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宅建業法① 免許制度と宅地建物取引士

免許も登録も分岐の核は「自ら貸借は取引でない」「欠格は禁錮以上5年・限定列挙の罰金5年・執行猶予満了で即OK」「三悪取消しは5年+役員60日遡及」。数字(5年・90〜30日・30日・2週間・5人に1人)を正確に。

宅地建物取引業とは、宅地建物取引業法2条2号により「宅地若しくは建物の売買若しくは交換又は宅地若しくは建物の売買、交換若しくは貸借の代理若しくは媒介をする行為で業として行うもの」をいう。ここで最頻出の落とし穴は「自ら貸借」である。自ら当事者として行う貸借(転貸を含む)は取引に該当せず、免許は不要である。一方、貸借の代理・媒介は取引に該当する。「業として行う」とは不特定多数の者に対して反復継続して行うことをいい、自己所有地を一括して1回で売却する場合は業に当たらないが、多数の区画に分割して不特定多数に反復継続して売却すれば業に当たる。また「宅地」(法2条1号)とは、建物の敷地に供せられる土地をいい、用途地域内の土地は道路・公園・河川等の公共施設用地を除きすべて宅地に該当する点も基礎として押さえる。

免許権者は法3条1項により区分される。1つの都道府県内にのみ事務所を設置する場合はその都道府県知事免許、2以上の都道府県に事務所を設置する場合は国土交通大臣免許である。事務所の「数」ではなく「所在する都道府県の数」で決まる点に注意する。免許の有効期間は5年であり、更新を受けようとする者は有効期間満了の日の90日前から30日前までに申請しなければならない(法3条2項、施行規則3条)。期間内に更新申請をしたが満了日までに処分がなされない場合、従前の免許は処分がなされるまで効力を有し、更新後の免許の有効期間は従前の満了日の翌日から起算される。なお、国・地方公共団体には宅建業法は適用されず(法78条1項)、信託銀行・信託会社は免許の規定のみ適用除外で届出により業を営める点も出題される。

免許の欠格事由(法5条1項)は毎年出題される最重要論点である。①破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者(復権を得れば直ちに免許可)、②禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者、③宅建業法違反、暴力系の罪(傷害罪・現場助勢罪・暴行罪・凶器準備集合罪・脅迫罪・背任罪等)により罰金の刑に処せられ5年を経過しない者が中心である。罰金で欠格となるのは限定列挙の罪のみであり、例えば過失傷害罪や道路交通法違反の罰金では欠格とならない。執行猶予付きの刑は、猶予期間を満了すれば直ちに免許を受けられる(5年待つ必要はない)。控訴・上告中は刑が確定していないため欠格事由に該当しない。法人については、役員(非常勤含む)又は政令で定める使用人(支店長等)が欠格事由に該当する場合、法人自体が免許を受けられない。

いわゆる「三悪」による免許取消し(法66条1項8号・9号: 不正手段による免許取得、業務停止処分事由に該当し情状が特に重い、業務停止処分違反)を受けた者は、取消しの日から5年間免許を受けられない。この場合、聴聞の期日・場所の公示日から処分決定までの間に相当の理由なく廃業等の届出をした者も、届出から5年間欠格となる(駆け込み廃業の防止)。法人が三悪で取り消された場合は、公示日前60日以内に役員であった者も5年間欠格となる(政令使用人は含まれない点がひっかけ)。免許換え(法7条)は、事務所の増設・移転等により免許権者が変わる場合に新たな免許権者に申請するもので、免許換え後の有効期間は新免許取得日から5年となる。廃業等の届出(法11条)は、死亡=相続人が「死亡を知った日」から30日以内、合併消滅・破産・解散・廃業=各届出義務者が30日以内に届け出る。死亡・合併は事実発生時に免許失効、その他は届出時に失効する点を区別せよ。

宅地建物取引士は、①試験合格、②登録(2年以上の実務経験又は国土交通大臣の登録実務講習修了が必要、法18条)、③宅地建物取引士証の交付という3段階を経る。試験合格は原則一生有効だが、登録には試験を行った都道府県知事に対して申請し、取引士証の有効期間は5年である。取引士証の交付を受けようとする者は、交付申請前6月以内に行われる知事指定の法定講習を受講しなければならない(法22条の2)。ただし試験合格後1年以内に交付を受ける者は講習免除である。取引士の欠格事由(法18条1項)は免許の欠格事由とほぼ共通だが、未成年者の扱いが異なる。営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者は登録できない(免許では法定代理人が欠格でなければ取得可能)。

取引士にのみ許される独占業務は3つである。①重要事項の説明(法35条)、②重要事項説明書(35条書面)への記名、③37条書面への記名。これらは専任の取引士である必要はなく、成年者である専任取引士でなくてもよい。2022年5月施行の改正(デジタル改革関連法)により35条書面・37条書面の押印は廃止され記名のみとなり、相手方の承諾を得て電磁的方法による交付も可能となった。またIT重説は売買・貸借とも本格運用されている。重要事項説明の際、取引士は請求がなくても取引士証を提示しなければならず(法35条4項)、違反には10万円以下の過料がある。なお37条書面の交付自体は取引士が行う必要はない。

事務所には、業務に従事する者5人に1人以上の割合で成年者である専任の宅地建物取引士を設置しなければならない(法31条の3、施行規則15条の5の3)。案内所等で契約を締結し又は申込みを受けるものには、従事者数にかかわらず1人以上の専任取引士を置けば足りる。法定数を欠くに至ったときは2週間以内に必要な措置(補充等)を執らなければならず、違反は業務停止処分・罰則の対象となる。取引士の届出関係では、登録簿の登載事項(氏名・住所・本籍・勤務先の宅建業者の商号等)に変更があれば遅滞なく変更の登録を申請し(法20条)、取引士証の記載事項である氏名・住所の変更時は変更の登録と併せて取引士証の書換え交付を申請する。登録の移転(法19条の2)は、現に登録している都道府県以外の都道府県に所在する宅建業者の事務所の業務に従事し又は従事しようとするときに「できる」任意の制度であり、単なる住所移転では申請できない。移転後の取引士証の有効期間は従前の残存期間を引き継ぐ点が頻出のひっかけである。

監督処分との関係も整理する。取引士に対する処分は、指示処分・事務禁止処分(1年以内)・登録消除処分の3種で、登録している知事のほか、事務禁止・指示は業務地を管轄する知事も行える。事務禁止処分を受けた取引士は速やかに取引士証を交付を受けた知事に提出し(提出しないと10万円以下の過料)、禁止期間満了後は返還請求により返還される。登録が消除された場合や取引士証が効力を失った場合は、取引士証を速やかに返納する。また、取引士は宅地建物取引士の信用又は品位を害する行為をしてはならず(法15条の2: 信用失墜行為の禁止)、必要な知識・能力の維持向上に努める義務(法15条の3)を負う。これらは平成27年施行の改正で「取引主任者」から「取引士」への名称変更と同時に導入された規定であり、業務処理の原則(法15条: 購入者等の利益の保護と円滑な宅地建物の流通に資するよう公正かつ誠実に事務を行う)とセットで正誤判定させる出題が続いている。

この章の問題から3問

Aが自己所有のビルを自ら貸主として不特定多数の者に反復継続して賃貸する場合、Aは宅地建物取引業の免許を受ける必要がある。

正解 ×(誤り)

誤り。宅建業法2条2号の「取引」に自ら貸借(転貸を含む)は含まれない。反復継続して行っても宅建業に該当せず免許不要。貸借の「代理・媒介」なら取引に該当する点とのひっかけ。

免許の更新を受けようとする宅地建物取引業者は、免許の有効期間満了の日の90日前から30日前までの間に免許申請書を提出しなければならない。

正解 ○(正しい)

正しい。宅建業法3条2項・同法施行規則3条。有効期間は5年で、更新申請は満了日の90日前から30日前まで。期間内に申請すれば満了後も処分まで従前の免許が有効で、更新後の期間は従前満了日の翌日から起算される。

宅地建物取引業法違反により罰金の刑に処せられ、その執行を終わった日から5年を経過しない者は、免許を受けることができない。

正解 ○(正しい)

正しい。宅建業法5条1項6号。罰金刑で欠格となるのは宅建業法違反、暴力系の罪(傷害・暴行・脅迫・背任等)など限定列挙の罪に限られるが、宅建業法違反はその筆頭である。過失傷害等の罰金では欠格とならない点と対比して覚える。

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本ページの講義ノートと問題は、各試験の出題範囲に基づきAIが作成し、法令・基準に照らして別のAIレンズで敵対的に検証したものです(検証プロセス)。法改正等で誤りが見つかった場合は随時修正します。合格を保証するものではありません。