法令上の制限(都市計画法・建築基準法ほか)
開発許可の要否(市街化区域1,000㎡以上・調整区域は原則全て)と、建蔽率・容積率・農地法3/4/5条の数値基準を正確に暗記し、例外(農林漁業用・市街化区域内特則)まで押さえることが8問中6点確保の鍵である。
法令上の制限は例年8問出題され、都市計画法2問・建築基準法2問・農地法・国土利用計画法・土地区画整理法・盛土規制法から各1問が定番である。まず都市計画法の体系を押さえる。都市計画区域は原則として都道府県が指定し、2以上の都府県にわたる場合は国土交通大臣が指定する(都市計画法5条)。都市計画区域内では区域区分(市街化区域と市街化調整区域の線引き)を定めることができるが、これは義務ではなく任意である(同法7条、三大都市圏等は義務)。市街化区域は「すでに市街地を形成している区域及びおおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域」、市街化調整区域は「市街化を抑制すべき区域」と定義される。市街化区域には少なくとも用途地域を定め、市街化調整区域には原則として用途地域を定めない。この定義の言い回しの正誤は頻出であるから、条文の文言どおり記憶すべきである。
開発許可制度(都市計画法29条)は毎年出題される最重要論点である。開発行為とは「主として建築物の建築又は特定工作物の建設の用に供する目的で行う土地の区画形質の変更」をいう。許可が不要となる規模基準は、市街化区域では1,000㎡未満、区域区分が定められていない都市計画区域及び準都市計画区域では3,000㎡未満、都市計画区域・準都市計画区域外では1ha(10,000㎡)未満である。一方、市街化調整区域には規模による例外がなく、原則としてすべての開発行為に許可を要する。また、市街化区域以外の区域で行う農林漁業用建築物(畜舎・温室等)や農林漁業者の居住用建築物のための開発行為、駅舎・図書館・公民館等の公益上必要な建築物、都市計画事業の施行として行う開発行為は規模を問わず許可不要である(29条1項各号)。「農林漁業用」の例外が市街化区域内では使えない点がひっかけの定番である。
建築基準法ではまず単体規定と集団規定を区別する。集団規定は原則として都市計画区域及び準都市計画区域内に限り適用される。接道義務(43条)は「建築物の敷地は建築基準法上の道路(幅員4m以上が原則)に2m以上接しなければならない」であり、4mと2mの数字の入れ替えが頻出のひっかけである。幅員4m未満でも特定行政庁の指定により道路とみなされる、いわゆる2項道路(42条2項)では、原則として道路中心線から2m後退した線が道路境界線とみなされる(セットバック)。用途規制(48条・別表第二)では、神社・寺院・教会、保育所、診療所、巡査派出所は全用途地域で建築可能である一方、病院は第一種・第二種低層住居専用地域と田園住居地域、工業・工業専用地域では建築できず、大学も低層住居専用地域では建築できない。敷地が用途地域をまたぐ場合は、過半の属する地域の規制が敷地全体に適用される(91条)。
建蔽率(53条)と容積率(52条)の数値操作も毎年問われる。建蔽率は、①特定行政庁が指定する角地で10分の1加算、②防火地域内の耐火建築物等(準防火地域内の耐火・準耐火建築物等を含む)で10分の1加算、両方満たせば10分の2加算となる。さらに、建蔽率の限度が10分の8とされている地域内でかつ防火地域内にある耐火建築物等については建蔽率の制限自体が適用されない。容積率は、前面道路の幅員が12m未満の場合、指定容積率と「幅員×法定乗数(住居系用途地域は10分の4、その他は10分の6)」のいずれか小さい方が限度となる。高さ制限では、第一種・第二種低層住居専用地域及び田園住居地域に10m又は12mの絶対高さ制限(55条)があるため隣地斜線制限は適用されず、北側斜線制限は低層系と中高層住居専用地域(日影規制対象区域を除く)に適用される。日影規制(56条の2)は商業地域・工業地域・工業専用地域には適用されない。
農地法は3条・4条・5条の許可権者と例外の整理が全てである。3条(権利移動)は農業委員会の許可、4条(自己転用)と5条(転用目的の権利移動)は都道府県知事等(指定市町村の区域内では指定市町村長)の許可を要する。「農地」とは現況で判断され、登記地目は問わない(現況主義)。相続・遺産分割による取得は3条許可不要だが、遅滞なく農業委員会に届け出なければならない。市街化区域内の農地については、あらかじめ農業委員会に届け出れば4条・5条の許可は不要となる特則があるが、この特則は3条には存在しない。2アール未満の農地を自己の農業用施設(農作業用倉庫等)に転用する場合は4条許可不要である。許可を受けずに締結した3条・5条の契約はその効力を生じず、無許可転用には原状回復命令や罰則(法人は1億円以下の罰金)がある点も押さえる。
国土利用計画法の事後届出(23条)は、市街化区域2,000㎡以上、市街化調整区域及び非線引き都市計画区域5,000㎡以上、都市計画区域外10,000㎡以上の一団の土地に関する売買等の契約について、権利取得者(買主)が契約締結日から起算して2週間以内に市町村長経由で都道府県知事に届け出る制度である。勧告の対象は土地の利用目的のみであり、対価の額は勧告対象外(届出事項ではある)という点が頻出である。また2023年施行の宅地造成及び特定盛土等規制法(盛土規制法)では、宅地造成等工事規制区域内において、①盛土で高さ1m超の崖を生ずるもの、②切土で高さ2m超の崖を生ずるもの、③盛土と切土を合わせて高さ2m超の崖を生ずるもの、④崖を生じなくても盛土の高さが2m超のもの、⑤面積500㎡超のもの、のいずれかに該当する工事は都道府県知事等の許可を要する。土地区画整理法では、仮換地指定後は従前の宅地の使用収益ができなくなること、換地処分の公告翌日に換地が従前の宅地とみなされることを確認しておく。
この章の問題から3問
都市計画法の開発許可に関して、市街化調整区域内において行う1,000㎡未満の開発行為は、開発許可を受ける必要がない。
正解 ×(誤り)
誤り。規模による許可不要の基準(市街化区域1,000㎡未満等)は市街化調整区域には存在せず、市街化調整区域内の開発行為は農林漁業用建築物のためのもの等の例外(都市計画法29条1項各号)を除き、規模を問わず許可が必要である。市街化区域の1,000㎡基準を調整区域に流用させるのが本肢のひっかけ。
国土利用計画法の事後届出は、土地売買等の契約を締結した日から起算して2週間以内に、権利取得者が都道府県知事(市町村長経由)に届け出なければならない。
正解 ○(正しい)
正しい。国土利用計画法23条により、事後届出は契約締結日から起算して2週間以内、届出義務者は権利取得者(買主)である。当事者双方や譲渡人が届出義務者とされる肢、「3週間以内」とする肢がひっかけの定番。なお勧告対象は利用目的のみで、対価の額は勧告対象外である。
建築基準法上、建築物の敷地は、原則として幅員4m以上の道路に4m以上接しなければならない。
正解 ×(誤り)
誤り。接道義務(建築基準法43条)は「道路に2m以上」接することであり、4mではない。「幅員4m以上の道路」(42条)と「接道長さ2m以上」の数字を入れ替えるのが典型的なひっかけである。
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本ページの講義ノートと問題は、各試験の出題範囲に基づきAIが作成し、法令・基準に照らして別のAIレンズで敵対的に検証したものです(検証プロセス)。法改正等で誤りが見つかった場合は随時修正します。合格を保証するものではありません。