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供託法・司法書士法・憲法・刑法

マイナー4科目は択一10問前後を占める得点源であり、供託は弁済供託の要件と払渡し(還付・取戻し)、司法書士法は懲戒(47条)と欠格(5条)、憲法は判例の結論、刑法は総論の減免規定を条文ベースで正確に押さえることが合否を分ける。

本章で扱う4科目は、本試験の択一式において憲法3問・刑法3問(午前の部)、供託法3問・司法書士法1問(午後の部)の合計10問前後を占める。主要科目に比べ出題範囲が狭く、条文と基本判例の正確な知識で確実に得点できるため、基準点突破の観点からは費用対効果が極めて高い分野である。特に供託法と司法書士法は先例・条文の細かい知識が問われる一方、出題論点は毎年ほぼ固定されており、過去問の反復で安定的に満点近くを狙える。憲法・刑法は判例の結論と理由付けを問う出題が中心であり、学説対立型の問題も刑法総論を中心に出題実績がある。

供託法の中核は弁済供託である。民法494条1項は、①債権者が弁済の受領を拒んだとき(受領拒否)、②債権者が弁済を受領することができないとき(受領不能)を供託原因とし、同条2項は弁済者が過失なく債権者を確知することができないとき(債権者不確知)を定める。受領拒否を原因とする供託は、原則として現実の提供(民法493条本文)をした上でなければすることができず、債権者があらかじめ受領を拒んでいる場合でも口頭の提供を要するのが原則である。ただし判例は、債権者が契約の存在自体を否定するなど受領しない意思が明確な場合には、提供をせずに直ちに供託できるとしており、この原則と例外の区別は頻出である。

供託物の払渡しには、被供託者(債権者)が行う還付請求(供託法8条1項)と、供託者が行う取戻請求(同条2項)の二系統がある。取戻請求権は、①債権者が供託を受諾したとき、②供託を有効と宣告した判決が確定したとき、③供託によって質権・抵当権が消滅したとき(民法496条1項・2項)に行使できなくなる。この3事由は択一の定番であり、還付請求権と取戻請求権はそれぞれ別個に消滅時効にかかる。供託金払渡請求権の消滅時効は、改正民法166条1項により「権利を行使することができることを知った時から5年」または「権利を行使することができる時から10年」の二重期間で規律される点、時効の起算点に関する先例(弁済供託の取戻請求権は供託の基礎となった債務について紛争解決等により供託の必要が消滅した時から進行する)も併せて整理すべきである。また執行供託(民事執行法156条の第三債務者供託)では、権利供託と義務供託の区別、供託後の事情届の要否が繰り返し問われている。

司法書士法では、まず業務範囲(3条)として登記・供託手続の代理、裁判所提出書類の作成等が基本であり、簡裁訴訟代理等関係業務は法務大臣の認定を受けた司法書士のみが行える(3条2項)ことを押さえる。欠格事由(5条)では、拘禁刑以上の刑に処せられ執行終了等から3年を経過しない者(令和4年刑法改正による拘禁刑創設に伴い「禁錮以上の刑」から改められた)、破産手続開始決定を受けて復権を得ない者などが定められるが、令和元年改正により成年被後見人・被保佐人であることは欠格事由から削除された点が重要である。懲戒(47条)は戒告・2年以内の業務停止・業務禁止の3種であり、令和元年改正で懲戒権者が法務局又は地方法務局の長から法務大臣に変更され、除斥期間(懲戒事由発生から7年)が新設された。何人も懲戒事由があると思料するときは懲戒権者に通知できる(49条)ことも頻出である。

憲法は人権分野と統治分野からバランスよく出題される。人権では、私人間効力に関する三菱樹脂事件(間接適用説)、外国人の人権に関するマクリーン事件(政治活動の自由は在留制度の枠内で保障されるにとどまる)、法人の人権に関する八幡製鉄事件など、主要判例の結論と論理を正確に記憶することが第一である。統治では、国会の会期・議決要件、内閣の権能(73条)、司法権の限界(統治行為論・苫米地事件、部分社会の法理)、違憲審査制(81条)が付随的違憲審査制であることを明言した警察予備隊訴訟が繰り返し出題されている。憲法は学説の対立を前提に「見解の帰結」を問う推論型問題も出題されるため、判例の立場と主要学説の対比構造まで整理しておく必要がある。

刑法は総論・各論から各1〜2問が出題される。総論では、実行の着手時期、未遂と中止犯の区別が最重要であり、障害未遂は任意的減軽(43条本文)、中止犯は必要的減免(43条ただし書)という効果の差を正確に押さえる。共犯では共同正犯(60条)・教唆(61条)・幇助(62条)の成立要件と、共犯と身分(65条)の処理が頻出である。各論では財産犯の区別が中核であり、窃盗罪(235条)は他人の占有する財物の窃取、委託物横領罪(252条)は自己の占有する他人の物の横領、背任罪(247条)は事務処理者の任務違背による本人への財産上の損害という構造の違いで整理する。文書偽造罪では、有印私文書偽造罪(159条1項)の客体が権利義務又は事実証明に関する文書であること、名義人の承諾や代理名義の冒用に関する判例が問われる。

この章の問題から3問

受領拒否を原因とする弁済供託は、債権者が弁済の受領を拒んでいる以上、債務者は弁済の提供をすることなく直ちにすることができるのが原則である。

正解 ×(誤り)

誤り。受領拒否を原因とする供託は、原則として現実の提供(民法493条本文)または口頭の提供(同条ただし書)をした上でなければすることができない(民法494条1項1号)。判例上、債権者が契約の存在自体を否定するなど受領しない意思が明確な場合に限り、提供なしで直ちに供託できるとされるが、これはあくまで例外である。原則と例外を入れ替えるひっかけ。

司法書士に対する懲戒処分は、戒告、2年以内の業務の停止、業務の禁止の3種類であり、懲戒権者は法務大臣である。

正解 ○(正しい)

正しい。司法書士法47条は懲戒処分として戒告・2年以内の業務停止・業務禁止の3種を定める。令和元年改正により、懲戒権者は法務局又は地方法務局の長から法務大臣に変更された。改正前の「法務局長」を正しいとするひっかけに注意。

最高裁判所は、マクリーン事件判決において、外国人には政治活動の自由が一切保障されないと判示した。

正解 ×(誤り)

誤り。マクリーン事件(最大判昭和53年10月4日)は、基本的人権の保障は権利の性質上日本国民のみを対象とするものを除き外国人にも及ぶとし、政治活動の自由も、わが国の政治的意思決定に影響を及ぼす活動等を除き保障されるとした。「一切保障されない」が誤りで、在留制度の枠内での保障にとどまるというのが判例の趣旨。

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本ページの講義ノートと問題は、各試験の出題範囲に基づきAIが作成し、法令・基準に照らして別のAIレンズで敵対的に検証したものです(検証プロセス)。法改正等で誤りが見つかった場合は随時修正します。合格を保証するものではありません。