連結財務諸表
連結は「合算→子会社資産負債の全面時価評価→投資と資本の相殺(のれん・非支配株主持分)→内部取引・債権債務・未実現損益の消去」という手順で企業集団を単一体として描く。
連結財務諸表とは、支配従属関係にある二つ以上の企業からなる企業集団を単一の組織体とみなして、親会社が企業集団全体の財政状態・経営成績・キャッシュ・フローの状況を総合的に報告するために作成する財務諸表である。法的には別個の会社であっても、経済的実態として一体である企業集団を投資家に開示する点に意義がある。構成は連結貸借対照表・連結損益計算書・連結包括利益計算書・連結株主資本等変動計算書・連結キャッシュ・フロー計算書からなる。
連結の範囲は支配力基準によって決まる。親会社が議決権の過半数を所有する会社は原則として子会社として連結する。議決権が40%以上50%以下であっても、緊密な者・同意している者の議決権と合算して過半数となる場合や、取締役会の構成・重要な財務営業方針の決定を支配する契約等により意思決定機関を実質的に支配している場合には子会社とする。ただし支配が一時的な会社、連結により利害関係者の判断を著しく誤らせるおそれのある会社は連結の範囲から除く。
連結手続の中心は、親会社個別財務諸表と子会社個別財務諸表を合算したうえで、企業集団内部の重複・相互取引を消去する点にある。第一に、子会社の資産・負債を支配獲得日の時価で全面的に評価(全面時価評価法)し、評価差額を子会社資本に加える。第二に、親会社の投資(子会社株式)と子会社の資本を相殺消去し、差額をのれん(投資が上回る場合)または負ののれん(下回る場合)とする。のれんは無形固定資産とし20年以内で規則的に償却、負ののれんは発生時に利益処理する。
投資消去後、子会社資本のうち親会社に帰属しない部分は非支配株主持分として純資産の部に区分表示する。さらに連結会社相互間の債権債務(売掛金と買掛金等)や取引高(売上高と仕入高等)を相殺消去し、内部取引から生じた棚卸資産・固定資産に含まれる未実現損益を消去する。ダウンストリーム(親→子)の未実現利益は全額を親会社が負担し、アップストリーム(子→親)の場合は全額消去のうえ親会社持分と非支配株主持分とに持分比率に応じて按分負担させる。
全部連結によらない場合の手法が持分法である。持分法は原則として非連結子会社および関連会社(議決権20%以上の所有等で重要な影響を与えうる会社)に対する投資に適用し、被投資会社の純資産・損益の持分相当額を投資勘定に加減して一行で反映する(一行連結)。全部連結と持分法とで連結純利益は理論上一致する。連結特有の論点として、子会社の留保利益・追加取得・一部売却・税効果会計の適用なども問われる。
この章の問題から3問
親会社が他の会社の議決権の過半数(50%超)を所有している場合、原則としてその会社は連結の範囲に含めなければならない。
正解 ○(正しい)
連結財務諸表に関する会計基準では、支配力基準により、議決権の過半数を所有する被支配会社は子会社として連結の範囲に含めるのが原則。ただし支配が一時的、または連結により利害関係者の判断を著しく誤らせるおそれがある場合は除外する。
連結貸借対照表の作成において、子会社の資産・負債の評価方法として現行の会計基準が原則とする方法はどれか。
- 部分時価評価法(親会社持分のみ時価評価)
- 親会社の取得原価に比例配分する方法
- 簿価評価法(子会社の帳簿価額をそのまま用いる)
- 全面時価評価法(子会社の資産・負債を全面的に支配獲得日の時価で評価)
正解 全面時価評価法(子会社の資産・負債を全面的に支配獲得日の時価で評価)
現行の連結会計基準では、子会社の資産・負債のすべてを支配獲得日の時価により評価する全面時価評価法による。かつて選択適用が認められていた部分時価評価法は廃止された。
親会社の投資(子会社株式)と子会社の資本を相殺消去した際に、投資額が子会社資本のうち親会社持分を上回る差額は何として処理されるか。
- のれん(無形固定資産)
- 負ののれん(一時の利益)
- 資本剰余金
- 非支配株主持分
正解 のれん(無形固定資産)
投資消去差額のうち投資が上回る部分はのれんとして無形固定資産に計上し、原則20年以内の効果の及ぶ期間で定額法その他合理的な方法により規則的に償却する。投資が下回る場合は負ののれんとして発生時に特別利益(収益)処理する。
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本ページの講義ノートと問題は、各試験の出題範囲に基づきAIが作成し、法令・基準に照らして別のAIレンズで敵対的に検証したものです(検証プロセス)。法改正等で誤りが見つかった場合は随時修正します。合格を保証するものではありません。