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税額計算と各種税額控除

相続税は『総額を法定相続分で固定→実際の取得割合で按分→2割加算→法定の順序で各種控除』という一連の流れで計算し、控除の数値要件と申告要件を正確に押さえることが得点の核心である。

相続税の税額計算は、まず財産評価と課税価格の集計を終えた後、「相続税の総額」を法定相続分課税方式で確定させる段階から始まる。具体的には、課税価格の合計額から基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を差し引いて課税遺産総額を求め、これを法定相続人が法定相続分どおりに取得したものと仮定して各人の仮定取得額に速算表(超過累進税率・最高55%)を適用し、その合計が相続税の総額となる。総額をいったん固定することで、遺産分割の仕方によって税負担の総量が変わらない仕組みになっている。

次に、確定した相続税の総額を、各相続人・受遺者が実際に取得した課税価格の割合で按分して各人の算出税額を求める。ここで重要なのが「2割加算」(18条)である。被相続人の配偶者および一親等の血族(その代襲相続人である孫等を含む)以外の者が財産を取得した場合、算出税額に20%を加算する。兄弟姉妹、第三者の受遺者、被相続人の孫を養子にした者(代襲相続人である場合を除く)などが典型的な対象となる。加算は税額控除より前の段階で行う。

2割加算後、各種税額控除を法定の順序で適用する。順序は、(1)暦年課税分の贈与税額控除(生前贈与加算された財産に課された贈与税の二重課税排除)、(2)配偶者の税額軽減、(3)未成年者控除、(4)障害者控除、(5)相次相続控除、(6)外国税額控除、最後に(7)相続時精算課税分の贈与税額控除の順である。控除しきれない場合の扱い(扶養義務者への振替が可能な未成年者控除・障害者控除、還付される相続時精算課税分など)が異なるため、順序は単なる暗記でなく結果に影響する論点として理解する。

個別の控除では数値の正確な記憶が得点に直結する。配偶者の税額軽減は「法定相続分相当額」と「1億6,000万円」のいずれか多い金額まで非課税。未成年者控除は(18歳-相続開始時の年齢)×10万円。障害者控除は(85歳-年齢)×10万円(特別障害者は20万円)。相次相続控除は10年以内の前相続につき経過年数1年あたり10%逓減。いずれも年齢・年数の1年未満端数は切り捨てる。

これらの控除のうち配偶者の税額軽減・小規模宅地等の特例などは、適用の結果として納付税額が0円になる場合でも、相続税の申告書を期限内に提出することが適用要件となる点に注意が必要である。また配偶者の税額軽減は原則として申告期限までの遺産分割が要件であり、未分割の場合は「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付しておくことで後日適用を受けられる。

この章の問題から3問

相続税の総額を計算する際の手順として正しいものはどれか。

  1. 各相続人が実際に取得した財産額にそれぞれ税率を乗じて合計する
  2. 課税遺産総額を各相続人が実際に取得した割合で按分し税率を乗じる
  3. 課税遺産総額を法定相続人が法定相続分どおりに取得したものと仮定して各人の税額を計算し合算する
  4. 課税価格の合計額にそのまま速算表の税率を乗じる

正解 課税遺産総額を法定相続人が法定相続分どおりに取得したものと仮定して各人の税額を計算し合算する

相続税の総額は「法定相続分課税方式」により、課税遺産総額(課税価格の合計額-基礎控除額)を法定相続人が法定相続分に応じて取得したものと仮定し、各取得金額に超過累進税率を適用して算出した金額を合計して求める(相法16条)。実際の取得割合は各人の納付税額の按分段階で用いる。

被相続人の配偶者および一親等の血族(代襲相続人となった孫を含む)以外の者が相続または遺贈により財産を取得した場合、その者の相続税額は2割加算される。

正解 ○(正しい)

相続税額の2割加算(相法18条)の対象は、配偶者・一親等の血族(およびその代襲相続人である孫等)以外の者。たとえば兄弟姉妹、受遺者である第三者は対象となる。なお被相続人の養子は一親等の法定血族だが、被相続人の孫を養子にした者(代襲相続人である場合を除く)は相法18条2項により2割加算の対象とされる点に注意。

配偶者の税額軽減(相法19条の2)について、軽減の基礎となる「配偶者の法定相続分相当額」と比較される金額はいくらか。

  1. 1億円
  2. 3,000万円+600万円×法定相続人の数
  3. 2億円
  4. 1億6,000万円

正解 1億6,000万円

配偶者が取得した財産のうち、課税価格の合計額に配偶者の法定相続分を乗じた金額と1億6,000万円とのいずれか多い金額までは、配偶者に相続税がかからない(相法19条の2)。適用には申告期限までの分割が原則必要で、税額が0でも申告書の提出が要件。

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本ページの講義ノートと問題は、各試験の出題範囲に基づきAIが作成し、法令・基準に照らして別のAIレンズで敵対的に検証したものです(検証プロセス)。法改正等で誤りが見つかった場合は随時修正します。合格を保証するものではありません。