税・価格の評定・5問免除科目
税は「誰が・いつ・何に課すか」と特例の数字(1/6・1/2・1,200万円・3,000万円)、地価公示は「規準=義務/指標=努力義務」の区別、免除5問は徒歩1分=80m等の定型知識で確実に得点する。
本章は税法2問・価格の評定1問・免除科目5問の計8問に対応する。税法は国税(所得税・印紙税・登録免許税・贈与税)から1問、地方税(不動産取得税・固定資産税)から1問が例年の型である。まず不動産取得税(地方税法73条以下)は都道府県が課す普通税で、不動産の取得に対し取得者に課される。徴収は普通徴収による。標準税率は4%だが、土地および住宅については3%の特例が続いている。免税点は土地10万円、家屋は新築等23万円・その他12万円である。相続や法人の合併による取得は形式的な移転として非課税だが、贈与や交換による取得は課税される点がひっかけの定番である。新築住宅(床面積50㎡以上240㎡以下)は課税標準から1,200万円が控除され、宅地は課税標準が価格の2分の1となる特例がある。
固定資産税(地方税法341条以下)は市町村が課す税で、賦課期日は毎年1月1日、その日現在に固定資産課税台帳に所有者として登録されている者が納税義務者となる(年の途中で売却しても当該年度の納税義務者は変わらない)。標準税率は1.4%で、市町村は条例でこれと異なる税率を定めうる。免税点は土地30万円・家屋20万円・償却資産150万円。住宅用地の課税標準は200㎡以下の部分(小規模住宅用地)が価格の6分の1、200㎡を超える部分が3分の1に軽減される。新築住宅は床面積120㎡までの部分につき3年度分(中高層耐火建築物は5年度分)税額が2分の1に減額される。納税者は縦覧帳簿により自己の資産と他の資産の価格を比較でき、固定資産評価審査委員会への審査申出制度がある。
国税では印紙税と登録免許税の交互出題が続く。印紙税は課税文書の作成者に課され、売買契約書を売主・買主双方が各1通保存すれば各通が課税対象となる。記載金額の判定が頻出で、贈与契約書は対価がないため「記載金額のない契約書」として200円、交換契約書は交換金額のうち高い方が記載金額となる。国・地方公共団体が作成する文書は非課税であり、国と私人が共同作成し私人が保存する文書は国が作成したものとみなされ非課税となる。印紙を貼付しなかった場合は本来の税額とその2倍(計3倍)の過怠税が徴収されるが、契約自体の効力は妨げられない。登録免許税では、住宅用家屋の所有権移転登記の軽減税率は、床面積50㎡以上の自己居住用家屋を取得後1年以内に登記する場合に適用され、個人にのみ適用がある(法人は不可)点を押さえる。
譲渡所得課税では居住用財産の特例群の適用要件と重複適用の可否が問われる。居住用財産を譲渡した場合の3,000万円特別控除(租税特別措置法35条)は所有期間を問わず適用できるが、配偶者・直系血族など特別関係者への譲渡には適用されない。所有期間10年超の居住用財産には軽減税率の特例(同31条の3)があり、3,000万円特別控除と併用できる。一方、特定居住用財産の買換え特例(同36条の2)は3,000万円控除・軽減税率と選択適用であり併用不可である。収用等の場合の5,000万円特別控除も頻出。贈与税では、直系尊属からの住宅取得等資金贈与の非課税特例、および相続時精算課税制度(基礎控除110万円+特別控除2,500万円、贈与者は60歳以上の父母・祖父母、受贈者は18歳以上)を確認する。住宅取得等資金の贈与については贈与者の年齢要件が撤廃される特例がある。
価格の評定は地価公示法と不動産鑑定評価基準が交互に出題される。地価公示法では、土地鑑定委員会が公示区域内の標準地について、毎年1回、2人以上の不動産鑑定士の鑑定評価を求め、正常な価格を判定して官報で公示する。「正常な価格」とは自由な取引において通常成立すると認められる価格をいい、地上権等が存する場合はそれらが存しないものとして算定する。都市計画区域外にも公示区域は定めうるが、規制区域(国土利用計画法)内には定められない。不動産鑑定士は公示区域内の土地の正常な価格を求めるときは公示価格を規準としなければならず、土地収用における補償金額の算定も公示価格を規準とする。一般の土地取引については公示価格を「指標として取引するよう努めなければならない」(努力義務)にとどまる点がひっかけである。
不動産鑑定評価基準では、価格を求める鑑定評価の手法として原価法・取引事例比較法・収益還元法の三方式があり、案件に即して複数の手法を併用すべきとされる。原価法は再調達原価を求め減価修正を行う手法で、土地でも造成地など再調達原価を適切に求めうる場合には適用できる。取引事例比較法の事例は原則として近隣地域または同一需給圏内の類似地域等から選択し、投機的取引の事例は用いてはならない。特殊な事情を含む事例も事情補正できるものであれば採用可能である。収益還元法は賃貸用不動産のみならず自用の不動産にも賃貸を想定することにより適用されるものであり、文化財等の一般的に市場性を有しない不動産以外にはあらゆる不動産に適用すべきとされる。価格の種類には正常価格・限定価格・特定価格・特殊価格がある。
5問免除科目のうち住宅金融支援機構法では、機構の主業務が民間金融機関の住宅ローン債権を譲り受けて証券化する証券化支援業務(買取型・保証型、フラット35)である点が核心である。機構は原則として直接融資を行わないが、災害復興建築物、子どもや高齢者に適した賃貸住宅、マンション共用部分の改良など政策上重要で民間では困難な分野に限り直接融資を行う。高齢者向け返済特例(死亡時一括償還)、団体信用生命保険業務、住宅融資保険業務も出題される。景品表示法(公正競争規約)では、徒歩所要時間は道路距離80mにつき1分(端数切上げ)、新築とは建築後1年未満かつ未使用、駅からの距離は物件の区画からの道路距離で表示、二重価格表示や「完売御礼」等のおとり広告の禁止を押さえる。
統計は直前期の最新データ確認が必須だが、問われる指標は固定している。地価公示(全国平均・用途別の対前年変動率)、建築着工統計(新設住宅着工戸数の増減と持家・貸家・分譲の内訳)、法人企業統計(不動産業の売上高・経常利益の増減)、国土交通白書(宅建業者数・約12〜13万業者の趨勢)の4本柱である。土地・建物では、宅地に適する地形の判断(台地・丘陵地は概ね良好、旧河道・埋立地・干拓地は軟弱で液状化リスク、自然堤防は比較的良好だが後背湿地は不適)、等高線の読み方(間隔が狭いほど急傾斜)、建物では木造の耐震(筋かい・基礎との緊結)、鉄骨造は不燃だが耐火被覆が必要、鉄筋コンクリート造の中性化など、常識的判断で正解できる基礎知識を確実に得点する。免除対象者(登録講習修了者)以外はこの5問も解くため、8問全体で6点以上を狙う。
この章の問題から3問
不動産取得税は、相続により不動産を取得した場合にも課される。
正解 ×(誤り)
誤り。相続(包括遺贈を含む)による取得は形式的な所有権の移転として非課税である(地方税法73条の7)。贈与による取得は課税される点との対比がひっかけ。
固定資産税の賦課期日は毎年1月1日であり、年の途中で家屋を売却した場合でも、その年度分の納税義務者は1月1日現在の登録名義人である。
正解 ○(正しい)
正しい。賦課期日は当該年度の初日の属する年の1月1日(地方税法359条)で、その時点で固定資産課税台帳に所有者として登録されている者が納税義務を負う。途中売却しても年度内の納税義務者は変わらない(実務上の精算は私人間の契約の問題)。
印紙税を納付すべき課税文書に印紙を貼付しなかった場合、その契約は無効となる。
正解 ×(誤り)
誤り。印紙の不貼付に対しては本来の印紙税額とその2倍に相当する過怠税(計3倍)が徴収される(印紙税法20条)が、文書(契約)の私法上の効力には影響しない。
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本ページの講義ノートと問題は、各試験の出題範囲に基づきAIが作成し、法令・基準に照らして別のAIレンズで敵対的に検証したものです(検証プロセス)。法改正等で誤りが見つかった場合は随時修正します。合格を保証するものではありません。