Ukaru.資格試験オンライン講座

資産・負債・純資産の会計

資産は取得原価主義が原則・有価証券は『保有目的が評価方法を決める』、純資産は『払込資本と留保利益の区別』が貸借対照表理解の3本柱である。

貸借対照表は、一定時点における企業の財政状態を、資産・負債・純資産の3区分で表示する財務諸表である。資産は企業が支配する経済的資源(将来の収入や便益をもたらすもの)、負債は将来の経済的資源の引き渡し義務、そして資産から負債を差し引いた差額が純資産(株主に帰属する持分等)である。この『資産−負債=純資産』という関係が貸借対照表の最も基本的な構造であり、本章の出発点となる。

資産評価の大原則は取得原価主義である。すなわち資産は取得に要した支出額で計上し、勝手に値上がり益を計上しない(保守主義・処分可能利益の観点)。ただし金融商品については例外的に時価評価が求められる。資産は流動・固定(・繰延)に区分され、正常営業循環基準(営業サイクル内のものは流動)と一年基準(決算日翌日から1年以内に現金化・支払期限が到来するものは流動)の2つの基準で流動・固定を分類する。

金融商品(特に有価証券)は本章の最重要論点である。有価証券は保有目的により4つに分類される。売買目的有価証券は時価評価し評価差額を当期損益に算入する。満期保有目的の債券は取得原価(金利調整差額があれば償却原価法)で評価する。子会社株式・関連会社株式は取得原価で評価する。その他有価証券は時価評価するが、評価差額は損益とせず、原則として全部純資産直入法により純資産の部(その他有価証券評価差額金、税効果調整後)に直接計上する。『目的が評価を決める』という発想を徹底することが理解の鍵である。

純資産の部は、株主資本と株主資本以外の項目に大別される。株主資本は、資本金・資本剰余金(資本準備金・その他資本剰余金)・利益剰余金(利益準備金・その他利益剰余金)・自己株式(控除項目)からなる。ここでは株主が払い込んだ資本(払込資本)と、会社が稼いだ利益の留保額(留保利益)を明確に区別することが重要である。株主資本以外には、その他有価証券評価差額金や繰延ヘッジ損益などの評価・換算差額等、新株予約権、株式引受権などが含まれる。

負債は債務性のある法的債務(買掛金・借入金・社債など)と、引当金のように会計的な見積りに基づくものに分かれる。引当金は『将来の特定の費用・損失』『発生が当期以前の事象に起因』『発生の可能性が高い』『金額を合理的に見積れる』の4要件を満たす場合に計上する(貸倒引当金、賞与引当金、退職給付引当金など)。また繰延資産(創立費・開業費・株式交付費・社債発行費・開発費)は、本来は費用だが効果が将来に及ぶため、支出時費用処理を原則としつつ、資産計上して償却する処理も容認される擬制資産である点に注意する。

この章の問題から3問

貸借対照表における資産の評価原則として、原則的なものはどれか。

  1. 時価主義(公正価値評価)
  2. 割引現在価値主義
  3. 取得原価主義
  4. 再調達原価主義

正解 取得原価主義

日本の会計基準では資産評価の原則は取得原価主義であり、資産は原則として取得に要した支出額(取得原価)で評価する。一定の金融商品等で時価評価が例外的に求められる。

売買目的有価証券は、貸借対照表上、時価をもって評価し、評価差額は当期の損益として処理する。

正解 ○(正しい)

金融商品会計基準により、売買目的有価証券は時価評価し、評価差額(評価損益)は当期の損益(営業外損益)として計上する。

その他有価証券の評価差額の処理方法として正しいものはどれか(全部純資産直入法・税効果会計適用)。

  1. 評価差額をすべて当期の損益とする
  2. 時価評価せず取得原価で据え置く
  3. 評価益のみ損益、評価損は純資産に計上する
  4. 評価差額(税効果調整後)を純資産の部の評価・換算差額等に計上する

正解 評価差額(税効果調整後)を純資産の部の評価・換算差額等に計上する

その他有価証券は時価評価し、原則として全部純資産直入法により、評価差額(税効果会計適用後)を純資産の部の「その他有価証券評価差額金」として計上する。部分純資産直入法では評価損のみ損益処理する選択も認められる。

この章の残り14問を解く

登録不要 ・ 採点と解説はその場 ・ 進捗は端末に保存

財務諸表論の他の章

本ページの講義ノートと問題は、各試験の出題範囲に基づきAIが作成し、法令・基準に照らして別のAIレンズで敵対的に検証したものです(検証プロセス)。法改正等で誤りが見つかった場合は随時修正します。合格を保証するものではありません。