上されたことを証する書面」の添付を要する(商業登記規則61条9項参照)。また、資本金の額の減少には原則として株主総会の特別決議と債権者異議手続(会社法449条、官報公告+知れている債権者への各別催告、期間1箇月以上)が必要である。

組織再編(合併・会社分割・株式交換・株式移転・株式交付)は、承認手続・債権者異議手続・登記の三点セットで出題される。吸収合併では、存続会社・消滅会社の双方で原則として株主総会の特別決議による承認を要し(会社法783条・795条・309条2項12号)、簡易合併(会社法796条2項)・略式合併(同条1項)の例外要件が択一のひっかけどころである。合併による変更(存続会社)・解散(消滅会社)の登記は同時に申請しなければならず(商業登記法82条3項)、消滅会社の解散登記は存続会社の本店所在地を管轄する登記所を経由して申請する。令和元年会社法改正で創設された株式交付(会社法774条の2以下)は、他の株式会社を子会社とするために自社株式を対価として交付する制度であり、近年の本試験で問われている新しい論点として必ず押さえる。

持分会社(合名・合資・合同会社)と商業登記法固有の手続も毎年出題される。合同会社の社員は全員が有限責任社員であり(会社法576条4項)、設立に際し出資の全額払込みを要する(会社法578条)。持分会社では原則として各社員が業務を執行し(会社法590条1項)、定款変更は総社員の同意による(会社法637条)。商業登記法固有の論点としては、登記期間(原則2週間)、印鑑提出制度、支配人の登記、本店移転登記(管轄外移転では新所在地宛ての申請を旧所在地の登記所を経由して同時申請、商業登記法51条)が頻出である。さらに、令和元年改正による株主総会資料の電子提供制度(会社法325条の2以下)が上場会社に義務化され、電子提供措置をとる旨の定款の定めは登記事項である(会社法911条3項12号の2)点も新しい出題領域である。

記述式(商業登記)対策としては、別紙(定款・議事録・株主リスト)から登記すべき事項・登記できない事項を判定する訓練が不可欠である。特に、株主リスト(商業登記規則61条3項)は株主総会決議を要する登記に添付が必要であり、議決権上位10名または議決権割合3分の2に達するまでの株主を記載する。取締役の就任登記における印鑑証明書の要否(取締役会設置会社では代表取締役の就任承諾書に係る印鑑証明書、非設置会社では取締役全員のそれが原則必要、商業登記規則61条4項・5項)、再任の場合の本人確認証明書の省略(同条7項)など、細かな添付書面規則が得点差を生む。択一で会社法の実体規定を固め、その登記手続への写像を商業登記法で確認する二層学習が本章の学習法の核心である。

この章の問題から3問

株式会社は、その成立後に定款を変更して発起人の報酬を定める場合であっても、検査役の調査を受けなければならない。

正解 ×(誤り)

変態設立事項(会社法28条)として検査役の調査(会社法33条)が問題となるのは設立時に定款で定めた場合である。成立後の役員報酬は会社法361条の手続(定款または株主総会決議)によるのであり、検査役の調査は不要。設立時の規律と成立後の規律を混同させるひっかけ。

譲渡制限株式の譲渡等承認請求があった場合において、会社が請求の日から2週間以内に承認するか否かの決定の内容を通知しなかったときは、会社は譲渡を承認したものとみなされる。

正解 ○(正しい)

会社法145条1号。請求日から2週間(定款で短縮可)以内に139条2項の通知をしないときは、承認の決定をしたものとみなされる(みなし承認)。期間「2週間」と起算点「請求の日」が正確に問われる定番肢。

監査役会設置会社においては、監査役は3人以上で、かつ、その過半数は社外監査役でなければならない。

正解 ×(誤り)

会社法335条3項は「監査役は、3人以上で、そのうち半数以上は、社外監査役でなければならない」と定める。要件は「過半数」ではなく「半数以上」。例えば監査役4人なら社外2人で足りる。数量要件のすり替えによる典型的ひっかけ。

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本ページの講義ノートと問題は、各試験の出題範囲に基づきAIが作成し、法令・基準に照らして別のAIレンズで敵対的に検証したものです(検証プロセス)。法改正等で誤りが見つかった場合は随時修正します。合格を保証するものではありません。